アンソニー・ケネディ最高裁判事が退任を発表したことで、トランプ大統領は米最高裁に保守派判事を指名する機会を再び得たことになります。ケネディ判事は、レーガン大統領が指名した最高裁判事で、9名の判事からなる最高裁の決定票を握る人物と見なされてきました。6月27日、ケネディ判事は「ジャニス vs. AFSCME(アメリカ労働総同盟・産業別組合会議)」裁判の判決で、公的部門の労働組合が団体交渉の恩恵を受ける組合員に組合費を課すことは、米国憲法修正第1条で保障された言論の自由の権利を侵害するという、保守派の主張を支持しました。これで公的部門の労働組合は組合費を課すことが難しくなりました。ケネディ判事は今週、トランプ大統領によるイスラム教徒入国禁止令についても多数派意見に同意し支持しました。しかし、彼は数々の重要な裁判でリベラル派の判事らと意見を共にしてきています。女性の中絶の権利を保障する「ロー vs.ウェイド」判決が覆されるのを防ぐのに重要な役割を果たし、同性婚、アファーマティブ・アクション(社会的弱者への是正措置)、そして刑事司法改正も支持してきました。27日、トランプ大統領はこの先40から45年判事を務められる人物を指名したいと発言しています。Slate.comの上級編集者ダリア・リトウィックに話を聞きます。