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2011年11月9日(水)

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  • 労働者や女性や移民の権利の活動家たちが、8日の各州の投票での多くの重要案件の勝利を祝っています。オハイオ州では論争の的となった州公務員の団体交渉権を制限するという共和党のジョン・ケイシック知事の提案を有権者たちが覆しました。アリゾナ州でも、議論を呼んだ州の反移民法を立案したラッセル・ピーアスが前代未聞のリコール投票で上院の議席を失いました。一方、メイン州では投票日当日の選挙人登録を禁止するという共和党の提案を有権者たちが退けました。選挙分析のためにオハイオからネイション誌のジョン・ニコルズ記者に登場してもらいます。「政治コンサルタントとか政界のインサイダーの多くが(オハイオ州の立案について)『ああ、この件では戦わない方がいい』と言ってきました。オバマ大統領をはじめ、ワシントンの民主党議員たちはオハイオ州の戦いには関わらないようにして来たのです」とニコラスは言います。「しかしオハイオ州の現場では、草の根運動がそれは文字通り数千数万の人々の戸別訪問運動だったんですが、それが全米的な保守政治傾向を跳ね返した。これは非常に大きなことです」

  • 共和・民主両党の州知事候補からの支持を受けていたにもかかわらず、ミシシッピ州民たちは受精卵段階での胎芽を「人」と認めるとする州法改正案を圧倒的多数で退けました。もしこの法案が承認されていれば、ミシシッピ州は胎児となる前の胎芽に受精時点で、憲法で保障される権利を認める最初の州になっていました。ミシシッピ州で唯一の中絶クリニック「ジャクソン・ウイメンズ・ヘルス・オルガニゼーション」のオーナー、ダイアン・ダージスに話を聞きます。ダージスは、州法改正の支持者たちはこのミシシッピでの法案成立を通じて、中絶の権利を認めた1973年の米最高裁所判決「ロー対ウェイド」に対する攻撃を仕掛けようとしていたのだと指摘します。「もし受精卵を人間だとするなら、直ちに中絶が禁止されたばかりか、ほとんどの避妊法が禁止されることにもなっていました。なぜなら避妊は、受精卵が着床するのを妨ぐからです。それはとても明解なことで、これに関して他に解釈の余地はありません」とダージスは言います。同種の法案は、少なくとも6州と連邦レベルでも成立の努力が行われています。

  • 共和党の大統領候補ハーマン・ケインは自身に対するセクハラ疑惑を「とにかくそんなことは一切ない」と強く否定し、2012年の大統領選挙からの撤退もないと誓っています 。8日、ケインは、最新の告発人シャロン・ビアレクのセクハラの申し立ても否定しました。ビアレクは1997年、ケインが彼女の体を触わり、性行為を強制しようとしたと主張しています。同じく8日には別の女性キャレン・クローシャーが、1990年代に全米レストラン協会でケインと働いていたときに、彼をセクハラで告訴したことを公の場で初めて認めました。スレート・ドットコムの上級編集者ダーリア・リスウィックに話を聞きます。「こういうケースの典型的な例ですね。ほかの全部がうまくいかなくなるとすぐに女性たちを狂気の沙汰だ、アバズレだ、ヒステリーだと攻撃する。いま聞こえてきていることはまさにそういうことだと思います」とリスウィックは言います。「こういう時の非難が、不正行為をした男性の行動に向かわないことは、とても興味深いことです。女性は感情的ですぐに取り乱すという、シェイクスピアの時代の女性像と全く同じではないですか」

  • 5日は大銀行から小さなコミュニティ銀行や信用組合へ自分の口座を移そうというキャンペーン「銀行口座移動の日(Bank Transfer Day)」でした。全米でこの抗議活動が行われ、信用組合は4万人の新規口座開設者を得て、合計約8000万ドル、1口座あたり平均約2000ドルの新たな預金を獲得したようです。このキャンペーンはクリステン・クリスチャンが組織しました。バンク・オブ・アメリカが毎月デビット・カード手数料5ドルを請求すると知ったのがきっかけでした。彼女はそのことをフェイスブックにポストして友人たちに大銀行を放棄しようと訴えかけ、それが期せずして全米に広がる動きになったのです。このキャンペーンはサイバー活動家グループのアノニマスやウォール街占拠運動に刺激されたものでも、呼びかけられたものでもなかったのですが、両者からの支持も受けることになりました。「『銀行口座移動の日』のメッセージは手数料の問題だけではありません。その裏にある原則の問題なのです。なぜなら少なくともバンク・オブ・アメリカは口座残高が総額で2万ドルに満たない人にだけこの手数料が適用されます。この原則に基づいて貧困層や労働者階級に狙いを定める企業を、私は支持できないのです」

  • 全米で革新政治の主張がいくつも勝利した投票日を終えて、企業が個人と同等の権利を有するという概念である「企業人格化」に反対する活動家たちが、今度は合州国憲法に新たな修正条項(憲法修正28条)を加えるキャンペーンに邁進しています。これは「企業は人間である」という概念を否定し、2010年の「団結した市民たち(Citizens United)対連邦選挙管理委員会」裁判の歴史的判決を覆そうというものです。これは最高裁が判事5対4の僅差ながら、企業は合州国憲法修正第一条の表現の自由を有するとし、政府が企業の政治的言論を規制することはできないとして、企業やその他の特殊利益団体が選挙に制限なく資金を投入することができる道を開いた判決でした。憲法学者で「民衆のための言論の自由(Free Speech for People)」共同創設者兼代表のジョン・ボニファズに話を聞きます。

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