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2015年12月11日(金)

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  • パリで行われている国連気候サミッは、約 200 カ国の代表が世界的な合意に達するために協議日程が週末まで延長されました。新草案は、地球温暖化を産業革命以前のレベルから摂氏 1.5 度(華氏 2.7 度)の上昇までに制限する自主目標を含んでいます。摂氏1.5 度の 目標を盛り込むことは、低地で影響を受けやすい国々の重要な要求を満たします。しかし環境保護専門家や市民団体は、その達成が自発的な行動に委ねられていることを批判しています。また男女同権を盛り込んでいないこと、影響を受けやすい国に対する財政支援の後退、炭素排出削減の具体的な期日の省略、軍事的な炭素排出を問題としていないことなども批判しています。米軍だけで、年間 200 億ドルのエネルギーを消費します。これは米国の他のどの部門よりも大きな消費です。最新の条約草案の内容と、そこに盛り込まれなかった項目について、女性討論会で検討します。マレーシアに本部を置くサー ド・ワールド・ネットワーク(Third World Network)の法律顧問チー・ヨク・リン、ケニヤの環境政治学者ルース・ニャンブラ、米国ノース・ダコタ州の先住民活動家で先住民環境ネットワーク(Indigenous Environmental Network)を取りまとめるカンディ・モセットを迎えています。「沈む船から脱出したいのに、米国のような国々が救命ボートを引き留めていま す」とニャンブラは話します。

  • 「私達は、無数の傷を負わされて死んでいく運命と向き合っています」と、ノー ス・ダコタ州の先住民リーダー、カンディ・ モセットは、同州で活況を呈する水圧破砕と石油採掘事業の影響を語ります。 「女 性への暴力が 168 パーセント増加しました。特にレイプです。14 ~ 16 才 の女の子が石油労働者のキャンプに体を売りに出かけるのです」。モセットは石油採掘に由来する有毒物質の影響が本格的に出現するのは 20 年後だと言 います。「何が心配かというと、今回の COP21では、 2 才半になる私の娘は発言権がありません。でも、彼女が一番ひどい影響を受けるのです。 21 回も締結国会議を積み重ね、いまだに私達は社会の中の犠 牲地帯だと思われてるなんて、とうてい理解できません」と話します。

  • 米国は、パリ条約に「損失と損害」という文言を盛り込むことを認める用意はあるものの、その場合は米国に支払い義務が発生しないという合意が条件だとしています。「損失と損害」は、先進工業国が引き起こした気候変動による影響を被る国への補償を意味します。この問題をめぐる、米国と中国、その他の主要国のCOP21 における役割について話します。同時にまたREDDという、インドネシアなどにおける森林破壊を回避するプロジェクトにつていも話します。「アフリカ環境フェミニストの会」 (the African Ecofeminist Collective)に所属するケニアの環境保護論者ルース・ニャンブラは、「REDD は、気候危機への解決策と呼ばれていますが、これにより、先進国の中の汚染を続ける国や企業は、『南にある途上国の森林回復に金を払う限り、汚染を続けられる』と主張することが可能になっています」と指摘します。

  • 著名な英国の気候経済学者で元世界銀行主任エコノミストのニコラス・スターン卿は、2006 年に「気候変動の経済学に関するスターン報告書」という先駆的な報告書を発表しました。700 ページ近い報告書の発表から約 10 年経ちますが、スターン卿に世界の現況と COP21 でどんな結果を期待するか聞いてみます。「後世の歴史家から大きな転換点とみなされ、世界が結束して低炭素社会に向けて方向転換する、未来に向けた壮大な出来事だったと評価されるようになることを願います。これが、安全な成長を可能にする道、クリーンな成長のできる方法です」とスターンは語ります。

  • 国連気候サミットに参加している著名な英国の気候経済学者で元世界銀行主任エコノミストのニコラス・スターン卿が、米国共和党の大統領候補ドナルド・トランプが気候変動への人類の影響を否定していることについて、「はなはだしい間違い」とばっさり切り捨てました。「200 年間にわたる科学研究と膨大な科学文献をひっくり返すような科学的研究成果を持ってるなら、彼はそれを発表するのが当然でしょうし、科学専門誌は彼の論文を喜んで審査すると思いますよ」とスターンは言います。

  • 気候変動の最も壊滅的な影響を回避するために200 カ国が合意をめざすCOP21 は、交渉の最 終段階にあります。地球温暖化が最も間近に迫るグリーンランドの大陸氷河を、過去20年間にわたり追跡した科学者に話を聞きます。 ジェイソン・ボックスは2008~ 2012 年の間、米 国海洋大気庁の年次気候変動報告のグリーンランド部門の筆頭著者を務めました。ボッ クスは、グリーンランド全土で 10 年以内に表面溶解が起 こると2012 年に警告した科学者の一人です。この予測は科学界の多くの人々から冷笑されましたが、そ のわずか数カ月後に溶解が始まりました。ボックスは 2011 年に ホワイトハウス前で行われた大規模抗議など、気候変動の抗議活動にも参加しています。彼の最近の寄稿 は、ナオミ・クラインと共にニューヨーカー誌に掲載した「な ぜ気候条約は平和への一番の希望なのか」です。

  • 第一級の氷河学者ジェイソン・ボックスは、巨大石油企業エクソンモービルを裁く COP 21 の模擬法廷に参考人として呼ばれました。同社が、化石燃料は地球温暖化を引き起こし、気候変動と北極圏の氷河融解を招くという、1970年代に遡る自社の発見を隠匿したことを検証する模擬裁判です。「エクソンは世間に向けては、自社の発見に反する立場を取り、結果的に、自社の製品を売り続けるために一般社会に嘘をつきました。そのおかげで、私たちは20年間を無駄にしました。もしも彼らが正直に事実に直面し、エネルギー企業としての自らの立場を認めていたならば、我々と一緒にクリーンなエネルギーへの転換を推進し、存続可能な企業でありつづけることもできたの です。でも今や、エクソンは悪徳企業です」とボックスは言いま す。

  • 8日火曜日パリの朝方、エクアドルのアマゾン地帯にあるサラヤクの先住民グループが、ヴィレット運河沿 いを手作りの木製カヌーで漕ぎだしました。サラヤクのケチュア人は長年にわたり、自分たちの土地での石油開発と闘っています。2012年に彼らは米州人権判所で、彼らの土地で石油採掘を許可したエクアドル政府を相手取った裁判に勝ちました。アマゾンから6000マイルの旅をして来たサ ラヤクの人たちのカヌー 進水式に、デモクラシーナウのホアン・カルロス・ダヴィラとエイミー・リトルフィールドが参加しました。「今、交渉してる人達は、気候変動がもたらす結果が身に及ぶことがないかもしれません。でも、私はそれを耐え忍んでいかなければならないのです。私の将来や私の姉妹の将来、私の子供達の将来を決めるどんな権利が、この人たちにあるのでしょうか?」と、COP 21 の交渉に関してサラヤクから来たケチュア人の活動家ニナ・グアリンガが話します。

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