今週は米国のイラク侵攻から10周年 にあたります。イラク帰還兵トーマス・ヤングの壮絶な人生と迫り来る死に目をむけましょう。イラクで負った傷はヤングに麻痺を残しましたが、その傷から耐えがたい痛みが生じていることから、ヤングは投薬と栄養チューブを使った流動食による食事を絶ち、自らの命を終わらせる決断をしたと、先日発表しました。カンザス・シティの自宅より、妻のクラウディア・クエラーと共に、ヤングがその決心について語ります。著名なトークショー司会者で、2007 年にドキュメンタリーBody of War(『ボディ・オブ・ウォー』)を制作したフィル・ドナヒューにも話を聞きます。ヤングのリハビリと、政治に目覚めイラクへの侵攻と占領に反対の声を上げる反戦米退役軍人の代表的人物の一人となるまでの過程を描いたドキュメンタリーです。「病いに冒され消耗していることにいやけがさして 疲れたこと。それがひとつ。そしてもう一つは、衰弱していく自分を見たくないから」とヤングは、決意の理由を語ります。ドナヒューは、ヤングの宣言について「たぐいまれな精神的勇気だと思う。彼は人々にこれを見てもらいたいのです。彼は私が生涯目にした中で最も、血なまぐささが見えなくされた戦争から帰還した人ですから。こ ういうことが私たちの目に触れることはありません。