ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 パート(4)はエコファシズムです。2019年3月15日、最初の世界的な学校ストが実施されたのと同じ日に、ニュージーランドのクライストチャーチで自称「エコファシスト」の白人男性がモスクを襲撃し100人近くを殺傷しました。温暖化懐疑論は未曾有の自然災害の前に影が薄くなりましたが、今度は温暖化の事実を認識したうえで、それに対する防衛手段としての白人至上主義のテロが世界各地で台頭しているのです。彼らが恐れるのは、途上国に対する「気候債務」です。気候変動が事実なら、その原因を作った先進国は富を途上国に再分配しなければならないからです。だから災害で故郷を奪われた気候難民が激増することを見越して、国境から締め出し、自分たちの富を守ろうとしています。その根源にあるのは、自分たちだけが自然を無制限に搾取する権利を持つという考え、キリスト教の人間中心主義と植民地支配がつくりあげた、白人キリスト教徒が世界の頂点に君臨し、他の「劣った」人間たちは隷属させ、生き物も地球もすべて自分たちを養うために存在するという思想です。これを打破して、人類全体が運命共同体であると認め、力を合わせて危機に対処する方向に向かうことができるかどうかが、いま問われているとクラインは指摘します。(11分)
ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 パート3は、グレタ・トゥーンベリについて。気候対策を求める運動に大きな弾みをつけた学校ストライキ「未来のための金曜日」を始めたスウェーデンの少女です。この運動は瞬く間に世界中の子供たちに広がり、2019年3月15日には世界130か国で160万人もが参加しました。自分たちの未来を消さないでほしいと訴える子供たちの声は、親たちの心に強く響きました。この運動をたった一人で始めたグレタには、ほかの子供たちにはない特別の才能が備わっていました。それは、自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)です。物事を白と黒にきっぱり分けて見てしまい社交的なかかわりは苦手となる独特な脳神経の働き方が、こと気候変動に関しては正しく危機をとらえる超能力となったのです。(13分)
ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。 パート2は、グリーン・ニューディール(GND)の提言について。GNDは今や誰もが口にする流行語のようになりました。推進派も反対派も含めて、いろんな立場の人々がそれぞれのGNDを語っています。ではラインの主張するGNDはどんなものなのでしょうか? それは地球の危機に見合うような規模の大転換を迅速に行うアプローチです。ただし、単なるエネルギー転換とCO2の大削減だけではなく、それと並行して現在の社会経済全体のゆがみを是正し、より公正なものにする方策を同時に行います。そのためには賢明な政治リーダーに任せるだけではなく、グラスルーツの運動による強力なプッシュが必要です。それによって現行の経済システムで搾取され虐げられてきた地域や人々に対する賠償と回復の手助けをするものでなければいけません。(11分)
(9分)ナオミ・クラインが新著『地球が燃えている~気候崩壊から人類を救うグリーン・ニューディールの提言』の発売当日に、デモクラシー・ナウで語りました。日本でも先月(2020年11月)に翻訳版が出たので紹介します。パート1は、オンラインサイト「インターセプト」で公開された、新著のプロモーション・ビデオです。新著の大きなテーマのひとつは、「どうして私たちは気候危機をいつまでも直視できないのか?」 焼却処分できないプラスチック・ストローに代えて環境に優しい紙製のストローの使用が広まっていますが、そんなのは欺瞞だと反発するトランプ陣営はロゴ入りストローを発表して大当たりをとりました。このトランプ・ストローが示唆するのは、有効な温暖化対策に踏み出すことを阻んでいるアメリカ人特有のメンタリティです。気候対策はやるつもりだけれど、それは現在のライフスタイルを変えないという条件付き。リベラル派の大統領候補も、こぞってチーズバーガーは死守するぞと表明します。その裏にあるのは、経済成長と消費拡大に限界があることを頑として認めない、建国以来の無限の成長神話です。(9分)
2019学生字幕翻訳コンテスト 課題2:「グリーン・ニューディール」の受賞作です ニューヨーク州選出の民主党下院議員アレクサンドリア・オカシオコルテスは、ミレニアル世代を代弁する注目の新人です。彼女の目玉政策の一つが「グリーン・ニューディール」という、大規模な再エネ投資で雇用をつくり出し、温暖化対策と貧困問題を一挙に解決する大胆な提案です。(7分)
2019学生字幕翻訳コンテスト 課題1:「気候アクション」の受賞作です 2018年に学生たちの気候ストライキに火をつけて世界の気候対策に大きな転換をもたらしたグレタ・トゥーンベリは、タイム誌で「2018年の最も影響力のあるティーン」に選ばれました。その後の活躍ぶりはよく知られるところですが、このインタビューは初めて国際的な舞台に登場したころの、15歳の少女の姿を伝えています。あどけなさの残る中で、自分の信念にかかわるところは実にきっぱりとした口調で、熟慮に満ちた真摯な返事を返しカリスマ性を発散させています。
アマゾンの森林火災の頻発に世界の注目が集まったことによって、ブラジルのボルソナロ政権の性格が露呈しました。森林火災は毎年起きていますが、急増の原因は気候ではなく農牧業者による野焼きの延焼や放火だというのですからびっくりです。農牧業に利用したり鉱山開発をするために保護区の森林がどんどん破壊されています。もちろん違法行為ですが、政府が取り締まろうとしないので、やりたい放題です。環境保護政策に反対する大統領が当選して以来、先住民の土地に不法に侵入し、土地を強奪したり、違法な伐採や採鉱を行う者たちは政府のお墨付きを得たと感じているようです。(16分)
グリーン・ニューディールは、連邦政府による大胆な再エネ投資と大規模な雇用の創出によって迅速に経済システムを転換させ低カーボン社会を実現しようという民主党の政策です。2030年までにゼロ炭素社会を実現させるという意欲的なグリーン・ニューディール決議案が、2019年2月に議会に提出されましたが、民主党内でも賛否が分かれ否決されてしまいました。しかし法案提出の立役者となった新人議員アレクサンドリア・オカシオコルテスを主役にしたアニメ『未来からのメッセージ』がオンラインサイト『インターセプト』から発表されると、24時間のうちに4百万人がアクセスし、大きな反響を呼びました。このアニメ動画を紹介し、制作に携わったアーティストや脚本家の話を聞きます。(28分)
2018年12月、第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)に参加するため、世界中からの政府代表がポーランドのカトビツェに集まっています。番組では、大人たちが二酸化炭素排出削減のために何もしないことを非難している15歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさんにじっくりと話を聞きます。彼女はスウェーデン議会前で気候変動に対する学校ストライキを行っていることで、国際的な注目を集めています。「私たちは私たち自身を今変える必要があります。なぜなら明日では遅すぎるかもしれないからです」とグレタさんは言います。彼女がたった一人で始めた学校ストは、今や世界規模の広がりを見せています。 (15分)
2018学生字幕翻訳コンテスト 課題4:「悪化する温暖化シナリオ」の受賞作です
北極圏で異様に温暖な気温が続き、科学者たちに衝撃が広がっています。北極では10月から3月下旬まで太陽がまったく昇らない極夜にもかかわらず、グリーンランド北端の気象観測点で、2018年に入ってから氷点越えが61時間に達する前代未聞の事態になっています。国連の専門家会議による報告書の草稿によれば、科学者たちは1.5から2度の気温上昇で「夏季に北極圏から氷が消滅する危険性は50パーセント以上」としています。(7分)