オバマ政権支持のTPP  利益損失で 企業が国家を訴える可能性広がる

2013/6/6(Thu)
記事番号: 
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保険制度からネット上の自由、食の安全、金融市場に至るまで、米国のあらゆる法律を書き換えることになるかもしれない新たな全体通商協定に関し、オバマ政権が極端な秘密主義を通していることに、注目が集まっています。環太平洋経済連携協定(TPP)の一番最近の交渉がペルーのリマにて非公開で行われましたが、オバマ政権は、現在協議されている文書についてその公開を拒否しました。米議会の議員でさえも、交渉プロセスから締め出されていることに対し不満を述べています。2012年に合意の草案の一部が漏洩しましたが、それによればTPPは、米国内で操業する外国企業が主要な規制に対して国際法廷へ裁定を訴えることを、許す可能性があります。その国際法廷は、米国の法律より優位にあり、同法廷の判決に従わなければ罰を課すことができます。TPPについて2人のゲストに話を聞きます。セレステ・ドレイクは米労働総同盟産業別組合会議(AFL-CIO)の通商政策専門家、ジム・シュルツは民主主義センター(Democracy Center)の代表です。同センターは先日、企業がいかに通商規定を利用して資源を奪い、民主主義を弱体化させているかについて報告書を発表しました。「企業がある国に進出し、環境への影響や労働基準を無視して自然資源を搾取しようとするとき、一番の脅威となるのはなんでしょう? それは民主主義です」とシュルツは言います。「その国の民衆がいろいろうるさいこと言い、企業の邪魔をし、その国の政府に行動を求められたら大変なわけです。ですから企業は、主権国家よりも大きな権力を持つことが必要になります。主権国家をこのような貿易協定というクモの巣でがんじがらめにして、その権力を手に入れようというわけです。」

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