内部告発グループのウィキリークスが、イラク戦争に関する39万点に及ぶ米国機密文書を公表しました。これは米国史上最大の機密情報流出であり、また公式な記録上では戦争に関する最大の内部資料数となります。2003年の米軍進攻以来イラクで起こった暴力、拷問、そして苦難に関する多数の新たな証拠を提供するものです。
米政府の主張と反して、この戦争記録は米国防総省がイラク市民の死者数を把握していたことを示しています。イラク戦争の民間人死者数を集計するグループ「イラクボディーカウント」によると、公表された文書にはこれまで知られていなかった1万5千人に及ぶイラクの民間人死者についての情報が含まれています。
同記録が、2004年のファルージャでの米軍による攻撃など米軍による民間人殺害を記録していないことを考えると、実際の被害者数ははるかに多いとみられます。また、同記録では、イラク軍による人権侵害を米国が公式に許容していたことが示されています。2004年6月の米軍命令「フラーゴ242(Frago 242)」により、イラク軍によるイラク人への違法行為について、連合軍が調査をすることは禁止されました。