金融危機

2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。(30分)
『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインと、彼女の夫で英語版アルジャジーラの報道番組司会者アヴィ・ルイスに、、アルゼチンでの生産設備占拠運動のひろがりを追う記録映画『奪取』(The Take)を制作した二人が、世界的に拡大中の労働者自主管理運動について報告します。(22分)
シカゴにある建具製造会社リパブリック・ウィンドウズ・アンド・ドアーズの工場労働者たちが、三日後の工場閉2008年12月のことでした。オバマ大統領も工場労働者の権利支持を公にするなど、異例の展開を見せた争議は、大手マスコミも無視できない程注目を集めました。やがて調停が成立し、工場は閉鎖されずに新しい経営陣を迎えることになったのです。同工場の整備工で労組指導者のアルマンド・ロブレス氏に伺います。(11分)
4月にヨーロッパで開かれたG20金融会議やNATOサミットでは、大規模な抗議行動が起こりました。従来の金融システムの復活に抗議し、NATOなんかいらないと叫ぶ人々。未曾有の経済危機に、英国やヨーロッパの人々は何を考えているのでしょう。(18分)
ニューヨーク市立大学大学院の人類学教授のマルクス主義地理学者デービッド・ハーベイは、『資本の限界』をはじめ日本でも多数の著作が翻訳されています。最近では『新自由主義-その歴史的展開と現在』などでネオリベラリズムを批判しています。世界的な社会理論家で経済分析の第一人者に、G20サミットと経済危機に関する見解を聞いてみましょう。(21分)
政治評論家マット・タイビが、AIG救済問題の真相を追及します。タイビによれば、世界的規模の経済破たんと政府による救済措置は一種のクーデターです。金融業界は長年にわたり選挙を金で動かし、金融規制を骨抜きにしてきましたが、ついに今回の金融危機で、少人数のウォール街インサイダーによる政府の乗っ取りが完成したのだと言います。今回の金融危機で目立つのが、ゴールドマン・サックスの焼け太りです。AIG救済問題も、じつはゴールドマン・サックスの救済だったとタイビは言います。(20分)
オバマ大統領が商品先物取引委員会の委員長にゲーリー・ゲンスラー元財務次官を指名したとき、無所属議員バーモント州選出のサンダース上院議員が反対を表明しました。反対の理由は、ゲンスラーがフィル・グラム上院議員やアラン・グリーンスパン元FRB議長と一緒に、金融派生商品クレジット・デフォルト・スワップの規制撤廃を推進した張本人であり、それが保険会社AIGの破たんと巨額の公的救済措置につながったからです。(15分)
オバマ政権は3月に金融システム回復のため、1兆ドル規模の不良資産買い取り計画を発表しました。以降、金融危機は落ち着きを見せています。しかし私たちは、危機以前と同じ金融システムに戻るべきなのでしょうか?米国ではカードローンやペイデイローンなどを通じて、長期金利が20-30%、短期金利は200-300%というすさまじい高金利が合法になっています。金融業のこのような高利率に比べて、製造業への投資は利益率5%がせいぜいです。こうした歴然とした利益率の差から、投資家は製造業への投資をやめて金融に投資するようになりました。資本が実体経済から金融セクターへとなだれをうって流出し、人々からカネを吸い上げる寄生的な金融経済が登場したと、シカゴの法律家トーマ ス・ゲーガンは言います。(22分)
リパブリック・ウィンドウズ&ドアーズ社の工場では、レイオフされた数百人の組合労働者たちが6日間にわたる座り込みを続けていました。同工場は12月初めに閉鎖されました。公的資金による救済を受けているバンク・オブ・アメリカ銀行が、所有者への融資を打ち切ったためです。米国での工場占拠は1930年代を最後にほとんど行われていませんでしたが、労働者たちには全国から熱い支援があつまりました。(11分)
金融危機
2月13日オバマ新政権の7890億ドルの景気対策法案が上下両院で可決されました。最終的な景気対策の規模は経済学者の多くが必要だと言う額を大きく下回りますが、それでも米国では1933年にフランクリン・ルーズベルト大統領がニューディール政策を打ち出して以来の最大の景気対策です。同じ週にガイトナー財務長官が「金融再生計画」を発表し、不良債権の買取基金の設置により不良債権処理を促進する方針を明らかにしました。こちらの方は、問題を起こした当のシステムを蘇生させるものだと批判され、実体経済を放置して金融機関のみを救済し、そのつけを国民に回す詐欺的なものだという非難が上がっています。2人の代表的な反シカゴ学派の経済論客が、オバマ政権の景気対策と金融対策をきびしく採点します。(20分)