映画 『アクト・オブ・キリング』でインドネシアの「死の部隊」幹部が大虐殺の場面を再演

新作ドキュメンタリー映画『アクト・オブ・キリング』(The Act of Killing)のジョシュア・オッペンハイマー監督へのロング・インタビューです。この作品は、1965年に民主的な選挙で選ばれた政府を転覆させた軍部と準軍事組織が百万人に上る自国民の大量虐殺を行ったインドネシアが舞台です。この軍事政権は米国が後援し、指導者のスハルト将軍はその後数十年にわたってインドネシアを支配することになりました。過去の大量虐殺を清算するための真実和解委員会が設けられたこともなく、殺人を実行した者が裁かれた例もありません。この映画が描き出すのは、そうした殺人者たちが今もなお多くの人々に英雄として称えられるインドネシアという国です。オッペンハイマーは8年以上かけてインドネシアの死の部隊の幹部たちを取材し、彼らと協力して虐殺の現場をリアルに再現する映画『アクト・オブ・キリング』をつくりあげました。幹部たちは各自の好みのアメリカ映画のスタイルを選んで殺人の場面を演じてみせます。典型的なハリウッド様式のギャング映画からミュージカル・ナンバーまで、さまざまなスタイルが使われています。取材された幹部の中でもとりわけ重要な人物はアンワル・コンゴといい、千人にも及ぶほどの多数の殺害を自らの手で実行し、現在は活動的な右翼民間軍事組織の創設者として崇められています。インドネシアにおけるこの映画の影響に関してもオッペンハイマー監督に質問しました。インドネシアでは大虐殺の生存者やジャーナリストたちが新たな調査を始めており、この人たちに向けてこの映画が上映されました。映画には共同監督がいて、一人はクリスティン・シン、もう一人はインドネシア人ですが報復を怖れて名を明かしていません。同じ理由でインドネシア人制作スタッフの多くも匿名です。制作責任者はワーナー・ハーツォグとエロール・モーリスです。『アクト・オブ・キリング』 はニューヨーク市で本日から公開、ロサンゼルスとワシントンDCでは7月26日から、その後に全米で公開となります。

最近のニュース

2015/9/2(水)

  • 集団ハンガーストライキと訴訟を経てカリフォルニア州の囚人たち 独房監禁の削減を勝ち取る
  • グアテマラの大統領は刑務所行きか?  市民による抗議行動の後 議会がペレス・モリナ大統領の不逮捕特権を剥奪
  • クーデター 秘密戦争 ジェノサイドを記録が裏づけ キッシンジャーは長老政治家か戦争犯罪者か?

2015/9/1(火)

  • 次のそんなに冷たくない戦争:気候変動により温暖化する北極 支配権と資源をめぐる国家間競争
  • 世界的に禁止されているにもかかわらず、サウジ主導の部隊が米国製のクラスター爆弾でイエメンで数十人を殺傷
  • 『スミス刑務所へ行く』:獄中に1年いた元州上院議員が大量投獄を非難

2015/8/31(月)

  • 国境保全か命の保護か 安全を求めて欧州へ向かう難民 急増する死者
  • 「我々の気候、我々の未来」 オバマの北極訪問、アラスカ住民はシェル社の掘削承認の取り消しを要請
  • エジプト、アルジャジーラ記者に禁固3年 米国はシシ政権に「すり寄る」のをやめるか?

2015/8/28(金)

  • ニューオーリンズの不均衡な復興:ハリケーン・カトリーナから 10年 広がる人種格差
  • ショック・ドクトリン:被災後のニューオーリンズ学校の大規模 民営化をみると現在にもたらす影響
  • ニューオーリンズ俳優・活動家ウェンデル・ピアース ハリケー ン・カトリーナ後の「最大の犯罪」を語る
  • 「ジョージ・ブッシュには黒人なんかどうでもいい」カニエ・ウェストの批判から10年後の省察

2015/8/27(木)

  • グアテマラ大統領逮捕に直面 ビジネス界と米国は蜂起を封じようと躍起になる
  • ハリケーン・カトリーナ10周年を振りかえる:被災者の声
  • カトリーナ後のニューオリンズ: 同市の「復興」は貧困層を置き去りにし 貧富の格差は広がる一方
  • 貧しい人にとっては今もハリケーン・カテリーナ直後のようだ: マリク・ラヒムが10年後を語る