イスラエルとパレスチナの当局者は3年ぶりに和平交渉を再開しましたが、国境線、入植者、難民、エルサレムの帰属といった重要問題に関して、双方の開きは今まで以上に大きいようです。学者で作家のノーマン・フィンケルスタインと、「エルサレム基金」(The Jerusalem Fund)とその教育プログラム「パレスチナ・センター」(The Palestine Center)の代表ユセフ・マニヤーから話を聞きます。マニヤーは、今回の話し合いは、この紛争で米国が長年はたしてきた役割を転換させることによって大きく方向を変えるだろうといいます。「米国は今まで、国際法の執行役、あるいはイスラエルが過去に約束したことを守らせる役割ではなく、イスラエル側の言い分を現実化させる役割だけを演じてきました」と、マニヤーは言います。「パレスチナ側からしてみれば、西岸における継続的な入植活動の上っ面を化粧するためだけの交渉に戻ることに興味はないでしょう。」フィンケルスタインは、平和への希望が本当にあるとすれば、それは、イスラエルに対し、国際法の順守と西岸の入植地放棄を迫るに足る、圧力を国際社会に要求するパレスチナ人たちの非暴力運動だと言います。「パレスチナ人たちは、いかなる力も見せつけていません。ですから、彼らは当然のごとく、米国とイスラエルに負かされてしまいます」と、フィンケルスタインは言います。「問題は、力関係の方程式を変えられるかということです。私は方程式を変えることができる現実的な可能性があると思います。第一に、国際法という道具を使って、イスラエルを世論の中で孤立させることです。第二に、残念ながらイスラエルが行っている武力攻撃と弾圧に対し、パレスチナ人たちの大規模な市民的不服従を行うことで国際世論を刺激することが必要です。これは正に、公民権運動の戦略でした。」
ニューヨークの独立放送局Democracy Now!を日本語でおとどけしています