科学者を口封じ:農薬会社シンジェンタのターゲットにされたタイロン・ヘイズ
2014/2/21(Fri)
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カリフォルニア大学バークレー校の科学者タイロン・ヘイズに話を聞きます。ヘイズは、広範に使用されているある農薬が内分泌器に有害作用をもたらす可能性があることを発見しました。しかし研究結果を公表しようとしたとき、農薬会社は彼の研究の信用を損ねようと組織的な攻撃を開始しました。ヘイズは1997年ある会社に雇われ、同社の殺虫剤「アトラジン」の研究を手がけましたが、この会社は後に巨大アグリビジネス企業シンジェンタに発展しました。アトラジンは、米国産のとうもろこしの半分以上に使われているほか、ゴルフコースやクリスマスツリー栽培農場でも広範に使用されています。ヘイズの研究がシンジェンタ社が予測していなかった結果をもたらすと──アトラジンはカエルを用いた実験で性的異常の原因となり、人間にも同じ問題を引き起こす可能性がある──同社はその発見を公表する許可を与えませんでした。ニューヨーカー誌の最新記事は、シンジェンタ社に対する集団訴訟の法廷文書を用い、同社がいかにしてヘイズの評判を傷つけ、米環境保護局にこのドル箱の化学製品を使用禁止させないように動いたかを明らかにしています。すでに欧州連合では使用禁止になっています。
