デイリーニュース

  • 連邦司法省が黒人射殺警官の公民権法違反起訴を拒絶 制度改革要求が再燃

    米国司法省は、ミズーリ州ファーガソンで武器を持たない十代のアフリカ系アメリカ人マイケル・ブラウンを射殺した警官ダレン・ウィルソンを、公民権法違反の罪状で起訴することは見送るもようです。21日のニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、最終決定権はエリック・ホルダー司法長官が握っていますが、ほぼ間違いなく、不起訴を勧告している調査官たちに同調するものとみられています。司法省では、ファーガソン市警が人種的偏見を基にした基準で通行車の取締を行っており、過剰な暴力を行使しているという報告についてのより広範な調査を引き続き進行中です。一方、全米黒人地位向上協会法的擁護基金 (NAACP Legal Defense Fund)が提訴していた、ウィルソンに対する刑事訴追の可能性を審議するための新たな大陪審の要求は、判事に却下されました。NAACPは、ロバート・マカロック検事が、証人の偽証を見逃すと決定するなど不適切な行動を取ったことに懸念を表明してきました。このような動きに先立ち、オバマ大統領が20日の一般教書演説でファーガソンについて1度しか言及しなかったことを受け、活動家たちは自前の「黒人の一般教書演説(the State of the Black Union)」のビデオを公開しました。

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    2015/1/23(Fri)
    記事番号: 
    3
  • サウジのアブドラ国王死去 「慈悲深い独裁じゃない、ただの独裁者」

    サウジアラビアのアブドラ国王が90歳で死去しました。アブドラ・ビン・アブドルアジスは、世界の石油確認埋蔵量の5分の1を握り、世界最大の権力者の一人であるとともに、中東における米国の重要な協力者でした。オバマ大統領は「中東や周辺地域の安定と安全保障に貢献した」としてアブドラを称える声明を発表しました。しかし、多くの政治分析家は、シリアの反体制蜂起をイランとの代理戦争に転換させたとしてアブドラを批判しています。2010年にウィキリークスが公開した米国外交公電は、サウジアラビアがイスラム主義武装集団への最大の資金供給源であると特定しています。アブドラはまた、隣国バーレーンで民主化を求める民衆蜂起が起きると戦車部隊を送って鎮圧に協力しました。最近では、サウジアラビアがブロガー、ライーフ・バダウィに下した処分も批判を受けています。バダウィはイスラムを侮辱したなどの罪状で禁錮10年とむち打ち1000回の判決を受けました。むち打ちは1週間に50回ずつ、執行されます。新しい国王には、アブドラの異母弟のサルマン皇太子が即位しました。ラトガーズ大学中東研究所長でDesert Kingdom: How Oil and Water Forged Modern Saudi Arabia (『砂漠の王国:水と油でこね上げたサウジアラビアの近代』)の著者、トビー・ジョーンズに話を聞きます。

    dailynews date: 
    2015/1/23(Fri)
    記事番号: 
    2
  • 米国の中東対テロ戦の「模範的パートナー」イエメン政権が崩壊の危機に

    イエメンでは22日、アブド・ラッボ・マンスール・ハディ大統領、首相と全閣僚が辞任し、政権が崩壊しました。この一斉辞任は、シーア派の反政府組織フーシが首都サヌアの大統領公邸を制圧した数時間後に起きました。ハディ大統領は、フーシが政治権限拡大の見返りに重要施設から撤退するとした停戦合意を破ったことから、政権の放棄を余儀なくされたと述べました。フーシの背後には、2011年の民衆蜂起で退陣するまで長年国家指導者の地位にあったアリ・アブドッラー・サーレハ前大統領がいるものとみられています。オバマ政権は、イエメン政府を対テロ戦の協力関係が「成功」した手本として賞揚してきましたが、22日にはイエメンの米国大使館からさらに多くの駐在員を引き揚げると発表しました。専門家の中には、イエメン情勢が内戦に発展し、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)の勢力拡大につながるのではないかと懸念する声もあります。一方、オックスファムは、イエメンでは住民の半数以上が援助を必要としており、このまま政情不安が続けば非常に大規模な人道危機が発生する恐れがあると警告しています。ロンドンのタイムズ紙のイエメン通信員として4年間サヌアに駐在したアイオナ・クレイグ記者に話を聞きます。

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    2015/1/23(Fri)
    記事番号: 
    1
  • 「太平洋版グアンタナモ収容所」 オーストラリアにに拘留された難民たちが孤島の勾留施設でハンスト

    「太平洋版グアンタナモ収容所」と呼ばれる施設で、大規模なハンガーストライキが行われています。マヌス島の勾留施設は、オーストラリア政府が出資してオーストラリアの請負業者トランスフィールド・サービス(Transfield Services)社が運営していますが、パプアニューギニアの領内に位置します。収容者は犯罪で告発されているのではなく、戦火に飲まれた国々から逃れて来た人々で、難民として認定されるまで、無期限に待たされています。難民たちは自分たちをパプアニューギニアに再定住させようとするオーストラリア連邦政府の計画を阻止するよう国連に介入を求めています。パプアニューギニアに行けば迫害される恐れがあると、彼らは申し立てています。亡命者の一部は、勾留施設の背の高い鉄条網内に立てこもっており、他にも抗議の方法は次第に過激なものになり、洗剤を飲んだり、剃刀の刃を飲み込んだり、はては自分たちの口を縫って閉じることによって訴える者も出てきています。ゲストはオーストラリアの人権弁護士ジェニファー・ロビンソンと、社会正義を題材とした映画監督で、ニューヨーク市でマヌス島収容者への連帯を表明するため徹夜の集会を組織したアレックス・ケリーです

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    2015/1/22(Thu)
    記事番号: 
    2
  • 米拷問室の内側:12年間の虐待と恐怖を綴った 囚人の「グアンタナモ日記」

    7年にわたる法的闘争を経て出版された、グアンタナモ湾の米収容所に収容されていた元囚人の日記が、予想外のベストセラーとなっています。モハメドゥ・ウルド・スラヒの日記には、特例拘置引き渡し、拷問、そして罪状なしで拘束された自身の経験が詳細に記されています。スラヒは12年以上同収容所で拘束されました。2010年にスラヒの釈放命令が出ましたが、現在も拘束は続いています。「独房――箱と言った方が正しいだろう――は、冷え込んだままにされ、私はほぼずっと震えていた」と彼は書きます。「日光を目にすることは許されなかった。ときどき与えられる運動時間も夜だった。他の囚人を見たり接触したりすることができないようにするためだ。文字通り恐怖の生活だった。一晩も静かに眠れた記憶がない。それから70日間に渡り、私は甘美なる眠りを貪ることは叶わなかった。尋問は24時間連続し、1日に3交代、ときには4交代で続行された。休みの日はほとんどない」。俳優のコリン・ファースとドミニク・ウエストが日記を朗読する、スラヒの事例についてのガーディアン紙の動画クリップを紹介します。3人のゲストに話を聞きます。スラヒの弁護を務めたナンシー・ホランダー、同書の編集をしたラリー・シームス、そしてグアンタナモ軍刑務所の主任軍検察官のモーリス・デイヴィス大佐です。

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    2015/1/22(Thu)
    記事番号: 
    1
  • シチズンズ・ユナイテッド判決から5年 コーク兄弟後援の議員が一般教書演説への共和党の反論を披露

    5年前の今日、米国最高裁判所は企業や組合が無制限に政治的資金を使うことが出来る画期的な「シチズンズ・ユナイテッド(Citizens United)」判決を出しました。この判決後、最も多のく政治資金を活用したのは、億万長者のデイビッドとチャールズのコーク兄弟です。20日の夜、オバマ大統領の演説に対する反論を述べた、アイオワ州選出のジョニ・アーンスト共和党議員は、コーク兄弟に援護され新しく選出された上院議員です。一方、今週末には、共和党の大統領候補と見られる4人の議員、テッド・クルーズ上院議員、マルコ・ルビオ上院議員、ランド・ポール上院議員、ウィスコンシン州知事知事スコット・ウォーカーが、コーク兄弟が主催する、裕福な保守派のみが参加できる会合に出席します。長年の消費者運動家であるラルフ・ネーダーと「メディア民主主義センター」(Center for Media and Democracy)の事務局長、リサ・グレイブスに話を聞きます。同センターは、「コーク党による一般教書演説への反応」という見出しの記事を発表しました。

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    2015/1/21(Wed)
    記事番号: 
    5
  • デイビット・ケイ・ジョンストン: 富裕層による貧困層に対する階級闘争が仕掛けられている

    共和党は、オバマ大統領が一般教書演説で階級闘争を仕掛けていると批判しました。彼が増税を推進し、米国のトップ1%の富裕層が恩恵を受ける抜け穴を閉ざすと発言したことを指しています。デビッド・ケイ・ジョンストンは、ピュリツァー賞受賞ジャーナリストで税問題の記者です。ジョンストンによれば、ワシントンでは確かに階級闘争が起っていると言います。しかしそれは富裕層による貧困層に対する闘争です。新著にDivided. The Perils of Our Growing Inequality(『分断 格差の拡大がもたらす危険』)があります。

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    2015/1/21(Wed)
    記事番号: 
    4
  • ラルフ・ネーダー: オバマ大統領の一般教書演説に欠けていたもの

    オバマ大統領の一般教書演説は、主に経済、中流階級を支える政策、学校教育、保育、税制優遇措置推進などに焦点を当てたものでした。しかしこれで十分でしょうか?長年消費者運動家、企業批評家であり元米大統領候補のラルフ・ネーダーに話を聞きます。彼の近著にはUnstoppable: The Emerging Left-Right Alliance to Dismantle the Corporate State(『もうとまらない 企業国家をぶっつぶす右派・左派連合の台頭』)があります。

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    2015/1/21(Wed)
    記事番号: 
    3
  • キース・エリソン下院議員:オバマはTPP承認を迫り イラクとシリアでの戦争拡大に関する権限を追求

    革新議員団(Congressional Progressive Caucus) の共同代表であり初のイスラム教徒議員であるキース・エリソン下院議員にオバマ大統領の一般教書演説の反響を伺います。彼はオバマの戦争政策、環太平洋経済協定(TPP)、「ロビン・フッド税」と経済的格差の拡大について話します。

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    2015/1/21(Wed)
    記事番号: 
    2
  • フィリス・ベニス: 戦争の「新しいページ」を開いたとオバマ大統領 しかし米国の無人機攻撃は世界各地で続く 

    今日はオバマ大統領の一般教書演説の分析です。まず外交政策について。オバマ大統領はキューバとの関係を正常化する決定を弁護し、グアンタナモ収容所の閉鎖を再び誓い、イスラム国との戦争拡大の承認を要求しました。「無人機」や「拷問」という言葉は演説中一度づつ使われました。政策研究所のフィリス・ベニスに演説の感想を伺います。

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    2015/1/21(Wed)
    記事番号: 
    1

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