苦境のエリック・プリンス:ブラックウォーター創立者 違法傭兵事業で捜査対象へ

2016/3/25(Fri)
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新たな大スクープです。米司法省がブラックウォーター創設者エリック・プリンスを、マネーロンダリング、中国の諜報機関とのつながり、外国政府への軍事サービス斡旋などの容疑で捜査していると、調査報道サイト 『インターセプト』が報じました。プリンスは現在、アフリカへの輸送に特化した航空機とロジスティクスの会社、フロンティア・サービス・グループの会長です。しかし『インターセプト』が入手した書類によれば、プリンスはペーパーカンパニーを設立して準軍事的なサービスをアフリカの少なくとも6カ国に提供しており、そこにはリビアも含まれています。米国と国連は、リビアでの軍事関連の取引に様々な制限を課してきました。また、プリンスにはリビアの共同経営者のもとへ資金を移すために中国の銀行に口座を開設しようとした疑いがあります。この捜査の一環として『インターセプト』が入手したスライドプレゼンテーションには、プリンスの私兵がヨーロッパへの難民の流れを止めるためという名目でリビアで軍事行動を行う可能性が示唆されています。プリンスはこれまでも、様々な国でイスラム武装組織と戦うために民間軍事勢力を育成することに昔から関与してきました。"Erik Prince in the Hot Seat"(苦境のエリック・プリンス)を執筆した、『インターセプト』のジェレミー・スケイヒル記者とマシュー・コール記者に話を聞きます。「いろんな意味でエリック・プリンスはマフィアのドンみたいなものです。彼はこれまで、自分の会社が行っている活動に関して個人的に問われる刑事責任については、すべて回避することに成功してきました。米政府が本気で彼を訴追しようとしているのかどうかは、まだわかりません」とスケイヒルは語ります。スケイヒルは『インターセプト』の共同設立者であり、ベストセラーになったBlackwater: The Rise of the World’s Most Powerful Mercenary Army(『ブラックウォーター 世界最強の傭兵軍団の 勃興』)の著者です。彼の近著Dirty Wars: The World is a Battlefield(『アメリカの卑劣な戦争:世界は戦場』)はペーパーバックが出ており、映画Dirty Wars(『アメリカの卑劣な戦争』)はアカデミー賞にノミネートされました。

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