『敵たち:FBIの歴史』:ティム・ワイナーが描く秘密と詮索と策略の一世紀
2012/4/4(Wed)
記事番号:
4

機密扱いされていたFBIに関する7万ページ以上の歴史と実践活動の記録がこのほど公開されました。これがピュリッツァー受賞ジャーナリストティム・ワイナーの新著Enemies: A History of the FBI(『敵たち:FBIの歴史』)のベースになっています。この本は、歴代のFBI長官と米国大統領、司法長官が国家保安の名目でいかにその権力を──法律の範囲内または範囲外で──行使してきたかを明らかにしています。ワイナーは、FBIが創設以来1世紀以上にわたって、テロリストやスパイ、その他危険と見なされるすべての人物をその捜査対象にしてきたことを描きだしています。彼はFBI長官のJ・エドガー・フーバーに焦点を当て、「大統領以外の人間で、これほど絶大な権力を握ることは二度とないだろう」と言います。フランクリン・D・ルーズベルトからリチャード・ニクソンに至る歴代大統領がこのフーバーをかけがえのない貴重な存在と見なしていたことを指摘した上で、ワイナーは「情報は権力です……フーバーはそこに秘密情報を持ち込んだ。これは権力が二乗になったも同然です」と話します。
