Share it now! 福島原発の事故は収束のメドもたたず、時が経つにつれ放射能汚染が深刻になっています。平和利用のスローガンで推進され、いまや核兵器よりも大量のプルトニウムを生み出す原子力発電の危険性を構造的に考えましょう。 ☆付属の対訳パンフレットは「プルトニウムの恐怖と平和利用のペテン」です(DVDの中にPDF版も入っています パソコンからご利用ください)。 福島原発の事故は収束のメドもたたず、時が経つにつれ放射能汚染が深刻になっています。平和利用のスローガンで推進され、いまや核兵器よりも大量のプルトニウムを生み出す原子力発電の危険性を構造的に考えましょう。 ☆付属の対訳パンフレットは「プルトニウムの恐怖と平和利用のペテン」です(DVDの中にPDF版も入っています パソコンからご利用ください)。 銀行振り込みや郵便振替はこちらへ 1.チェルノブイリ 事故から25年 (23分) 1986年4月26日に起きたチェルノブイリ原発の爆発事故は、4半世紀が過ぎた今も収束していません。2004年にアカデミー賞最優秀短編映画賞を受賞した『チェルノブイリ・ハート』が示すように周辺地域ではいまも先天性の異常が多発しています。 長期的にみた死者数には推計によって大きな開きがあり、IAEA推計では約4000人ですが、ニューヨーク科学アカデミーが2009年に掲載したアレクセイ・ヤブロコフらロシア人科学者の研究では100万人にのぼります(チェルノブイリ被害実態レポート翻訳プロジェクト)。内部被曝の危険性についてはいまだに確実なことは言えません。収束が見えないまま住民は繰り返し被曝しており、最終的な影響が現れてくるのは私たちの子供や孫の世代なのです。 事故を起こしたソビエト連邦はもう存在しません。被曝住民の手当てはウクライナ、ベラルーシなど新生国家が引継ぎましたが、原子炉を閉じ込めた「石棺」は崩れかけ、放射能は漏れ続け、資金調達もままならぬ当局は打つ手がありません。国策として推進した原子力発電ですが、責任を持つはずの国家の寿命など、被曝環境が沈静化するまでの歳月に比べれば、はかないものです。(2011年4月16日放送) *ジェフ・パターソン( Jeff Patterson) 「社会的責任を果たすための医師団」の前事務局長。米国各地の原子炉で事故が起きた際に退避を迫られる地域の範囲を地図で視覚化した地図の新版を出した。 *ジャネット・シャーマン(Janette Sherman) Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and Nature (『チェルノブイリ 人間と自然に対する影響』)の編者。 2.NRC 業界と結託して安全基準を緩和(8分) AP通信の連載記事“Aging Nukes”(老朽化する原子力発電所)(2011年6月20日~28日)は、業界となれ合う米国原子力規制当局の、お寒い状況を明らかにしました。老朽化する原子炉が法定基準を満たせるようにするため、たがいに協力しあって安全基準の方をゆるめ続けてきたのです。 米国の原発は、1960年代と1970年代に耐用年数40年程度を想定して設計され、40年のライセンスを供与されました。この前提には、ライセンスが切れる前に改良された新しい型が登場し、当然、それに模様替えされているだろうという見込みがありました。ところが、1979年にスリーマイル島事故が起き、その後、米国での原発開発は事実上、停止しました。新しい原発が建設されることなく、現在、米国にある104カ所の原発のうち、66カ所でライセンスの20年更新が許可され、その他の16カ所でも現在、更新申請が審議されています。 APの記事は、何万ページにものぼる政府と業界による調査、実験結果、監査報告書、40年間にわたる規制政策声明書を点検し、経営者、規制当局者、技術者、科学者、内部告発者、活動家、東部および中西部の65施設の原発周辺住民にインタビューして執筆され、上院の環境・公共事業委員会の調査資料にも使われました。市民が信頼できる情報を何よりほしがっていることは、日本でも米国でも変わりありません。(2011年6月24日放送) *ジェフ・ドン(Jeff Donn) AP通信記者。2011年6月20日から配信された「老朽化する核発電(Aging Nukes)」と題する4本の連載企画記事を執筆。 3.原発推進をめぐる各国の思惑(14分) 福島原子力発電所の事故は3カ月目を過ぎてようやく東京電力がメルトダウンを認めました。政府や東電の情報隠しは犯罪的で、住民たちはやむなく自ら放射能の測定を始めています。 傾きはじめた福島第4号機のプールで湯気を上げている大量の使用済み核燃料。特別な安全設計もない原子炉建屋にどんどん溜まっていく使用済み核燃料こそが、米国式原子炉の最大の弱点だとアルバレス氏は指摘します。というのも核燃料廃棄物の最終処分場が55年かけても未だ見つからないためです。行き場のない核廃棄物が原子炉にどんどん蓄積し、プールが破損する事態になれば周辺の広大な地域に人が住めなくなります。 そんな中でオバマ大統領は原発推進再開を宣言し、さかんに海外に売り込んでいます。どこまで本気なのでしょう?今の米国には技術もインフラも財源もないのに、建前だけは原発推進です。世界の原発市場をめぐって米、仏、日本がしのぎを削り、韓国やロシアも参入しているからです。(2011年6月10日放送) *バート・アルベレス(Robert Alvarez) 元米国エネルギー庁上級顧問 *アイリーン美緒子スミス(Aileen Mioko Smith) グリーンアクション事務局長。 4.米国が隠したヒロシマとナガサキ (27分) グレッグ・ミッチェルの新著『原爆の隠蔽』は、被爆直後に撮影されながら米国政府の検閲によって何十年も日の目を見なかった記録映画がテーマです。日本人が撮影した白黒映画は米軍に没収されたものの、こっそり隠されていたフィルムがやがて世に出るようになりました。でも米軍が撮影したカラー映像は厳重に隠蔽されました。撮影した兵士の熱心な運動で1980年代にようやく解禁されましたが、実際に見た人の数はごく限られています。原爆のタブーはいまも続いています。 この貴重な映像と共に、原爆の爆撃手の証言、ヒロシマとナガサキへの一番乗りを果たした記者たちのエピソードなどが語られます。長崎への原爆投下に同行した元兵士は、軍事目的だけではなく、「科学的にも貴重な実験」だったと語ります。終戦直後、占領軍による厳しい報道管制の中、外国人記者たちは現地への一番乗りをめざします。ヒロシマに着いたオーストラリア人のバーチェット記者は、「原爆症」の恐怖を、「世界に警告する」という文で始まる記事で報道しました。9月6日に長崎入りした米国人のジョージ・ウェラー記者も「X病」と呼ばれていた被爆症の恐怖を書きましたが、長文の原稿はマッカーサー元帥に没収されてしまいました。残されたカーボン・コピーを基にウェラーの息子が記事の復刻版を公開したのは、記者の死後の2002年のことでした。(2011年8月9日放送) *グレッグ・ミッチェル(Greg Mitchell) ロバート・ジェイ・リフトンとの共著『アメリカの中のヒロシマ』をはじめ、広島と長崎の原爆投下について著書多数。2011年ネイション誌のブログ"Countdown to Hiroshima 1945"で、7月25日からヒロシマに原爆が投下された8月6日にいたるまでの1945年のいきさつを1日ごとに詳細にたどった。 5.プルトニウムの恐怖と平和利用のペテン (27分) 故高木仁三郎氏の盟友で環境活動家のマイケル・シュナイダ―は、もともとはドイツの反戦活動家でした、良心的兵役拒否者として社会奉仕活動を課せられた後、世界を放浪し、フランスに落ち着きました。核の軍事利用と民生利用が同じものであるということに気づき、独自に調査を始めます。1992年以降、環境団体と協力して『世界の原子力産業現状報告』を発行、原発産業の動向を報告してきました。 シュナイダーによれば原発産業は1980年代末にピークを迎えた斜陽産業です。、「原子力ルネサンス」は権力構造を維持するための誇大宣伝であり「壮大なペテン」なのです。その背景には、ごく微量ですさまじい破壊力を持つ恐怖の物質プルトニウムの生成と管理に伴って出現する極端な管理社会(プルトニウム社会)の到来をむしろ歓迎するような力学が働いているようです。(2011年4月14日放送) *マイケル・シュナイダー(Mycle Schneider) パリ在住のエネルギー&原子力政策コンサルタント。プルトニウムの危険性を世界に訴え高木仁三郎と共に1997年のライトライブリフッド賞を受賞。 戻る Share it now! 福島原発の事故は収束のメドもたたず、時が経つにつれ放射能汚染が深刻になっています。平和利用のスローガンで推進され、いまや核兵器よりも大量のプルトニウムを生み出す原子力発電の危険性を構造的に考えましょう。 ☆付属の対訳パンフレットは「プルトニウムの恐怖と平和利用のペテン」です(DVDの中にPDF版も入っています パソコンからご利用ください)。