「現段階では、私の言葉を信じてと言うしかない。私は諜報機関に所属する上級公務員です。こうやってコンタクトを取ること自体、非常に危険だということをわかってほしい……あなたの時間の無駄になるようなことはありません。」これは、エドワード・スノーデンが映画製作者ローラ・ポイトラスにあてた最初のメッセージのひとつです。これらのやり取りから始まった協力体制がが後に米国家安全保障局(NSA)が敷いた巨大な監視網を暴露することとなりました。数ヶ月後、ポイトラスは香港のホテルの一室でスノーデンとはじめて会います。ポイトラスは、スノーデンが、ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドとユアン・マカスキルにことの詳細を語る様子を20時間以上撮影しました。これまでほとんど公開されていなかったこのときの映像が、ポイトラスの新作Citizenfour(市民4)の中心となっています。ポイトラスに同作についてと、自身が経験した政府の監視について話を聞きます。この映画はポトラスが「9/11三部作」として制作してきた、イラク戦争についてのMy Country, My Country(『わが祖国、わが祖国』)、キューバのグアンタナモ湾米軍基地についてのThe Oath(『誓い』)の三部目の作品です。NSAに関するポイトラスの取材の成果もあり、ガーディアン紙とワシントン・ポスト紙はピュリッツァー賞公益賞を受賞しました。NSAの監視に関する新たな政府の匿名ソースによる告発についての報道で、この映画に登場するジェレミー・スケイヒルにも話を聞きます。スケイヒルはポイトラスとグリーンウォルドと共に、内部告発による漏洩の調査報道を継続するための新たな報道組織「ジ・インターセプト」(The Intercept)を創設しました。
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