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2020年11月25日(水)

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  • 【20/11/25/1】ジョー・バイデン次期大統領は今週、国務長官、国家情報長官、国家安全保障問題大統領補佐官、国土安全保障長官、国連大使を含む国家安全保障チームの主要ポスト人事を発表しました。国防長官の指名発表はまだですが、防衛産業と密接な関係を持つタカ派で、国防総省元次官のミシェル・フロノイを、バイデンが指名する意向だとの報道があり、進歩派は警戒感を高めています。指名されれば、フロノイは女性初の国防総省長官となります。戦争に反対する米国の女性団体「コードピンク」(CodePink)の共同創設者メディア・ベンジャミンは、「フロノイは、軍事産業複合体への天下りと政府高官への舞い戻りを繰り返す、ワシントンの「行きつ戻りつ組」の最悪の典型です。フロノイの経歴はすべて、国防総省に入っては去ることで築かれてきました。国防総省では、米国が関与したすべての戦争を支持し、軍事予算の増加を後押ししたのです」と、批判しています。

  • 【20/11/25/2】ジョー・バイデン次期大統領は今週、国家安全保障の主要ポストなど、政権人事の一部を明らかにし、「アメリカは戻った」と表明しました。また、ドナルド・トランプが進めた「アメリカ・ファースト」の外交政策から撤退し、多国間協調路線を重視すると、明言しました。バイデンは閣僚候補として、国務長官は、長年の側近であるトニー・ブリンケン、国連大使には外交分野でキャリアを積んできたリンダ・トーマス=グリーンフィールド、今回新設された閣僚ポストの気候変動問題特使にジョン・ケリー元国務長官などを指名しました。歴史家で、作家でもある活動家のバーバラ・ランスビーは、これまでのところ、バイデンが指名しているのは、ほとんどが民主党中道派のエスタブリッシュメントであり、進歩派を代表する人は入っていないといい、「必要とされるのは、思いやりがあり、もっとも立場の弱い人々に対して責任を持ち、地球を守ると公約してくれる人々です。また、白人至上主義や警察の暴力に対する闘いの意義を明確に理解し、自らも闘いに取り組む人々です」と、述べます。調査ジャーナリストのデビッド・シロタにも話を聞きます。バイデンの人選は、「旧来のワシントンを回復しようとする狙い」が表れているとシロタはいいます。シロタは大統領予備選挙では、バーニー・サンダース上院議員の顧問を務め、演説原稿を作成していました。

  • 【20/11/25/3】ミネソタ州でカナダのパイプライン運営会社エンブリッジ(Enbridge)が進めているライン3の石油パイプライン建設計画を、今週、米陸軍工兵隊が承認したため、大規模な反対運動が起きています。このパイプライン建設は、部族の主権を侵害し、土地と水を汚染する恐れがあると、先住民コミュニティが数年前から反対運動をおこなっていますが、この月末までには工事が始まることになりました。このパイプラインは、カナダのアルバータ州からウィスコンシン州スーペリアのターミナル(石油の最終取り扱い基地)にタールサンド石油を運ぶというもので、ミネソタ州の先住民地域を横断し、200を超える川の下をパイプラインが通るため、論争を引き起こしています。建設が始まると数千人もの派遣労働者が、新型コロナの感染者が急増しているミネソタ州にやってくることになります。「今、問題になっているプロジェクトに対して、7年もの間、闘いを続けています」と、タラ・ハウスカは言います。ハウスカは先住民の弁護士、活動家で、先住民の女性団体ギニウ・コレクティブ(Giniw Collective)の創設者で、北米先住民族カウチヒジング・ファースト・ネイションのオジブワ族の出身です。ミネソタ州政府は、「進んで、子どもたちの未来にパイプラインを押し付け、カナダの一企業に好き勝手をさせ、市民の権利を抑圧しようとしています」と、ハウスカは指摘します。Image Credit: Twitter/@ResistLine3

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