デイリーニュース

  • EU特使がモルシと面会する中、反クーデター派デモに対する流血の弾圧で深まるエジプト危機

    4週間近く隔離されている、解任されたエジプト大統領のムハンマド・モルシは7月30日、欧州連合(EU)特使のキャサリン・アシュトンとの面会を許可されました。軍用ヘリコプターで、未公表の場所でモルシを訪問したアシュトンは、モルシは“健康”だと言い、現在のエジプトの危機について伝えました。今回の面会前の7月27日には、カイロでのムスリム同砲団の集会にエジプト警察が発砲し、少なくとも72人が死亡し、100人以上が負傷しました。デモクラシー・ナウ!特派員シャリフ・アブドゥル・クドゥースは、モルシの支持者に対する流血を伴う弾圧はエジプト国民を分裂させていると言います。「非常に親軍的な言動を見せているタハリール広場の人々とは一線を画し、自らを“第三広場”(The Third Square)と呼ぶ、非常に小さいながらも急成長している動きがあります。彼らは、親モルシ派とも一線を画しています」と、クドゥースは報告します。「彼らは、我々は軍と同砲団の双方に反対し、彼らのいうところの1月25日の革命の目標だったものを再構築しようとしている、と言っています」。

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    2013/7/30(Tue)
    記事番号: 
    2
  • 新中東和平交渉につきまとう古い問い:米国はイスラエルの西岸併合の支持をやめられるのか?

    イスラエルとパレスチナの当局者は3年ぶりに和平交渉を再開しましたが、国境線、入植者、難民、エルサレムの帰属といった重要問題に関して、双方の開きは今まで以上に大きいようです。学者で作家のノーマン・フィンケルスタインと、「エルサレム基金」(The Jerusalem Fund)とその教育プログラム「パレスチナ・センター」(The Palestine Center)の代表ユセフ・マニヤーから話を聞きます。マニヤーは、今回の話し合いは、この紛争で米国が長年はたしてきた役割を転換させることによって大きく方向を変えるだろうといいます。「米国は今まで、国際法の執行役、あるいはイスラエルが過去に約束したことを守らせる役割ではなく、イスラエル側の言い分を現実化させる役割だけを演じてきました」と、マニヤーは言います。「パレスチナ側からしてみれば、西岸における継続的な入植活動の上っ面を化粧するためだけの交渉に戻ることに興味はないでしょう。」フィンケルスタインは、平和への希望が本当にあるとすれば、それは、イスラエルに対し、国際法の順守と西岸の入植地放棄を迫るに足る、圧力を国際社会に要求するパレスチナ人たちの非暴力運動だと言います。「パレスチナ人たちは、いかなる力も見せつけていません。ですから、彼らは当然のごとく、米国とイスラエルに負かされてしまいます」と、フィンケルスタインは言います。

    dailynews date: 
    2013/7/30(Tue)
    記事番号: 
    2
  • 「スノーデンは拷問や死刑にはならない」ホルダー長官がロシアに伝える 米政府の過去の行為はこの約束を損なっているか?

    オバマ政権は、国家安全保障局(NSA)内部告発者エドワード・スノーデンが米国に送還される場合、処刑や拷問を行わないことをロシア側に約束しました。ロシアに当てた書簡の中で、司法長官エリック・ホルダーは、スノーデンは死罪で訴追されておらず、追加の罪状で訴追されたとしても死刑にはならないとしています。ホルダーは、彼のこの保証によりスノーデンのロシア亡命申請の理由がなくなると述べ、米政府にはスノーデンが米国に帰国するために必要な有効なパスポートを発行する用意があると語っています。「米国政府が人を拷問したり殺したりしないと約束しなければならないのは悲しいことですが、実際、これは無意味です」と憲法上の人権センター名誉会長でウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジの弁護士のマイケル・ラトナーは語ります。「スノーデンは従う必要がないですが、それよりも重要なことは、米国政府がどう拷問を定義しているかです。米政府は、水責めという例外的な可能性を除いて、ブッシュ政権時に行った全ての行為について拷問だったとは本気で考えていません。なので、スノーデンは、照明をつけっぱなしにしたり、騒音にさらしたり、寒さや暑さにさらしたり、椅子へ縛りつけたりなどのあらゆる強化尋問手法(enhanced interrogation techniques)をされる危険性があります。

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    2013/7/29(Mon)
    記事番号: 
    2
  • 検察の「中傷」と政府の激しい秘密主義、軍法会議が結審 判決を待つブラッドリー・マニング

    2か月に及んだブラッドリー・マニング二等兵の軍法会議が、最終弁論を終えて結審しました。裁判長のデニス・リンド中佐は現在、「敵ほう助罪」を含む、21件の罪状を審議しています。マニングは、米国史上最大の国家機密漏洩とされる70万点の文書をウィキリークスとその他の報道機関に漏洩したとして、終身刑に問われています。週末にかけ、世界数十都市で、マニングの釈放を求める国際行動日として抗議集会が行われました。フリージャーナリストで裁判開始時から毎日法廷を訪れていたアレクサ・オブリエンに、法廷の外から最新情報を伝えてもらいます。「通路を歩き回る武装した守衛がいて、記者たちのまさに背後に立ち、私たちのパソコンをのぞき見ていました。5分おきに私たちの背後に来ていました。とてもショックを受ける行動でした」とオブリエンはジャーナリストらの扱われ方について語りました。また、公判の最終弁論を傍聴した、憲法上の人権センター名誉会長でウィキリークス創設者ジュリアン・アサンジの弁護士のマイケル・ラトナーにも話を聞きます。「政府の理屈は、とても酷いものです。必ずしも機密情報とされていない情報をインターネット上にアップして『敵をほう助』できるというのです。敵がインターネットにアクセスできるからといって、敵のほう助で訴追される恐れがあるのです」とラトナーは語ります。

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    2013/7/29(Mon)
    記事番号: 
    1
  • マリッサ・アレグザンダーの釈放とアンジェラ・コーリー検事の辞任を要求する 「尊厳のための行進」

    フロリダ州では、夫の虐待に対し「警告のために」発砲したとの主張を崩さず20年の禁固刑に服している、3人の子供の母親マリッサ・アレグザンダーの釈放を求める声が強まっています。アレグザンダーを起訴したのはアンジェラ・コーリー検事、あのジョージ・ジマーマンの事件を監督した検察官その人です。マリッサ・アレグザンダーは、夫の側の壁に発砲したのは身を守るためだったと主張しており、弁護方針の根拠はフロリダ州の「スタンド・ユア・グラウンド」(正当防衛)法でした。 しかし2012年3月、陪審団はわずか12分間の評議で彼女を有罪と評決しました。南部の住民組織の連合体がフロリダで「威厳のための行進」を計画しています。アレグザンダーが有罪となったジャクソンビルから、トレイボン・マーティンの追悼集会が27日土曜日に計画されているサンフォードまで、歩こうという企画です。この行進のコーディネーターの1人であるアリタ・アルストン=トゥーレに話を聞きます。彼女は刑務所のアレグザンダーに面会に出向く一方、コーリーの辞任を求めています。

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    2013/7/26(Fri)
    記事番号: 
    3
  • ジマーマンは「殺人の処罰を免れた」と陪審員が語る フロリダ州法と検察へ疑念が強まる 

    トレイボン・マーティン殺害事件でジョージ・ジマーマン被告に無罪判決を下した陪審員は全員が女性でした。そのうち唯一の非白人だった女性が裁判後初めてインタビューに応じ、裁判結果に対する苦悩を明かしました。彼女は8人の子供を持つプエルトリコ系の36歳の母親で、ABCのインタビューに答えて、ジマーマンはトレイボン・マーティンを殺害したが「殺人罪を免れた」と信じている、トレイボンの母親の嘆きが自分にもわかると語りました。彼女はファーストネームの「マディ」しか明かしていません。自分が「無罪」評決を投じた理由は、「スタンド・ユア・グラウンド」(正当防衛)法が、自分の心を裏切ってジマーマンを有罪と知りながら無罪放免することを余儀なくさせたからだと述べました。憲法、刑法、人権法が専門でジマーマン裁判に注目してきたシーマ・アイヤー弁護士は、「陪審員が『私は最後まで戦った』と語るのを聞くのは弁護士としてつらいことです。でも彼女は最後まで戦ってはいません──彼女が最後まで戦っていたら、裁判は評決不能でやり直しとなっていたはずです」と言います。

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    2013/7/26(Fri)
    記事番号: 
    2
  • エジプトの緊張高まる モルシ拘束で軍支持派と同胞団支持派のデモが対峙

    解任された後、身柄を拘束され隔離状態におかれているモハンマド・モルシ大統領の近況が初めて伝えられました。エジプトの国営放送によると、モルシ氏に対しては15日間の勾留を認める逮捕状が出ています。裁判所が現在捜査しているのは、2011年のムバラク政権打倒の民衆蜂起に際して、政治犯として獄中にあったモルシ氏がパレスチナの政治組織ハマスと手を結んで脱獄をはかったという容疑です。このニュースが報じられたときにはちょうど、エジプトを二分する政治勢力がそれぞれに大規模抗議行動を予定していました。アブドゥルファッターフ・アッ=シーシ陸軍参謀長が一般民衆に対し、ムスリム同胞団の支持者たちによる「暴力と潜在的テロリズム」の摘発に支持を求めたことへの抗議です。「(モルシへの)嫌疑を利用して、ムバラク大l統領の時代から革命期にかけて警察がおかした犯罪を覆い隠そうとしているのです」とカイロから中継のデモクラシー・ナウ!特派員シャリフ・アブゥル・クドゥースは言います。

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    2013/7/26(Fri)
    記事番号: 
    1
  • リチャード・ウルフ:デトロイトは給料を底辺からトップに再分配するシステムが生み出した「大失敗」

    7月24日、 経済についての連続演説の口切をイリノイ州の観衆の前で行ったオバマ大統領は、拡がる格差を逆行させ、中産階級を復活させることが「ワシントンの再優先課題であるべき」だと語りました。この演説のなかで、オバマ大統領は、デトロイト市によって申請された財政破たんについて触れることはありませんでした。同市では、市が180億ドルに及ぶとみられる負債を克服するために大規模な予算削減をする中、公務員は年金と医療保険を守るために戦っています。デトロイトの破産は「機能しない経済システムの一例」だと、経済学者でマサチューセッツ大学の経済学名誉教授リチャード・ウルフは言います。「職員が約束され、そのために支払いをしてきた年金を取り上げることを裁判所が合法だと判断すれば、それは窃盗を合法化するのと同じだ、というデトロイト市のような状況を抱えている都市はたくさんあります。これは、受け取った給金を下から上に再分配しようという、階級間の闘いなのです。」

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    2013/7/25(Thu)
    記事番号: 
    2
  • 米の無人機空爆を暴いたイエメンの記者釈放 拘束はオバマの要請によるもの

    イエメンの著名なジャーナリスト、アブドゥレラ・ハイダー・シャイアは、オバマ大統領からの要請でテロ関連の罪で3年に渡り拘束された後に釈放されました。シャイアは、2009年12月に米国巡航ミサイルがイエメンのアル=マジャラ村を攻撃して、女性14人、子ども21人を含む41名の死者を出した事件を公にする手助けをしました。2011年、当時イエメン大統領だったアリ・アブドラ・サーレハは、シャイアに恩赦を与えるつもりであることを発表しましたが、明らかにオバマ大統領から電話を受けたあと、考えを変えました。ホワイトハウスはシャイアの釈放に「懸念し、失望している」と声明を発表しています。「この声明の文脈を考えるべきです。ホワイトハウス側は、イエメンのジャーナリストが、イエメンの刑務所から釈放されたことに、懸念と失望感を表面しているのです」と、ネイション誌の安全保障担当記者で、新著と同名のドキュメンタリー映画Dirty Wars(『汚い戦争』)でもシャイアを取り上げた、ジェレミー・スケイヒル記者は言います。「シャイア記者は、米国による巡航ミサイル攻撃が、40人近い女性と子どもを殺したことを明らかにする度胸を持っていいたために、投獄されたのです。

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    2013/7/25(Thu)
    記事番号: 
    1
  • 『ペンタゴン・ペーパーズ』がビーコン・プレスから出版された経緯をエルズバーグと他の当事者が語る

    41年前、ビーコン・プレスはペンタゴン・ペーパーズ(ベトナム戦争に関する国防総省の機密文書)の全文を出版した件で米政府から訴えられ最高裁で敗訴しました。1971年6月にニューヨーク・タイムズがこの最高機密の文書の抜粋を掲載した経緯はよく知られていますが、ユニテリアン・ユニバーサリスト協会傘下の零細非営利出版社であるビーコン・プレスが、米国がベトナム戦争へ関与するまでの歴史の真相を暴露した7000ページの文書すべてを出版した経緯については、ほとんど知られていません。その出版により、ビーコン・プレスは2年半に及ぶ嫌がらせや恫喝の嵐に巻き込まれ、破綻寸前に追い込まれ刑事告発される可能性もありました。これはまとまった形ではほとんど語られてこなかった話です。エイミー・グッドマンは2007年にオレゴン州ポートランドでユニテリアン・ユニバーサリストが主催した会議で「ペンタゴン・ペーパーズおよびその出版を記念し、今日におけるその意味するところを語る」イベントで司会を努めました。本日は、その嵐の中心にいた3人が、そのイベントで直接語った話しを放送します。まずはペンタゴン・ペーパーズをニューヨーク・タイムズ紙に漏洩した、国防総省およびランド研究所の元分析官で名だたる内部告発者ダニエル・エルズバーグその人。そして元アラスカ州選出上院議員で大統領候補でもあったマイク・グラベル。

    dailynews date: 
    2013/7/24(Wed)
    記事番号: 
    2

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