米国が貿易協定決着に急ぎ 環境保護法押しつぶしにかかる中 日本ではTPP反対運動が根強くつづく

2014/1/16(Thu)
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日本は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に対する反対運動の本拠地となってきました。TTPが成立すれば、日本から米国やチリにまで広がる地域で、世界経済の40パーセント近くを包括する自由貿易地域が形成されます。ウィキリークスが新たに公開した文書によれば、米政府は同協定を確実なものにするために、法的拘束力のある環境汚染限度、森林伐採基準、フカヒレ採取禁止などの重要な規制を後退させるかもしれないことが分かりました。「環境関連条項」の草案からは、TPPへの参加を検討する米国と環太平洋地域11カ国が義務を怠った場合、罰金ではなく貿易制裁が課されることもわかっています。自然保護団体「シエラクラブ」(Sierra Club)はこのニュースに対し、この草案通り合意に持ち込まれれば「オバマ大統領の交際交易を巡る環境保護についての業績は、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代よりも低いものとなる」と反応しています。一方、米連邦議会では1月16日、議会の可決無しにオバマ大統領のTPPへの署名を認める「特急権限」を成立させるための法案について公聴会が行われます。東京からの放送では衆議院議員時代、外務委員も務め、TPPの危険性を初期に指摘したひとりでもある首藤信彦に話を聞きます。首藤は「TPP阻止国民会議」(Citizen’s Congress for Opposing the Trans-Pacific Partnership)の事務局長も務めています。加えて「パブリックシチズン」(Public Citizen)の「世界交易監視」(Global Trade Watch)プログラム代表ロリ・ウォラックにも、ワシントンより電話で話を聞きます。

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