イラク撤退にまぎれ 米軍は2005年ハディサ・イラク市民虐殺事件の貴重な内部調査資料を捨てていた

2011/12/21(Wed)
記事番号: 
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米軍がイラクを撤退する中、ニューヨーク・タイムズ紙が、2005年ハディサで起きたイラク市民虐殺事件に関して軍部が海兵隊を尋問した詳細な内部資料を大量に回収しました。多数の機密印が付いた文書を含むこれらの資料は、バグダッド郊外のゴミ捨て場に捨てられてあった他の大量の機密資料の中から見つけ出されたものです。ゴミ捨て場の係員はそれらの文書を夕食調理の焚き付け用に使っていました。同文書には、日ごろから民間人を殺害していたとする海兵隊員たちの証言が明らかになっています。「いろんな意味でこれはイラク戦争全体の中で最もグロテスクな出来事です。残念ながらこれは我々の伝統の一部なのです」とタイム誌の寄稿者ティム・マッガークは言います。彼は2006年に初めてこのハディサの事件を記事にした人物です。2005年11月19日、4台の米軍車両が車列を組んでハディサを通過中に路肩の爆弾が爆発し、ミゲル・テラザス上等兵が死亡しました。翌日夜、海兵隊はその近隣民家数軒を襲撃し、24人のイラク市民を殺害しました。中には76歳の老人や女性、子供たちも含まれています。死亡時にはまだ寝巻きを着ていたそうです。「この件ではだれも有罪になっていません」とマッガークは指摘します。この件で嫌疑を持たれた海兵隊員のうち6人に対する訴追は断念され、1人は無罪になりました。最後の1人は来年裁判が予定されています。

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