その手紙は、世界中で読まれました。4年前の2004年9月、米紙「ウォールストリート・ジャーナル」の在イラク記者でイラン人のファルナズ・ファシヒは、今までに執筆したどの記事よりも誠実にイラクの状況を説明したEメールを、家族や友人に送りました。ファシヒは、手紙のなかで「すでにイラクは、救いようもないほどに失われている。現地にいる者たちにとっては、この悪化する暴力の連鎖からは何も救い出せないように思える」と述べました。ファシヒは新著『Waiting for an Ordinary Day : The Unraveling of Life in Iraq(普通の日の訪れを待つ:破壊されたイラクの日常』を執筆しました。