WEBVTT

00:00:01.000 --> 00:00:07.500
CIAの拷問に心理学者が
深く関与した証拠が出ました

00:00:07.500 --> 00:00:12.480
著名な精神科医
ロバート・J・リフトン氏に聞きます

00:00:12.480 --> 00:00:18.400
半世紀にわたり
戦争の心理的側面を研究し

00:00:18.400 --> 00:00:25.520
原爆投下から医師の戦争犯罪まで
幅広く論じてきました

00:00:25.530 --> 00:00:32.290
1967年 『ヒロシマを生き抜く』で
全米図書賞を受賞し

00:00:32.290 --> 00:00:36.520
ベトナム戦争に関し
上院で証言し

00:00:36.520 --> 00:00:42.390
帰還兵の社会復帰を
支援する必要を説きました

00:00:42.390 --> 00:00:47.240
兵士たちは
「汚れた侵略者になって帰郷し」

00:00:47.240 --> 00:00:53.990
「慣れ親しんだ暴力行為を
くり返そうとする」と書きました

00:00:53.990 --> 00:01:01.820
1986年に『ナチの医師たち』という
影響力のある本を出しました

00:01:01.820 --> 00:01:06.460
リフトン氏は昨晩
ニューヨークの催しで

00:01:06.460 --> 00:01:14.680
アルメニア人のジェノサイドと
トルコによる歴史修正を語りました

00:01:14.690 --> 00:01:19.370
リフトン氏は長年
核兵器反対の急先鋒で

00:01:19.380 --> 00:01:24.070
近年は気候変動の
危険を唱えています

00:01:24.070 --> 00:01:29.030
８０年代の反核運動と
今日の気候運動を

00:01:29.030 --> 00:01:31.960
比較する論考もあります

00:01:31.960 --> 00:01:38.430
「人々は気づいたのです
核戦争の遂行は大きな誤りだ」

00:01:38.430 --> 00:01:41.090
「邪悪でさえある」

00:01:41.090 --> 00:01:49.000
「我々の生息環境を破壊し
子孫にまで被害を遺すなんて」

00:01:49.000 --> 00:01:53.400
ロバート･J･リフトンさんを
お招きしました

00:01:53.400 --> 00:01:55.850
お久しぶりです
ようこそ

00:01:55.850 --> 00:02:00.720
『極限の世紀の証言者』は
回顧録ですが

00:02:00.720 --> 00:02:04.170
「極限の世紀」の意味は？

00:02:04.170 --> 00:02:13.160
現在 「人類は進歩している」と
主張したがる人々がいます

00:02:13.160 --> 00:02:18.000
「統計的に戦争は減っているし」

00:02:18.000 --> 00:02:24.470
「戦争で殺される人も
人口比では減っているから」と

00:02:24.470 --> 00:02:28.460
私の経験では そうは言えません

00:02:28.460 --> 00:02:31.990
アウシュビッツと広島を調査し

00:02:31.990 --> 00:02:37.580
この２つが２０世紀を
決定づけたと思いました

00:02:37.590 --> 00:02:44.260
非常に異なる事件だが
人類の未来を脅かす点で一致します

00:02:44.300 --> 00:02:51.210
アウシュビッツのガス室では
当時の最新技術が使われました

00:02:51.210 --> 00:02:54.660
人が自らを滅ぼす能力です

00:02:54.660 --> 00:02:58.840
この場合 化学薬品などを使ってね

00:02:58.850 --> 00:03:05.580
広島の方は 核の脅威に関わり
より差し迫った危険性がある

00:03:05.590 --> 00:03:11.510
核兵器の問題は最近
あまり議論されませんが

00:03:11.520 --> 00:03:17.360
いまだ我々を脅かしていることは
間違いなく

00:03:17.380 --> 00:03:20.850
むしろ 脅威は増大している

00:03:20.850 --> 00:03:27.040
この２つによって
２０世紀は特異なものになった

00:03:27.040 --> 00:03:32.010
戦争の犠牲者を減らす手段を
探すなら

00:03:32.010 --> 00:03:40.530
２０世紀を振り返って
「人類は進歩している」との主張は

00:03:40.530 --> 00:03:43.730
成り立たないでしょう

00:03:43.730 --> 00:03:48.080
最も多くの人が殺された世紀です

00:03:48.080 --> 00:03:55.830
その意味でアウシュビッツと広島は
一線を画しているのです

00:03:55.830 --> 00:04:02.950
私たちが希望をかけるのは
反核の表現や

00:04:02.960 --> 00:04:09.940
ホロコーストや大量破壊兵器と
対決する動きです

00:04:09.940 --> 00:04:19.990
これからも そうした努力を
続けるという証です

00:04:19.990 --> 00:04:24.580
それは「証言者であること」と
関係しています

00:04:24.620 --> 00:04:29.180
アウシュビッツと広島の調査では

00:04:29.180 --> 00:04:35.940
心理学的に見出したものに
正確であることを目指しました

00:04:35.940 --> 00:04:42.410
私は その調査を行うことも
「証言」の一形態と考えました

00:04:42.410 --> 00:04:49.720
証人とは 体験を受け入れ
自分の中に取り込み

00:04:49.720 --> 00:04:55.820
別の言葉で表現し
新たな語り口を与える人です

00:04:55.820 --> 00:05:04.310
広島やアウシュビッツの調査で
私自身が行ったことが それです

00:05:04.310 --> 00:05:11.550
ベトナムから帰還して
反戦運動を始めた兵士たちが

00:05:11.550 --> 00:05:18.540
無意味な戦争の中に
意味を見出したことも同様です

00:05:18.540 --> 00:05:23.910
だから証言と調査は
結びついていった

00:05:23.910 --> 00:05:29.380
無意味な戦争の中に
意味を見出したとは？

00:05:29.440 --> 00:05:37.640
戦場で戦う兵士たち
そして兵士だけじゃなく

00:05:37.640 --> 00:05:46.210
戦争を生み出す社会にとって
正当性はどうしても必要です

00:05:46.210 --> 00:05:55.440
政治家たちは国民に
兵士たちの死は無駄でないことを

00:05:55.440 --> 00:05:58.840
説明しなければなりません

00:05:58.840 --> 00:06:05.440
残虐行為を肯定させられた
ベトナムのような戦争では

00:06:05.440 --> 00:06:13.970
それが どんどん
難しくなっていきました

00:06:13.980 --> 00:06:17.670
戦争に反対する帰還兵たちは

00:06:17.710 --> 00:06:24.590
この戦争は間違っている
悪であると認識し始めました

00:06:24.600 --> 00:06:31.440
敵を殺し仲間が殺される場面を
見てきた彼らにとって

00:06:31.510 --> 00:06:38.480
痛みを伴う見方ですが
正面から向き合ってきました

00:06:38.480 --> 00:06:44.300
彼らは勇敢にも
大変なことを行ったのです

00:06:44.300 --> 00:06:53.840
多くの帰還兵は
戦勝パレードや祝賀会で迎えられ

00:06:53.840 --> 00:06:58.980
勝利や手柄を誇らしげに語ります

00:06:58.990 --> 00:07:04.350
でもベトナム帰還兵に
戦勝パレードはなく

00:07:04.360 --> 00:07:10.390
戦争に反対するようになった
帰還兵たちは

00:07:10.390 --> 00:07:17.450
戦争の正当性や勝利の感覚を
持つことなく帰国しました

00:07:17.460 --> 00:07:24.700
彼らは 1971年
冬の兵士の集会などで

00:07:24.700 --> 00:07:32.280
自らが目撃し 加担した残虐行為
つまり戦争の真実を語りました

00:07:32.290 --> 00:07:40.090
正当化できない戦争に対して
政治的 個人的に反対することに

00:07:40.090 --> 00:07:43.320
意味を見出したのです

00:07:43.330 --> 00:07:53.130
これが 帰還兵たちが
無意味な戦争に見出した意味です

00:07:53.130 --> 00:08:00.860
最後に アルメニア人虐殺に関する
見解を聞かせてください

00:08:00.860 --> 00:08:05.740
「文化的ジェノサイド」による影響や

00:08:05.860 --> 00:08:16.640
知識人 作家 芸術家を標的にした
集団虐殺を重視されていますよね？

00:08:16.640 --> 00:08:25.190
ジェノサイドという造語を定義した
ラファエル･レムキン氏によると

00:08:25.190 --> 00:08:28.310
文化的ジェノサイドとは

00:08:28.310 --> 00:08:36.080
生活の基盤である文化の慣習や
儀式の要素を破壊する行為です

00:08:36.080 --> 00:08:42.410
文化という社会の構造や慣例
儀式の維持には

00:08:42.410 --> 00:08:50.450
あらゆる分野の識者や専門家たちが
主要な役割を担っています

00:08:50.450 --> 00:08:54.900
私たちは有意性を求める生き物で

00:08:54.900 --> 00:09:00.200
知覚情報を そのまま
受け入れることはない　

00:09:00.200 --> 00:09:06.470
目の前にいる人の
見たままの姿を捉えるのではなく

00:09:06.590 --> 00:09:12.950
自分の持っている情報で
その人物像を再構築します

00:09:12.950 --> 00:09:25.100
人は素晴らしくも危険な頭脳で
イメージを作り 言葉で表現します

00:09:25.100 --> 00:09:33.510
イメージ作りや言語表現を通じ
文化を支え 批判も行う役目を

00:09:33.520 --> 00:09:38.150
担っているのが
有識者や専門家です

00:09:38.150 --> 00:09:48.860
文化の精神的支柱を崩すには
彼ら識者をまず抹殺する

00:09:48.860 --> 00:09:55.900
これはジェノサイドの
常とう手段です

00:09:55.900 --> 00:09:59.540
文化的喪失は非常な苦痛であり

00:09:59.560 --> 00:10:03.890
それが昨夜の議論の中心でした

00:10:03.890 --> 00:10:11.840
ジェノサイドを支えるのも
専門家や知識人だと ご指摘ですが

00:10:11.840 --> 00:10:14.600
それは なぜですか？

00:10:14.600 --> 00:10:21.460
ナチスの医師たちを研究した時
最も知りたかったのは

00:10:21.460 --> 00:10:28.490
「最悪の専門家」たちが
ジェノサイドにどう加担したかです

00:10:28.500 --> 00:10:32.200
しかし研究を進めると 専門家は

00:10:32.220 --> 00:10:38.620
どんなジェノサイドにも
必要不可欠だとわかりました

00:10:38.620 --> 00:10:46.710
彼らは立派な教育を受け 大量虐殺の
核心部分を担う能力があります

00:10:46.740 --> 00:10:54.130
だから虐殺を正当化し それを
実行する科学を構築するのです

00:10:54.130 --> 00:10:57.770
イメージや詩 歌などを創作し

00:10:57.770 --> 00:10:59.490
あと10秒です

00:10:59.490 --> 00:11:02.330
ジェノサイドを美化する

00:11:02.330 --> 00:11:07.680
そうやって専門家は
悪に染まっていくのです

00:11:07.680 --> 00:11:13.140
ありがとうございました
続きはウェブサイトに

00:11:13.140 --> 00:11:17.760
ロバート・J・リフトン氏 でした

00:11:17.760 --> 00:11:24.990
米国精神医学界の第一人者
ＮＹ市立大学名誉教授で

00:11:24.990 --> 00:11:28.400
多数の著書があります

