オバマが無人機戦争を拡大する一方 民間人犠牲者の増加をめぐり活動家や遺族代表がワシントンでサミット

2012/4/27(Fri)
記事番号: 
1

パキスタンの弁護士シャハザード・アクバルは米軍の無人機爆撃で殺された民間人遺族の代理人で、米国への入国を国務省にずっと阻まれてきましたが、今週やっとビザが降りました。アクバル弁護士は「無人機サミット:遠隔操作による殺人とスパイ行為」という会議に出席するため、ワシントンDCに到着したばかりです。このサミットは、死傷者を出す無人機攻撃の回数がオバマ政権下で増加していることに注意を喚起しようと、人権団体が集まって開催するものです。オバマ大統領は、米国の無人機爆撃は現役テロリストのリストにある人間たちに的を絞ったものであり、それによって多数の民間人犠牲者が出ているわけではない、と言います。これに対しアクバルは、「オバマが国民に嘘をついているか、あるいはほんとに世間知らずでCIAが(彼に)提出する報告を鵜呑みにしているかのどちらかです」と言います。このサミットは米国がイエメン国内で無人機爆撃を急激に拡大する状況の中で開かれます。相手が何者か確認せずとも特徴的なパターンを識別すれば爆撃できるという、いわゆる「識別特性」(signature)爆撃の方針が今月になって発効しました。

週末に開催される無人機サミットの主催者の一人で、平和活動グループ「コードピンク」共同設立者のメディア・ベンジャミンにも話を聞きます。「ジョージ・W・ブッシュが行った特例拘置引渡し(米国が外国で捕まえたテロ容疑者を第三国の収容施設に送る超法規的措置)やグアンタナモ収容所や容疑者の無期限勾留措置には反対の声をあげた人の多くが、オバマ政権に対しては黙っています。たしかにオバマはそうした措置を取りませんが、その代わり単に容疑者を爆撃して殺してしまうだけなのです」とベンジャミンは言います。「ですからみんなに声を挙げさせたいのです。この政策は厳しく管理されているとオバマが言ったら、それは事実ではない、嘘っぱちだと、みんながいわなくちゃ」

共有します