リビアは、ムアマル・カダフィ大佐の40年にわたる支配を打倒した民衆蜂起開始から1年を迎えました。しかし、リビアがカダフィ政権から解放された新時代を祝う一方、同国の根強い分裂によってそれも長続きしないのではないかという懸念が高まっています。リビアは今も地域と派閥によって深刻に分裂した状態です。同国中には500以上の武装集団が存在し、結果的にカダフィ政権のときと同じような人権侵害が今も続いています。トリニティ大学の教授ヴィジャイ・プラシャドに話を聞きます。「カダフィの残虐行為、民衆蜂起の結果だけでなく、北大西洋条約機構(NATO)の介入の本質を大きくふまえた上でリビアで何が起こったかを評価する必要があります。そうした評価はまだ行われていません」とプラシャドは言います。「そうした評価をすることは、介入の潤滑剤として人権を使うことに疑問を投げかけることになるでしょう。起きたことを検証評価しないでいたのでは、世界中の人が抱いている、リビアでの教訓が生かされていない別の介入が起きることへの懸念はなくなりません。」