2009.07.01-234
ホンジュラスのクーデターの背景をたどる
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6月末に起きたホンジュラスのクーデターは、中南米の歴史を見てきた人にはおなじみの光景だったかもしれません。マヌエル・セラヤ大統領を国外追放したホンジュラス軍部のクーデターを率いたロメオ・バスケス将軍は米国の陸軍教練機関であるスクール・オブ・ジ・アメリカズ(SOA)で訓練を受けていました。
SOAは現在は名称を変えてWINSECと呼ばれていますが、これまで6万人以上のラテン・アメリカ諸国出身の軍人を訓練してきました。その多くは祖国に戻って人権蹂躙や拷問、裁判なしの死刑執行や大量虐殺などに関わっています。この悪名高い軍事訓練学校を監視する団体SOAウォッチによると、バスケスは1976 年から84年までSOAに所属していました。同じくホンジュラス空軍のトップであるルイス・ハビエル・プリンス・スアソ将軍も96年に同校で教練を受けています。
追放されたホンジュラス大統領マヌエル・セラヤの軌跡を見てみましょう。『革命!南米と新左翼の台頭』の著者ニコラス・コズロフに聞きます。セラヤはもともと特権階級出身の実業家で、当初は保守的な姿勢が目立ちました。しかし、2007年以降、中南米全体に左翼的な傾向が顕著になると、セラヤもその流れに乗り、革新的な立場をとリ始めます。
ベネズエラのウゴ・チャベス大統領への支持を表明し、ホンジュラスにおける強力な既得権益に戦いを挑むようになったセラヤは、「過去数年、ホンジュラスの上流層と政治的に反目し合っており、近隣諸国で最も厳しいワシントン批判者にもなっていた。オバマ政権がこの件を裏で画策していたわけではないにしろ、ホンジュラスのクーデターはこの地域の地政学的な緊張の高まりを象徴している」とコズロフは書いています。
米政府はクーデターを非難し、ホンジュラスへの援助の一部打ち切りを表明しましたが、軍事援助は継続しています。しかし今回は中南米諸国が団結してホンジュラスのクーデターに反対して、追放されたセラヤ大統領の帰国を要求しています。クーデターによる新政権が孤立化を深める中、これまで繰り返されてきたクーデターとは異なる展開になるのでしょうか?(中野)
ゲスト:
ニコラス・コズロフ(Nikolas Kozloff)ジャーナリスト, Revolution!: South America and the Rise of the New Left(『革命! 南米と新左翼の台頭』)の著者。他にHugo Chávez: Oil, Politics and the Challenge to the U.S(『ウゴ・チャベス 石油、政治、米国への挑戦』)などの著作がある。ブログはsenorchichero.blogspot.com
フアン・アルメンダレス(Juan Almendares)ホンジュラスの医師、人権活動家。ホンジュラス・ピース・コミッティーの代表。前回の大統領選挙で野党の民主統一党から立候補した。
ロイ・ブルジョワ神父(Father Roy Bourgeois,) 米国の陸軍軍事訓練学校SOAの監視活動を行なう団体「SOAウォッチ」の創設者。
字幕翻訳:玉川千絵子/校正:桜井まり子
全体監修:中野真紀子・高田絵里
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