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2020年6月12日(金)

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  • 警察の残忍性と黒人差別に対する大衆抗議は引き続き米国内や他の国々で吹き荒れています。権力の回廊でも街頭でも過去の審判が強いられる事態になっています。 5月25日ミネアポリス市でジョージ・フロイドが警察によって殺害されたことを契機とする大規模な抗議行動が、警察のあり方と構造的な人種差別についての世論を劇的に変化させ、「警察予算を縮小せよ」が運動の集約的な要求となりつつあります。この歴史的な瞬間について、著名な学者で活動家のアンジェラ・デイビスをゲストに話し合います。「現在のように、大衆の意識が急速に変化し、根本的な変化の方向に進むことが突然可能になるような状況がいつ生じるかを知ることはできません」と彼女は言います。「現在のような激しいデモを長期にわたって維持することはできません。私たちは、ギアを入れ替えて、異なる場を使ってこれらの問題を訴える準備もしておく必要があります」。

  • ここ数週間、米国各地の都市で続いている人種差別を象徴する記念碑の破壊と撤去は、「歴史的な人種差別の容認がこの国を今日の状態にまで推し進めた」ことを、遅まきながら清算する動きの一環だと、アンジェラ・デイビスは言います。「人種差別は、奴隷制度を廃止した後ただちに問い直すべきことでした」。

  • トランプ大統領は、オクラホマ州タルサ市で6月19日に予定される集会を皮切りに、屋内開催の選挙イベントを再開します。6月19日は、アフリカ系アメリカ人が奴隷身分から解放された1965年の出来事を祝う日、ジュンティーンス(Juneteenth)として知られています。トランプが予定する選挙集会はまた、タルサ人種暴動の99周年にも重なります。これは1921年[5月31日から6月1日かけて]タルサ市で起きた事件で、白人住民が何百人ものアフリカ系の隣人を殺害した、米国史上でもっとも悪質な人種差別に基づく虐殺事件の一つです。有名な学者で活動家のアンジェラ・デイビスは、トランプが体現するのは「過去に戻りたいと願う米国人の一セクターであり、白人の優越性や女性蔑視のかたまりだ」という認識が重要だと述べます。人種差別と国家暴力に反対する歴史的な蜂起を考えると、「私たちはホワイトハウスの現在の住人が代表するような勢力によって引き留められるわけにはいきません」。

  • 「どちらの政党も、この国に必要な未来を代表するものではありません。両党とも企業資本主義とつながったままです」と、アンジェラ・デイビスは2020年の選挙について語ります。 「最近のデモに特徴的な大きな熱意の一部を、選挙の舞台で活かすような工夫をすべきです。そのためには、選挙は急進的な政治表現には最適な場でないと認識する必要があります」。

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