2009年第2巻(通巻12) アフリカ

2009年度第2巻のテーマは、豊かな天然資源の呪いを受ける「アフリカ」です。

☆付録の対訳小冊子は、マフムード・マンダニの「命名のポリティクス」です。それぞれの動画の詳細は、画面をクリック

 
 
 

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  南アフリカの亡命詩人ブレイテンバッハは、1939年アフリカーナ(南ア白人)の有力な一族に生まれました。60年代初期にパリに移り住み、反アパルトヘイト運動にかかわるようになりました。ベトナム系フランス人の女性と結婚したため、帰国すれば異人種間の結婚を禁じた当時の人種差別法で罪に問われる状況に陥ったためです。1975年、偽造パスポートで帰国したところを逮捕され、テロリストとして7年間投獄されました。この獄中体験を綴ったのが、代表作のThe True Confessions of an Albino Terrorist(『白い肌のテロリストの真実の告白』)です。インタビューではアフリカ大陸全体を視野に入れ、ジンバブエの政権を握り続けるムガベ政権、アフリカで展開する米軍を管轄するアフリコム(米アフリカ軍司令部)の役割、ソマリアの海賊問題、中国のアフリカ進出、ダルフール紛争、イスラエル=パレスチナの「アパルトヘイト」、オバマ政権に望むことなど、今日のさまざまな問題について語ります。 最後の部分には、南アフリカの代表的歌手で「ママ・アフリカ」と呼ばれたミリアム・マケバが、若い頃に国連で行なった反アパルトヘイト演説が収録されています。ブレイクに入っている「パタパタ」や「カウレーザ」などの名曲もお楽しみください。(2008年12月26日放送)

ブレイテン・ブイレイテンバッハ(Breyten Breytenbach) 有名な南アフリカ出身の詩人、画家、反アパルトヘイト運動家。現在、ニューヨーク大学で文芸創作の授業を持つ一方、西アフリカのセネガルにあるゴレ研究所にも籍を置いている。


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ジェノサイドという言葉が使われ始めたのは、ホロコーストに代表される20世紀特有の「集団虐殺」という現象を背景にしています。ジェノサイドが発生したときは、国際社会が介入する義務を負うという国連決議が採択されています。でも数ある民間人の大量殺戮のうち、どれがジェノサイドとされるかは自明ではありません。むしろ、「ジェノサイド」と命名することが政治的な道具にとして使われるようになったのです。地上最強の大国アメリカは敵方の大量殺人のみをジェノサイドと呼び、味方の大量殺人にはけっしてその呼称を使いません。ダルフール問題にもこれが適用されています。(2007年6月4日放送)

マフムード・マムダニ(Mahmood Mamdani)  ウガンダ出身のコロンビア大学教授。アフリカ研究では世界的権威の一人。2008年『ロンドン・レビュー・オブ・ブックス』に「命名のポリティクス──ジェノサイド、内戦、反乱」という記事を載せ、米国におけるダルフール問題の扱いがいかにまちがっているかを指摘した。


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コンゴではレイプが戦争の手段として使われ、おびただしい数の犠牲者が出ています。2009年1月に、米国と国連が支援するコンゴ軍がこの地域に展開して以来、すでに驚くべき数に達していたレイプ被害の件数は2倍に跳ね上がり、場所によっては3倍にも増えました。コンゴ東部で性暴力の防止に取り組んできたクリスティン・シュラー・デシュライバーが、ヒラリー・クリントン国務長官が現地を訪問したことの意義や、おぞましい被害の実態について語ります。(2009年8月12日放送)

クリスティーン・シューラー・デシュライバー (Christine Schuler Deschryver)  コンゴの人権活動家。コンゴ民主共和国の東部の都市ブカブBukavu に住み、イブ・アンスラーが創始した女性暴力に対抗する国際NGO「V-Day コンゴ」の事務局長


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オバマ大統領は2009年7月にアフリカ諸国を歴訪しました。就任後初めてのサハラ以南への公式訪問です。最初の訪問国はガーナです。ガーナが選ばれた理由は、最近見つかった油田に関係していると言う人たちもいます。アフリカは米国の重要な原油供給元であり、国家情報会議(NIC)の報告書「チェイニー報告」によれば、2015年までには米国の石油輸入の4分の1が西アフリカ産になると予測されています。アフリカの人々の声を聞いてみましょう。(2009年7月10日放送)

クエジ・プラット(Kwesi Pratt) ガーナの首都アクラの新聞「インサイト」のデスク ニー・アクエッテ(Nii Akuetteh) 独立のアフリカ政策アナリスト。ワシントンに本部を置く団体アフリカ・アクションの事務局長


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最近のアフリカで注目されるのは中国の進出です。アフリカ大陸の貿易相手国として、中国は最近フランスを抜いて第2位に踊り出て、首位の米国にも迫る勢いを見せています。植民地時代のしがらみを引きずる欧米の使命感に基づく投資に比べ、ドライで実利主義的な中国のビジネスマンの投資は、現地のインフラに目に見える変化をもたらしています。中国人の集団定住計画も進んでいるようです。しかし中国の存在感が高まることには、不安を感じる現地の人たちもいるようです。(2009年7月10日放送)

セルジュ・ミシェル(Serge Michel) フランスの新聞ルモンドの西アフリカ特派員。ミシェル・ビュレとの共著でChina Safari: On the Trail of Beijing’s Expansion in Africa(『チャイナ・サファリ 中国のアフリカ進出』)を出版した。