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2015年3月19日(木)

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  • ドイツのフランクフルトで3月18日、緊縮政策に反対する大規模なデモ「ブロキュパイ」(Blockupy)が行われ、衝突が起こり、数十名の負傷者が出ました。欧州中央銀行(ECB)の新設された本部ビルの前を1万人ほどの群集が行進し、ECBが推進する経済政策が公共支出の大幅削減を強要し、失業増加に拍車をかけることへの反対を表明しました。行進の列をはずれた参加者が警察と衝突し、警官14人とデモ参加者21人が負傷した模様です。「ブロキュパイ」デモに参加したドイツの気候正義活動家タジオ・ミュラーに話を聞きます。

    ☆このニュースは「 学生字幕コンテスト2015」の課題に挙がっています。記事の表題をクリックすると英語版に飛べます。関連の参考動画(字幕付き)は、こちらです→
    左派シリザ党が歴史的勝利 ギリシャが最前線を行く欧州の反緊縮の闘い

  • チュニジア国立博物館で起こった銃乱射事件で、外国人観光客20人と、チュニジア人2人の計22人が犠牲になりました。負傷者も50人近く出ています。銃で武装した2人の男が、バスから降りてくる観光客に向けて発砲し始め、博物館に逃げ込む彼らを追いかけました。事件が起きたバルドー博物館はチュニジアで最も人気のある観光スポットのひとつで、国会議事堂に隣接しています。犠牲者には日本、イタリア、コロンビア、オーストラリア、フランス、ポーランド、スペイン、イギリスからの来訪者が含まれます。2011年にアラブの春の発祥地となったチュニジアで、ここ数年で最も重大な襲撃事件となりました。近年は数千人のチュニジア人が祖国を離れ、自称「イスラム国」(IS)の一員として戦闘に加わるためにイラクやシリア、リビアに向かっています。今回の襲撃事件を受けチュニジア政府は、「テロは容赦なく撲滅する」と宣言しました。数千人のチュニジア人が今回の乱射事件を非難する街頭行動を行いました。チュニスより、ヒューマン・ライツ・ウォッチのチュニジア事務所長アムナ・グレリに話を聞きます。

  • オバマ大統領はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の成立に向けて本格的に圧力をかけ始めましたが、連邦議会では民主党の議員たちが、この異論の多い協定の交渉過程が秘密のベールに閉ざされていることを公然と批判しています。米国がラテンアメリカとアジアの11か国と交渉中のこの貿易協定は、、世界経済の40パーセントを占める地域を含むことになります。それにもかかわらず同協定の条項のほとんどが秘密にされています。米政府が同協定に関するブリーフィングを「機密扱い」とした後、コネチカット州選出のローザ・デラウロ下院議員は、この処置を「不必要な秘密主義」と呼び、「もし彼らが言う通りTPPが米国の雇用にプラスになるのであれば、隠すことなど何もないはずです」と語っています。この発言は、ちょうどオバマ大統領が議会に対し、同協定についての審議を円滑にするため、貿易促進権限(ファーストトラック)法案を通すよう求めたのと重なりました。一方、米国労働総同盟産業別組合会議(AFL-CIO)は、貿易促進権限を否決させるため、民主党議員への寄付を一時停止して圧力をかけると発表しています。また、ティーパーティーの後援を受ける一部の共和党議員は、オバマ大統領は信用できないので、過去の大統領に与えられたのと同様の交渉権限を与えるわけにはいかないと主張しています。今春、米国大統領府は日本の安倍首相を招いて上下両院合同会議で演説してもらう予定ですが、そこで安部首相がTPPを奨励する可能性もあります。同交渉について警笛を鳴らしつづけてきた市民団体パブリックシチズンのグローバル・トレード・ウォッチ代表ロリ・ウォラックに話を聞きます。ウォラックは、TPP関連法案は4月第3週に議会で採決の運びになる可能性があると言います。

  • 「FBIはどうやってテロリストを作り上げたか」は、FBIがおとり捜査で情報提供者をどのように使っているかを調査しているジャーナリストのトレバー・アーロンソンがニュースサイト『インターセプト』(The Intercept)で公表した暴露記事の副題です。記事は、2012年はじめにFBIが巧妙に仕組んだおとり捜査の標的にされたサミ・オズマカッチという、精神疾患を抱え、経済的にも不安定な若い男性の話が紹介されています。この捜査では、FBIから報酬を受けている情報提供者が、武器を購入するような金は持っていないオズマカッチを雇い入れました。オズマカッチのいわゆる「殉教宣言ビデオ」に映っている武器は、FBIが提供したものでした。このビデオを取った後、オズマカッチは、車爆弾だと思い込んでいたものを、フロリダ州タンパのバーに運ぶ計画でした。オズマカッチの家族は、FBIなしで彼がこのような計画を思いつくことなど、ありえないと考えています。アーロンソンが入手した会話の録音を起こした文書によれば、FBI捜査官も、オズマカッチは「知能遅れの馬鹿」で、テロリストになるという野心も「単なる幻想でしかなかった」と同意しているようにうかがえます。この文書によれば、オズマカッチが武器の手付金を支払うことができるように、FBIが彼の手に500ドルがわたるように画策しています。後には手付金の支払いが検察官の主張を裏付ける証拠とされました。オズマカッチは裁判所が任命した心理学者により統合失調性感情障害と診断されたにもかかわらず、2014年11月に連邦刑務所で40年の刑を宣告されました。サミ・オズマカッチの兄、アブニ・オズマカッチと、NPOフロリダ調査報道センター代表で『インターセプト』に寄稿しているトレバー・アーロンソンに話を聞きます。

    画像クレジット: YouTube.com

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