デトロイト市の財政破綻「緊急財政管理官」による再建の中身

アメリカの自動車産業を象徴する大都市とされてきたミシガン州のデトロイト市が連邦破産法の適用を申請しました。米地方自治体の財政破綻としては過去最大です。かつて米国第4位の都市だったデトロイトですが、1950年に180万人いた人口が、現在では68万5000人と、半分以下に減少しています。その背景には、犯罪の増加や、郊外への人口流出、自動車産業の空洞化による都市基盤の浸食がありました。(17分)

核ホロコースト 増大する核兵器事故の危険性とその秘密主義

著書『ファストフードが世界を食いつくす』で有名なエリック・シュローサー記者の新著<cite>Command and Control: Nuclear Weapons, the Damascus Accident, and the Illusion of Safety</cite>(『指揮と統制:核兵器、ダマスカス・アクシデント、そして安全幻想』)によると、米国はこれまで何度も、すんでのところで自国での核爆発事故を避けてきました。それどころか、考えられないような単純なミスが原因で、戦争勃発まで間一髪の状態になったことすらあるのです。(16分)

暗号メール・サービスLavabitに閉鎖を決心させたものとは?

8月に入って、米国では機密保全を売りにするEメール・サービスが政府による顧客情報の収集に抗議して相次いでサービスを終了するという事件がありました。Lavabitはエドワード・スノーデン氏がロシアとの交渉に使っていたとされる暗号メール・サービスです。米当局との交渉が続く中での突然のサービス終了ですから、どんな関連があるのかと想像をかきたてます。でもオーナーのレーダー・レビソン氏は、サービス終了の説明にあたってスノーデン関連のことには触れたがりません。彼のことばは「米国人に対する犯罪に加担するよりは、10年近い努力の結晶を終了させる方を選んだ」と、きわめて漠然としています。具体的な事情を他の人に説明することは「米国の議会が通過させた法律によって禁じられている」からだそうです。Lavabitの突然死を見て、「米国に足場を持つ会社には決して機密データを預けてはいけない」という現状への忠告を読み取ってほしい、としか言えません。(15分)

ナショナル・セキュリティー・レター(国家安全保障書簡)の口外禁止規定を暴露した裁判闘争

NS書簡というのは、行政機関(主にFBI)が国家安全保障に関連する情報の提出を求めて発行する書状です。裁判所を通さないのでSubpoena(召喚状)とは区別されますが、役割は似たようなものです。もとはテロリストやスパイの容疑のかかった人物に関するデータ収集が目的だったのですが、9.11テロ事件を受けた「愛国法」によって制限が大幅に緩和されることになりました。濫用を許す「きわめつけ」が「口外禁止」の条項です。「NS書簡」を受け取った者は、そのことを公言することはおろか、同僚や友人や家族さえにも教えてはいけないのです。これでは弁護士に相談することさえできません。おかげで、どれだけ多数の事業者が「NS書簡」を受け取っているのか、実態は想像するしかありません。そんな秘密の捜査手法なら、どうしてその存在が明るみに出たのか?ありがたいことに、こうした当局の脅しに逆らって、果敢に裁判闘争を試みたプロバイダーがいたのです。2004年にCalyx(ケイラックス)というインターネット・プロバイダを運営していたニコラス・メリル氏です。メリル氏があえて裁判所に異議を申立て、長期の闘いを行った経緯をご覧ください。(10分)

チリ・クーデターから40年 ビクトル・ハラの遺族が米国で容疑者を提訴

2013年9月11日はもうひとつの9.11の40年目の記念日です。40年前のこの日、米政府が支援を受けた軍事クーデターにより、民主的に選ばれたチリ人民戦線政権のサルバドール・アジェンデ大統領は命を落とし、首謀者のアウグスト・ピノチェト(本来の発音は「ピノシェ」または「ピノチェ」)将軍による17年間の恐怖政治が始まりました。ピノチェトは左翼や労働運動、人権運動の活動家を徹底的に弾圧する一方、特にサッチャー英首相とニクソン・レーガン両米大統領の忠実な同盟者として極端な新自由主義「改革」を行い冷戦体制にあった西側諸国では「優等生」として称賛を得ました。クーデター直後に暗殺されたチリの伝説的な歌手ビクトル・ハラの妻でゲストのジョアン・ハラは、40年前にハラを殺害したとされる元軍人ペドロ・パブロ・バリエントスを米国で訴えています。バリエントスは在米歴約20年で米国籍を持っているため、ハラの遺族は国外で起きた人権侵害を米国の裁判所で審理することを認める連邦法に基づいて提訴しました。(24分)

イスラム学者タリク・ラマダン 中東に広がる反米運動を語る

一年ほど前、米国で作られた映画がイスラムを冒涜しているとして、北アフリアや中東に反米デモが広がりました。各国の米大使館が襲撃され、リビアでは大使など4人が殺害されました。「アラブの春」を経て、公正な自由選挙が実施され、その結果誕生したのはエジプトでもチュニジアでもムスリム同胞団出身の大統領でした。穏健派のムスリム同胞団の政府の下で反米運動が激化するのはなぜなのか?欧州の代表的なイスラム知識人タリク・ラマダンは、「アラブの春」以降の流れはイスラム主義をめぐる内部の葛藤や、複雑な経済利権の絡み合いなど、様々な要素を斟酌する必要があるといいます。(26分)

エジプト モルシ大統領解任 ふりだしに戻った民主化への道

エジプト初の民主選挙で選ばれたモルシ大統領は2013年7月3日、軍部によって大統領を解任されました。アラブの春と呼ばれた2011年の民主化運動でムバラク大統領が追放されて2年。解任される直前の6月30日には、モルシ大統領の出身団体ムスリム同胞団の本部が襲撃されるなどエジプト全土でモルシ氏解任を要求する大規模なデモが起きていました。モルシ大統領の在任中、主要産業である観光が低迷、失業率も2012年末に13%を超えていたのに加え、政権に批判的な活動家やジャーナリストを逮捕するなど強権的な政策への批判が高まっていました。形の上では民主的な選挙で選ばれたモルシ大統領に期待した国民の不満は高まる一方でした。(21分)

バーモント・ヤンキー原発が廃炉へ 老朽化する原発のゆくえ

2013年に入って以来、米国の原子力発電産業が急速に収縮しています。改良計画がキャンセルされた5基の原子力発電所を始め、6基の原発の新規構築計画が破棄されたほか、すでに既存の原発5基の廃炉が発表されました。これは、1年間に廃炉が決まった原発の数としては、過去最大です。8月に廃炉が発表されたバーモント州のバーモント・ヤンキー原発は、1972年に運転を開始した、全米で最も古い原発の1つです。放射性物質であるトリチウムの漏えい、周辺土壌からのセシウム137の検出など、安全性の問題がたびたび指摘されてきた同原発は、何十年もの間、原発反対派の抗議の対象でした。(7分)

コーネル・ウェスト オバマの偽善を批判―トレイボン・マーティン射殺裁判への発言で

マーティン・ルーサー・キング師の有名な演説『私には夢がある』を生んだワシントン大行進から50年。人種差別はなくなったのでしょうか?そんな問いに大きな疑問符をつきつけたのが、トレイボン・マーティン射殺事件でした。ご近所を歩いていた見かけないティーンエイジャーに目をつけた「自警団」の男ジョージ・ジマーマンが後をつけ、もみあいの末、射殺し正当防衛を主張したこの事件。ジマーマンがトレイボンをターゲットにしたのは、黒人だったから?裁判で出された判決は、無罪でした。これが正義と言えるのか?全米各地で抗議のデモが繰り広げられました。(25分)

混迷を深めるシリア内戦 パトリック・コウバーンの提言

シリアの内戦についてパトリック・コウバーンは、いまや内戦はシリア政府側と反政府側という構図に、反体制派の一部をなすアルカイダ系組織や少数宗派を含む対立が重なり、多層的な紛争に変容したといいます。欧米はアサド大統領の辞任を要求してきましたが、それをよそにシリア政府軍は着実に勝利を重ね、抗争は全体的には膠着状態にあるとコウバーンは言います。局地的にでも停戦を実現して暴力を減らすことが先決であり、それがないままいくら話し合いをしても無駄だと提言しました。化学兵器の使用についても政府軍が使用した証拠はないとしています。(20分)

1970年代のCIA告発者が語るスノーデン事件の「本当の問題」

エドワード・スノーデンによる国家安全保障局(NSA)の違法監視プログラムの暴露を受け、政府は火消しに懸命です。キース・アレグザンダーNSA長官が議会で証言し、NSAの通信データ収集によって数十件のテロが防止できたと主張し、監視活動についての国民への説明も大切だが一定の秘密は必要だと述べました。一方マスコミでは内部告発の信用を貶めようとするネガティブ・キャンペーンも始まっています。40年前に勇気をふるって政府機関の権力濫用を公表し、結果的に政府機関の権力濫用を食い止めることに成功した内部告発者クリストファー・パイルは、現在の事態をどう見ているのでしょうか?

グアテマラの元独裁者リオス・モントに歴史的判決下る

5月10日グアテマラの裁判所は元軍事独裁者エフライン・リオス・モントに対し、ジェノサイドと人道に対する罪で有罪、80年の刑を宣告しました。 中南米はもちろん世界中を見渡しても、元国家元首が自国の裁判所でジェノサイドの罪で裁かれるなんて初めて。しかも有罪判決が出たのは驚くべきことです。 (31分)

ブラックパンサー党の日系人幹部リチャード・アオキはFBIの情報屋だったのか?

リチャード・アオキは日系アメリカ人でありながらブラックパンサー党の初代メンバー。パンサーの武装化を手助けした人物として伝説的な存在です。また1969年にはアジア系アメリカ人の活動家としてカリフォルニア州立大学バークレー校でストライキを指導しアジア系アフリカ人研究学部の設立に大きな貢献をしました。その彼がFBIの情報屋だったという疑惑が浮上し、アオキを高く評価する人々を驚愕させました。(34分)

罰せられる島ビエケス 米軍撤退後も続く被害

ビエケス島は米領プエルトリコの本島の東側に位置する、プエルトリコ全体の面積の20分の1にも満たない小島です。1940年代以来、米国海軍は爆撃演習場としてビエケス島の4分の3を使用し続け、そのため島は不発弾や様々な廃棄物によって高度に汚染されました。島民による粘り強い反演習闘争は1999年の誤爆による民間警備員の死で転換点を迎え、2003年 ついに海軍は演習場を放棄しました。しかし爆発物の処理や環境除染は殆ど進んでおらず、住民多数に重金属その他の有害物質の体内蓄積が報告され、癌発生率 も異常な高率のままです。(13分)

世界を戦場にしていい理由 9.11から無人機攻撃まで

米国防総省の高官たちが、「アルカイダとその関連組織」との戦争は「少なくとも今後20年は続く」可能性があるとの見通しを述べました。この発言が出たのは2013年5月16日に開かれた上院公聴会であり、その目的は、9.11事件を受けて2001年に米国合同議会が可決した「テロリストに対する武力行使権限授与決議」(AUMF)の見直しでした。 この公聴会で国防総省の担当者は、 「軍が敵とみなす者がいるところが戦場」であり、武力行使権限決議(AUMF)は、シリアやイエメン、コンゴを含む世界のどこででも期限を切らない戦争を遂行できる権限を大統領に与えていると証言しました。これに対し、毅然と意義を唱えたのが、メイン州選出の無所属じアンガス・キング上院議員でした。「こんれほど不愉快で、呆れた公聴会ははじめてだ。あなたたちは今日いまこの場で憲法 を書き換えたと同じことをしたんですよ」。 (10分)

「人殺しには手を貸さない」市民的不服従としての納税拒否

エド・ヒードマン氏が所属する「戦争抵抗者連盟」によると、米国在住者が収める連邦税の約半分が何らかの形で戦争に使われているそうです。元良心的兵役拒否者でもあるヒードマン氏は、自分が連邦政府に収める税金が戦争に使われることへの抵抗として40年間納税拒否を続けています。(12分)

資本主義がインターネットを民主主義の敵にする

イリノイ大学教授のロバート・マクチェズニーは、インターネットは権力をもたない人々が平等に発言権をもち、大企業や政治権力と戦える「商業主義から自由なオアシス」とみられていた、と過去形で言います。しかしインターネットは過去20年、特にこの5年間で大企業による商業資本が席巻し、根本的な変質が起きたとマクチェズニーはいいます。(17分)

100のウィキリークスを:監視体制への対抗手段

内部告発者および内部告発を報道するジャーナリズム全体に対する委縮効果を狙った脅迫が激しくなっています。前代未聞ともいえる監視体制が敷かれていることが多くの人に知れ渡った今、監視されている私たちができることとは? (13分)

マニング裁判開始「私たちは内部告発に頼るしかない」

史上最大規模の国家機密を漏洩して軍事裁判にかけられているブラッドリー・マニング上等兵は予備審問で漏洩の事実を認め、司法取引を求めました。予備審問で初めて証言台に立ったマニングはウィキリークスに機密を渡した動機として、「戦争の本当のコスト」を米国人に示し、米国の外交政策について国内議論を促したかったからだと述べました。(11分)

米国の監視体制をあばいたNSA内部告発者エドワード・スノーデンが名乗り出る  インタビュー

米国政府が密かに行っている大規模な通信監視を暴露する内部資料が流出し、波紋を広げています。6月6日にはグーグル、マイクロソフト、アップルなど大手ネット企業9社の中央サーバーにNSAが直接アクセスして利用者の個人情報を入手する秘密プログラムPRISMの存在が明らかになりました。NSAの監視体制についてはこれまでも告発されてきましたが、動かぬ証拠となる内部資料がリークされたのは初めてです。マスコミも初めて大きく騒ぎ出し、ペンタゴン文書を超える破壊力を持つ米国史上最大のリーク事件です。6月9日、これらの内部資料を提供した人物が自ら名乗り出て、滞在先の香港のホテルでガーディアン紙のインタビューに応じました。エドワード・スノーデン氏は元CIA職員で現在はNSAのシステム管理者を務めるブーズアレン・ハミルトンの社員です。好条件の仕事と安楽な生活に恵まれた29歳の米国青年が、全てを投げ打って内部告発に踏み切った理由、そして名乗り出た理由をカメラの前で語りました。(15分)
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