« 前  

2014年8月8日(金)

  次 »
  • 米国防総省は8日、米軍戦闘機がイラク北部を空爆したと発表しました。標的とされたのは、武装集団「イスラム国」の火砲で、イスラム国はアルビル市を防衛するクルド勢力に対して砲撃を行っています。この空爆は、オバマ大統領が全米に向けたテレビ放送で、イスラム国の躍進を止めるためイラクで限定的な空爆を行うことを承認したと発表してから、半日もたたないうちに行われました。これでイラク国内での軍事作戦を命じた米大統領は連続4人目となりました。イスラム国はイラク北部の広大な地域を制圧し、クルド自治区の首都アルビルから車で30分の地点まで進撃しています。大半が宗教的少数派ヤジディー教徒であるこの地域の住民約4万人が、シリアとの国境に近いシンジャー山脈に取り残され、反乱軍に包囲されて渇きによる死に直面しています。米国は救援物資の投下も開始しました。本日は「政策研究所」フェローのフィリス・ベニスに話を聞きます。ベニスは、Ending the Iraq War: A Primer(『イラク戦争を終わらせる:入門書』)を含む数冊の本の著者で、最近では、Don’t Go Back to Iraq! Five steps the U.S. can take in Iraq without going back to war(『イラクに戻るな!米国が再び戦争をせずにイラクでできる、5つのステップ』)という記事の執筆者でもあります。

  • 72時間の停戦が失効し、ガザでの戦闘が再開されました。イスラエルは、停戦終了後にパレスチナ側が少なくとも18のロケット弾をイスラエル南部に向けて発射した後、空爆を開始したと発表しました。パレスチナ当局は、8日、ガザ市のモスク近くへのイスラエルによる空爆で、10歳の少年が死亡したと発表しています。この攻撃で他にも6人が負傷しました。これに先立ちハマスの軍事部門スポークスマンは、カイロでイスラエルと間接的な交渉を行っているパレスチナ交渉団に対し、長期的な要求が満たされない限り、いかなる停戦延長も拒否するよう要求していました。長年にわたるイスラエル人の平和活動家で、イスラエルに対しハマスと交渉するよう要求してきたウリ・アブネリに話を聞きます。アブネリはイスラエルの平和運動の歴史を築いてきた人物です。1923年ドイツに生まれたアブネリは、家族そろってナチから逃れ、当時パレスチナと呼ばれていた地(現在のイスラエルを含む)に移住しました。青年時代には、シオニストの民兵組織「エツェル(イルグン)」に加わりましたが、後に脱退し、イスラエル内の平和活動家リーダーの一人になりました。1950年には、ニュース誌『ハオラム・ハゼー』を創刊し、15年後にパレスチナ側との平和共存を掲げてイスラエルの国会議員に立候補し当選しました。1982年には、ベイルート包囲の最中に包囲線を越え、当時禁止されていたパレスチナ解放機構(PLO)のヤーセル・アラファト議長との会見を成し遂げ、トップニュースになりました。1993年には、グッシュ・シャロム(Gush Shalom)平和運動を始めました。9月には91歳になりますが、いまなお週刊コラムを執筆しています。

Syndicate content