第二のCOINTELPRO? 白人至上主義者の暴力の増加にもかかわらず「黒人アイデンティティ過激派」をターゲットにするFBI
2017/10/16(Mon)
記事番号:
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「『黒人アイデンティティ過激派』(black identity extremists)は法執行機関への脅威となっている」。FBIの国内テロ分析ユニットから流出した文書のメモにそう記されていたと入手元のフォーリン・ポリシー誌が報じました。メモの日付は2017年8月3日で、バージニア州シャーロッツビルでおこなわれた白人至上主義者による集会の数日前にあたります。集会では、白人至上主義者、クー・クラックス・クランのメンバー、ネオナチ主義者らによって、人種差別に抗議していたヘザー・ヘイアーが殺され、数十人が負傷しました。しかしこの文書は、白人至上主義者による暴力を懸念するものではありませんでした。メモには「法執行機関に対する計画的で報復的かつ致命的な暴力を増加させたのは、警察がアフリカ系米国人に加えた暴力に対する黒人アイデンティティ過激派の認識だとみられ、それは今後も暴力の正当化に使われる可能性が高いとFBIは評価する」と書かれていました。市民的自由の擁護団体はFBIの報告書を批判し、「黒人アイデンティティ過激派」という呼称は「黒人の命も大切」(Black Lives Matter)やほかのグループの抗議者の権利を脅かすものだと警告しています。多くの人が、このメモを1950~70年代の公民権運動をターゲットにしたFBIの「COINTELPRO」(対敵諜報活動プログラム)と比較しています。「センター・フォー・メディア・ジャスティス」の共同創設者で代表を務め、「黒人の命も大切」のサンフランシスコ・ベイエリアの活動家でもあるマルキア・シリルに話を聞きます。