薬物の過剰摂取が、50歳以下のアメリカ人の死因トップとなっています。この死亡者数を大局的に見てみると、現在のオピオイドによる死亡数は、1972年の自動車事故での死亡者数のピーク、1995年のエイズによる死亡者数のピーク、1993年の銃による死亡者数のピークのいずれをも上回っています。また南ベトナムでの20年にわたる激しい戦闘による米軍の死者数も、ここ10年間のオピオイド過剰摂取による死者数の3分の1にすぎません。そんな中、全米各地の郡と州は、公衆の健康危機を引き起こした責任を追及すべく、製薬会社に対する訴訟を起こしています。ブランダイス大学の社会政策・管理学ヘラースクールでオピオイド政策研究の共同責任者を務めるアンドリュー・コロドニー医師は、「米国は現在、史上最悪の薬物中毒の蔓延のただ中におかれています」と語ります。コロドニーは、「責任あるオピオイド処方を求める医師の会」(Physicians for Responsible Opioid Prescribing)の共同創設者兼代表でもあります。