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2015年3月27日(金)

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  • サウジアラビア主導のイエメン空爆作戦が2日目に突入しました。サウジ主導の空爆は、シーア派の反政府組織フーシが2014年に首都サヌアを掌握し、今年2月にはアブド・ラッボ・マンスール・ハーディー大統領を退陣に追い込んだことを受け、同派のさらなる勢力拡大を阻止する意図のものです。ハーディー大統領は26日、避難先だったアデンを離れ、サウジアラビアに向かいました。報道によると、この空爆でこれまでに少なくとも市民39人が殺害されました。アムネスティ・インターナショナルによると、死亡者には少なくとも6人の10歳未満の子供が含まれています。米国、湾岸諸国、エジプト、トルコ、パキスタン、スーダンが、サウジの空爆作戦を支援しています。カーネギー中東センターの客員教授でサヌア在住のファレア・アル=ムスリミに話を聞きます。アル=ムスリミは最近、「私は25歳のイエメンの男性です。故国でこれまでに少なくとも15回、戦争を目にしてきました。これ以上の戦争は、ごめんです。私に必要なのは、いくばくかの支援と教育そして経済です。銃はいりません」とツイートしました。

  • サウジアラビアとエジプトはイエメンに地上軍を派遣すると脅しをかけています。イエメン危機の起源をみてみましょう。多くの人々が今回の戦闘をサウジアラビアとイランとの代理戦争と分析していますが、ジャーナリストのアイオナ・クレイグは、戦闘の原因はイエメン国内の紛争から派生していると言います。「人々は、イランとサウジ王国との闘いという枠組みで捉えようとしており、確かに、現状は、そうなっています。けれども、本質的には国内政治が原因なのです」。クレイグは、最近4年間をイエメンで過ごし、サナから報道を行いました。番組ではまた、ガーディアン紙の元中東編集員ブライアン・ホイッテカーにも、何十年にわたるサウジのイエメン介入について聞きます。

  • チュニジアのチュニスで開催中の「世界社会フォーラム」に数万人が参加しています。エジプト生まれの経済学者でアフリカ屈指のラディカルな思想家サミール・アミンに話を聞きます。アミンは現在、アフリカの主要な政治経済学者の一人と評価され、現代史を第三世界の視点から捉え、「南」側諸国は資本主義の遅れてきた新参者などではなく、はじめから、工業化された豊かな「北」側諸国に従属する立場でグローバル経済に統合されたと論じてきました。アミンは現在、セネガルのダカールの「第三世界フォーラム」(「世界社会フォーラム」の前身とみなされている組織)の所長で、1997年以来、「オルタナティブに向けた世界フォーラム(World Forum for Alternatives)」の議長です。アミンには数千件におよぶ新聞・雑誌への記事や論考に加え、30冊を超える著作があり、代表作は、『帝国主義と不均等発展』、Global History: A View from the South (『グローバル史:南からの見解』)、The Liberal Virus: Permanent War and the Americanization of the World (『リベラル・ウィルス:永遠の戦争と世界の米国化』)などです。歴史家のアマ・ビニーは、アミンを「アフリカ急進思想の知的巨星」と評しています。

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