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エコノミックヒットマンが明かす世界金融市場崩壊の理由とやり直しの道
サブプライムローン市場の暴落、金融破綻、失業率の激増──こうしたことはみな、ジョン・パーキンスにとっては、なじみ深い光景です。ただし、かつては第三世界に特有の現象でした。パーキンスは、まさにその事態を引き起こすための工作を密かに仕掛けるエコノミックヒットマンでした。彼の新著は、金融市場を崩壊にもたらした原因を説明し、世界経済たて直しの処方箋を提案します。
「貧困の終焉?」グローバル経済の収奪構造をえぐるドキュメンタリー
オバマ大統領は2009年秋の国連総会で「極貧の撲滅をめざす」と宣言しました。しかし国際通貨基金(IMF)や世界銀行の予測では、世界金融危機の影響で途上国では貧困に分類される人の数が5300万人も増加します。国連調査では人類の3分の1以上が1日2ドル未満で暮らしています。こんな状態で、どうやって貧困をなくせるのか?経済版「不都合な真実」と呼ばれる映画『貧困の終焉?』(The End of Povertty?)は、世界には十分な資源があるのに何十億人が飢えているのは、途上国から先進国に富が流れ続ける不正な収奪システムがあるためだと説明します
「貧困は最大の人権問題」アムネスティ・インターナショナル事務総長
10月17日は国際貧困撲滅デーです。米国での貧困率はいまやこの11年間で最悪の13.2%にまで上昇しています。世界を見渡せば、人類の1/3にあたる20億人もが1日2ドル未満で暮らす貧困状態にあり、その半分の10億人は1日1ドル未満の極貧です。国連の発表によれば、世界では毎日10億人以上が飢えに瀕しています。でもアムネスティ・インターナショナルのアイリーン・カーン事務総長は、こうした数字だけでは、貧困の全体像は見えないと言います。経済支援だけでは解決しない、屈辱や差別、不安、抑圧が絡んでおり、貧困は世界が直面する最大の人権問題だと。
新段階を迎えるゲイ権利運動
2009年10月11日ワシントンDCで、同性愛者など性的少数者(LGBT)の完全な平等を求めるデモ行進が行われました。20万人が参加し、過去10年に首都で行われたLGBTの権利要求デモで最大級と言われています。この運動の現状と、オバマ政権の姿勢について、ゲイ人権運動のベテラン活動家アーバシ・バイド弁護士に聞きます
タリバンを善人に見せるためにやってきたようなもんだ
オバマ大統領はアフガニスタンへの3万人の増派を発表しました。マクリスタル司令官はNATOにも派兵を要求しており、5千人が追加される予定です。2003年からイラクとアフガニスタン両国を取材してきたニル・ローゼン記者に、アフガニスタンの米軍の現状を聞きます。
「ファミリー」米国権力の中枢にひそむキリスト教原理主義
ムスリム撲滅の使命に燃えるエリック・プリンスのような狂信者とは異なり、米国のキリスト教右派の中にはもっと実利的で、力と支配を追求する勢力もいるようです。世間には知られない最強のキリスト教原理主義運動といわれるのが、「ファミリー」と呼ばれる政治秘密結社です。有力メンバーには、米国の連邦議員や財界人、軍幹部、また外国の国家元首などが名を連ね、共和党も、民主党もなく、すべての党派に勢力を分散させ、「聖書資本主義」と呼ばれる徹底した自由競争を追求します。まさに市場の「見えざる手」への信仰なのです。『ファミリー』の著者ジェフ・シャーレットが、この秘密集団について驚くべき発見を語ります
ブラックウォーター創業者のムスリム撲滅の使命
Xe社と社名を変えてみても、ブラックウォーター時代の悪行は消せません。次々とスキャンダルが発覚していますが、今回は創業者エリック・プリンスの宗教的な背景に焦点を当てます。新興の民間傭兵会社ブラックウォーターが急速に勢力を伸ばした背景には、米国で隠然とした力を持つ急進的キリスト教右派の運動が大きく関わっています。
ブラックウォーター社の元従業員2人が2009年8月に連邦裁判所に提出した宣誓陳述で、エリック・プリンスが同社の犯罪を捜査するFBIに協力した人々の殺害に関与した疑いが浮上しました。イラク人殺しを奨励したという証言もあります。プリンスの直接犯罪関与についての内部の人間による初めての証言です。
FCCが自由で開かれた環境を守る「ネットの中立」規定を提案
オバマ政権で評価されることの一つは情報通信政策です。FCC(米連邦通信委員会)もブッシュ時代の規制緩和路線から様変わりしました。新委員長ジュリアス・ジェナカウスキー氏は2009年9月、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)が特定のオンラインサービスを妨害したり、遮断したりするのを防ぐ一連の提案を発表しました。無料のインターネット電話や、ファイル共有ソフトなどによる特定のデータの流れを妨害することも規制されます。また今回は無線電話事業者も初めて規制の対象になります。開かれたアクセスを保証するこれらの措置は、「ネットの中立性」推進派から大いに歓迎されています。
先進国は援助ではなく「気候債務」を返済せよ
COP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)で、先進国に正当な気候問題補償を求める国々の急先鋒の1つがボリビアです。ボリビアの気候問題交渉代表アンへリカ・ナバロに話を聞きます。「世界人口の20%が世界の全排出量の2/3以上を排出している。それが気温上昇の原因の90%以上を占めている」とナバロは言います。「我々は援助を乞うているのではない。先進国が自らの義務を果たし、これまでの負債を返済するよう求めているのです」
環境運動家ンニモ・バッセイ:先進国は気候問題でアフリカに借りがある
ナイジェリアで最も有名な環境運動指導者の一人、ンニモ・バッセイから話を聞きます。バッセイはナイジェリアの環境保護団体エンバイロンメンタル・ライツ・アクション(環境権行動)の創設者で、国際環境団体フレンズ・オブ・ジ・アース(FoE)の国際議長を務めています。彼はニジェール川デルタ地帯におけるシェル石油の存在に反対する運動を約20年間続けてきました。バッセイは12月7日夜、クリマフォーラム09の初日に演説しました。近刊予定の彼の著書は、To Cook a Continent: Destructive Extraction and the Climate Crisis in Africa(『大陸を調理するために:破壊的な抽出とアフリカの気候危機』)です。
カーボン排出権取引は地球温暖化防止の効果なし
米環境保護庁(EPA)の二人のベテラン弁護士が、連邦議会で審議中の気候変動法案を批判するビデオをYouTubeに公開し、同調から削除ないし変更するように圧力をかけられました。このビデオは、排出権取引のCO2削減効果に疑問をはさみ、致命的な欠陥があると警告しています。特に、排出したガスの埋め合わせに別の場所での排出を削減する「オフセット」(相殺)の市場には、根本的な欠陥があると指摘します。
GMの金のなる木 ブラジルの森林から見るカーボン取引の矛盾
地球温暖化への対策が生み出した新手のビジネスに注目しましょう。温室効果ガスの排出削減の決め手とされるのは、「排出量取引」(キャップ・アンド・トレード)制度です。これは国や企業ごとに排出量の上限(キャップ)を定め、その枠を超えて排出してしまった分は、排出枠が余っている国や企業から権利を買い取る(トレード)仕組みです。ここから、CO2を吸収する森林がカーボン・ビジネスの鍵となる商品になりました。世界の温暖化ガス排出の大要因である伐採を防ぎ、森林を保護すれば、他のところで起きたCO2排出を相殺できるからです。企業は削減目標の未達分を、どこかよその森林の保護によって相殺することができます。でもその実態はどんなもので、森林地帯に住む人びとの生活にどんな影響をあたえているのでしょう?
カリフォルニア巨大刑務所システムの内情
カリフォルニアの刑務所には約16万人が収監されています。州の受刑者数は全米最多であり、収容施設の定員の2倍を超えています。しかし、カリフォルニア州は深刻な財政危機のまっただ中にあり、刑務所予算の削減も必至の状態です。刑務所の過密収容状態を問題視した連邦裁判所は2009年8月、カリフォルニア州に対し、今後2年で収容者の数を4万人以上減らすよう命じました。州知事による延期の嘆願も却下され、一部囚人の早期釈放を認める法案が提出されました。
ピッツバーグG20 サミット抗議鎮圧で出現した「警察国家」の光景
2009年9月16日、米国ペンシルバニア州のピッツバーグでG-20金融サミットが開かれました。世界の富裕国の首脳が一堂に顔をあわせる会合です。厳重な警戒態勢の中で米国各地から集まった数千人が抗議行動を行いましたが、重装備の機動隊が出動し、非暴力のデモ隊に催涙ガス、音響手りゅう弾、発煙筒、さらには鋭い不快音を浴びせて動けなくする長距離音響装置(サウンドキャノン)も国内で初めて使用されました。2日間の会合で少なくとも175人が逮捕されました。反戦活動家シンディ・シーハンは、「まるで警察国家のような光景でした」とブログに書きました。続けて、アルンダティ・ロイが世界最大の民主主義国インドの「警察国家民主主義」の実態と、グローバル化の中で変容する民主主義について語ります。
アルンダティ・ロイが語るインド経済成長の犠牲者たち
インドの首都ニューデリーから、グローバル・ジャスティスを訴える作家アルンダティ・ロイが発売されたばかりの新作について語ります。『民主主義フィールドノート イナゴの襲来に耳をすまして』は、世界最大の民主主義インドで今なにが起こっているのかを詳細に描き、それを通してグローバル化の時代の「民主主義」について考察します。
島国モルディブが温暖化の脅威を訴える
モルディブはスリランカ西南のインド洋に浮かぶ環礁です。2009年10月モルディブ政府は、世にも珍しい海中閣議を開きました。モハメド・ナシード大統領と11人の閣僚たちが、スキューバダイビングスーツを着想して、水深約6メートルの海底に潜りました。温暖化の危機を訴えるためです。
モルディブは世界で最も平坦な国で、海抜は最高でも2.4メートルしかありません。気候変動によるサンゴ礁の死滅と界面の上昇で、このままでは国土が水没してしまいます。
故郷を返せ!インド洋の米軍基地ディエゴガルシア島
グアム島と並ぶ、もう一つ基地の島ディエゴガルシアに目を向けましょう。チャゴス諸島はインド洋に浮かぶサンゴ環礁です。その中心の島ディエゴガルシアには、巨大な米軍基地があります。アフリカとアジアの中間にあるこの島は米軍の重要な戦略拠点であり、アフガニスタンやイラクの爆撃基地として、またCIAによるテロ容疑者の第三国での拉致監禁(特例拘置引渡し)作戦においても重要な役割を担っています。
この島に住民はいません。40年前この基地を建てたとき、島民はひとり残らず追放されたからです。
ジョン・ピルジャー 「盗まれた島」ディエゴガルシア
イギリスが領有する静かで平和なサンゴ礁の島が、いったいどうして世界最大級の米軍基地になってしまったのでしょう? 40年前に起こったイギリスによる恥ずべき窃盗の歴史を、ドキュメンタリー作家のジョン・ピルジャーが掘り起こします。わずか数千万ドルと引き換えにアメリカに島を引き渡し、じゃまになった島民をひとり残らず連れ出し近くの島に捨てたイギリス。「あれは周辺から流れてきた人たちだ、島に土着の定住民はいなかった」と虚構を押し通し、何十年も彼らの存在をかき消してきました。
『ケイトンズビル事件の9人』 演劇でみるベトナム反戦運動
ベトナム反戦運動の歴史に残るもうひとつの行動は「ケイトンズビル事件」です。カトリック系の平和主義者たちが、牢獄行きを覚悟で反戦を訴えた市民的不服従のお手本のような事件です。
1968年5月17日、ダニエル・ベリガン神父と弟の故フィリップ・ベリガン神父をはじめとするカトリックの平和運動家 9人が、メリーランド州ケイトンズビルにある徴兵委員会のオフィスに侵入し、ベトナムに派兵される予定の若者たちの徴兵ファイルを外に持ち出して、手製のナパーム弾で焼き払いました。
"アメリカでいちばん危険な男" D・エルズバーグとペンタゴン文書
ベトナム反戦運動のハイライトとなった歴史的事件を二つ特集しました。ペンタゴン・ペーパーズの暴露については、すでに一度紹介しましたが、今回はその中心人物ダニエル・エルズバーグを取り上げます。ランド研究所のトップアナリストが、政府に背き終身刑を覚悟で内部告発をした動機はなんだったのでしょうか?
ナオミ・クライン 「マイノリティのデスマッチ オバマ時代の人種問題」
一年ほど前には、初の黒人大統領誕生の陶酔感の中で、米国は「ポスト人種」の時代に入ったといわれました。しかし数ヶ月後にはソトマイヨール判事の最高裁判事任命問題を皮切りに、なりを潜めていた人種問題がいっせいに噴き出しました。ハーバード大学のゲイツ教授を本人の自宅で逮捕した白人警官の「愚行」を指摘した大統領が逆に非難され、最優先課題の医療保険制度改革さえ人種問題にからめて非難されました。オバマ政権の足をひっぱるために利用される根深い人種対立の背景には、奴隷制の過去を精算できない米国の病理があるようです。オバマ政権が抱える厄介な人種対立の現状について、「マイノリティのデスマッチ:ユダヤ人、黒人、そしてポスト人種社会の大統領」という記事を発表したナオミ・クラインに聞きます。
ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で
プリンストン大学で宗教哲学とアフリカ系アメリカ人研究を教える有名教授コーネル・ウエストが、待望のメモワールを発表しました。表題は『ブラザー・ウエスト 生きるも愛すも大声で』。そこには、小学校をドロップアウトし監獄行きも時間の問題だった不良少年の時代から、心気一転して優等生に変身し、陸上に、音楽に、勉学に、生徒会活動にと多彩な才能を発揮したウエストの魂の軌跡がつづられています。その生い立ち、コミュニティ、宗教との出会い、人生における音楽の役割、オバマ政権への期待と失望、公的医療保険制度について、じっくり語ってもらいました。
南部奴隷蜂起を企てたジョン・ブラウン 『民衆のアメリカ史』朗読会より
米ウエストバージニア、ペンシルベニア、バージニア、メリーランドの4 州が、奴隷制廃止論者のジョン・ブラウンによるハーパーズフェリー兵器庫襲撃150周年を記念して式典を開催します。本日の放送の締めくくりは、ジョン・ブラウンのことばです。彼の絞首刑を命じたバージニア州の裁判法廷に向けた弁論を俳優ハリス・ユーリンが朗読します。これはハワード・ジンの古典的名著『民衆のアメリカ史』を朗読するイベントの一部で、これに続き俳優ジェームズ・アール・ジョーンズによるフレデリック・ダグラスのスピーチの朗読も、つづけてお聞き下さい。
アメリカの急進派 I・F・ストーンの生涯とその時代
「急進派ジャーナリスト」を自称したI・F・ストーンは、20世紀アメリカを代表する調査報道ジャーナリストでした。学問的ともいえるような緻密で徹底した調査手法でスキャンダルを鋭く暴く独特のスタイルによって、アメリカの報道界に大きな影響を残しました。60年にわたる活動期間を通じて取り上げた問題は、ニューディール政策から、第2次世界大戦、マッカーシズム、冷戦世界大戦、イスラエル=パレスチナ問題、公民権運動、ベトナム戦争と多岐にわたります。
有名な自費出版の個人ジャーナル『週刊I・F・ストーン』を始めることになったきっかけは、マッカーシー時代の言論統制の中で、公的医療保険の導入を阻む医療業界のボスを果敢に批判したためマスコミを追放されたからでした。
「占領を祝うな!」トロント映画祭のテルアビブ特集に文化人らが抗議
毎年9月のトロント国際映画祭(TIFF)は北米最大の重要な国際映画祭ですが、今年はイスラエルがらみで大荒れでした。今年から始まった「注目都市」の企画で、第1回にイスラエルの中心都市テルアビブが取り上げられたからです。多数のアーティストや作家たちが、これに反対を表明しました。ジェーン・フォンダ、デービッド・バーン、ダニー・グローバー、ハリー・ベラフォンテ、ジュディス・バトラー、スラヴォイ・ジジェク、ケン・ローチら1500人以上が抗議文に署名しています。
このタイミングでテルアビブにスポットをあてるTIFFの決定は、パレスチナ占領を継続するイスラエルの文化戦略への加担だと、彼らは批判します。ガザ地区への攻撃で国際的な評判が堕ちたイスラエルは、イメージ回復を図ってイスラエルの芸術家や俳優や作家を積極的に国外に送り出し、占領や戦争犯罪から目をそらそうとしているからです。抗議文の作成にかかわったナオミ・クラインは「イスラエルのブランドリニューアル」と呼びます。
ノーム・チョムスキー「ガザ危機へのオバマの立場はブッシュと同じ」
イスラエルの攻撃が続くなかで、バラク・オバマは沈黙を通していました。1月22日、就任以来はじめて国務省に出向いたオバマ大統領は、ようやく中東情勢に関する初めての発言を行いました。最初の言葉は、イスラエルの安全を守ることへの強い決意の表明でした。ガザからイスラエル南部に向けて無座別に発射されたロケット弾は非難しても、イスラエルの攻撃に対する非難はありません。ただしパレスチナ人の苦しみには同情を示し、ガザ地区への救援物資の搬入のため封鎖を解除すべきだとも言いました。マサチューセッツ工科大学のノーム・チョムスキー教授に話を聞きます。
ガザ攻撃時のイスラエルの戦争犯罪 国連調査で明らかに
2009年9月、リチャード・ゴールドストーン判事が率いる国連の事実調査使節団が、3週間にわたるガザ攻撃における戦争犯罪について調査結果をまとめました。ゴールドストーン報告書は、イスラエル軍が民間人を故意に標的にしたことは戦争犯罪にあたり、おそらくは人道に対する罪にもなると結論しています。また、ハマス側の違反についても記しています。そして国連安全保障理事会はイスラエルとハマスの双方に対し、この嫌疑に関する徹底した自己調査に3ヶ月以内にとりかかるよう求め、従わない場合には半年以内に国際刑事裁判所に提訴すべきであると勧告しています。イスラエルの政策をきびしく批判してきた政治学者ノーマン・フィンケルスタインに、この報告書の重要性と限界を聞きます
「地獄に作られた楽園」カトリーナ被災地で生まれた驚くべき共同体
大規模な自然災害によるパニックの中で、人間社会の掟は崩れ、人は野獣になるのでしょうか?ハリケーン・カトリーナは、ニュー・オーリンズで約1400人の犠牲者を出しました。このうち少なくとも11人のアフリカ系アメリカ人男性は、ハリケーン後に殺害されました。白人地区で、白人自警団に撃たれたのです。地元警察はこの死に関して捜査しませんでしたが、2008年12月に調査報道NPOプロプブリカの記者A.C.トンプソンがネイション誌に発表した記事をきっかけに、FBIが調査を開始しました。被災直後のパニックの中で自警団が過剰な暴力で反応したのです。
ハリケーン被災の病院で起きた患者の集団「安楽死」
2005年8月ニューオーリンズ市がハリケーン・カトリーナで被災してから4年がたちました。ハリケーン襲来の後には多くの悲劇が起こりましたが、その1つに関する衝撃の詳細が長期にわたる調査によって明らかにされました。ニューオーリンズ・メモリアル医療センター(New Orleans Memorial MedicalCenter)では、ハリケーンによる洪水で電力供給が停止し、その後の数日間で45人の患者が死亡しました。ニューヨーク・タイムズ紙日曜版の別刷り雑誌に掲載された、異例の長文報告「メモリアル病院 死の選択」(The Deadly Choices at Memorial)は、多数の患者が「安楽死」させられた顛末を詳述しています。調査報道NPOプロプブリカ(ProPublica)の記者で、2年半もの歳月をかけて徹底的に事件を調査したシェリ・フィンク医師に聞きます。
太平洋の「不沈空母」グアム 米軍基地移設で潰される先住民社会
沖縄の普天間基地の移転先をめぐって、県内、県外、国外という選択肢が議論されています。国外というのは、太平洋の島グアムです。150億ドルを投じた軍事施設の拡大増強により、全長50kmのこの島を太平洋方面の米軍作戦行動の主要なハブにする構想で、最近最大の軍備拡張計画といわれています。沖縄から8千人の海兵隊とその家族が移転することになるこの島では、いったい何が起こっているのでしょうか?グアム先住民の弁護士ジュリアン・アグオンは、島の人口の2割以上にあたる軍関係者が流入する今回の計画は、グアム先住民の生活を大きく圧迫し、取り返しのつかない打撃を与えると言います。<br><br>
NAFTA見直しの公約を反故にするオバマ大統領
8月にメキシコを訪れたオバマ大統領は、メキシコのフェリペ・カルデロン大統領とカナダのスティーブン・ハーパー首相と初の北米自由貿易協定(NAFTA)首脳会談を行ないました。オバマは選挙中にNAFTA見直しを約束していましたが、就任後は世界的経済危機を理由に実行を先送りしています。NAFTAの軍事同盟化をねらうブッシュ時代の構想は首脳会談の表舞台からは消えましたが、メキシコ社会の統制強化と軍事化は進んでいるようです。一握りの企業と政治指導者だけが密室で物事を決める体質は変わらず、労働団体や人権団体から批判が上がっています。
メキシコの汚い麻薬戦争
米国にはびこる麻薬犯罪の元凶とされるメキシコの麻薬カルテル。麻薬カルテル撲滅に乗り出したメキシコ政府に、米国が毎年5億ドル近い犯罪対策支援をしています。しかし、メキシコ政府の犯罪対策は人権侵害がはなはだしく、それを理由に米国からの支援も一部が凍結されました。メキシコを訪問したオバマ大統領はカルデロン大統領の麻薬戦争への対応を称賛しましたが、メキシコの麻薬戦争の影響を取材してきたチャールズ・バウデン記者は、それはでたらめだと言います。
隣の奴隷 現代アメリカの人身売買と奴隷制
現代の奴隷制撲滅運動のリーダーケビン・ベイルズに話を聞きます。ベイルズの推計によれば、現在約2700万人が奴隷的労働に就いています。これは人類史上最多の数字です。ベイルズはまた米国での現代奴隷制の摘発に協力してきました。米国には毎年、1万4000人から1万7500人の人々が人身売買で送り込まれていると彼は見ています。現代の奴隷制の実態に目を向けてみましょう。
軍事政権をうるおすフィジーウォーター
フィジーウォーターは米国の代表的な輸入ミネラルウォーターで、ボトル飲料として金持ちの有名人に人気があります。オバマ大統領は大統領選の夜、フィジーウォーターを飲んでいるところを写真に撮られていますし、最近では環境に優しい「グリーンな一滴」とエコを強調しています。しかし最近、フィジーウォーター社の軍事独裁政権との癒着、同社の環境とのかかわり方、そしてそれがフィジー国民に及ぼす影響について警鐘を鳴らす記事がマザー・ジョーンズ誌に掲載されました。記事"Spin the Bottle"(「ボトルゲーム」)についてレポーターのアンナ・レンザーに話を聞きます。
天然ガス掘削による地下水の汚染
水圧破砕法あるいは「フラッキング」(フラクチャリング)と呼ばれる石油・天然ガス採掘技術は、油層に高圧の液体を注入して岩石層に割れ目(フラクチャ)を作り、そこに砂などを充填して割れ目がふさがらないようにして、ガスの通り道を作ってやる採掘法です。液体を固める過程でいろいろな化学薬品が使われます。ハリバートン社などの採掘会社は、「フラッキング」によるガス採掘は安全だといいますが、それに反対する人々は、この技法は危険な物質で地下水を汚染すると主張しています。天然ガス採掘と地下水汚染とのつながりを示唆する新たな証拠が出現しました。
全米の水質汚染、NYタイムズが危険度を調査
ニューヨーク・タイムズ紙の大規模な調査により、過去5年間に化学薬品会社が50万件以上の水質汚染防止法違反を行なっていたことが明らかになりました。違反の大半は処罰されておらず、州の規制当局が有効な処置を講じたのは全体の3%にすぎませんでした。米国人の10人に1人は、危険な化学物質を含むか、または連邦政府の基準に達していない飲料水を供給されていると推定されています。調査を行ったニューヨーク・タイムズ紙のチャールズ・デュヒッグ記者に話を聞きました。
マイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』
2009年9月末に米国で封切られたマイケル・ムーアの新作『キャピタリズム~マネーは踊る』(原題Capitalism: A Love Story 『資本主義─ある愛の物語』)の標的は、世界を隅々まで支配する資本主義そのもの。資本主義は悪の制度で、その本質はネズミ講だと喝破するムーア監督はこの映画で、民主主義を形骸化させ政治と社会を牛耳る金融資本と、それに寄生する議会と行政に正面から切り込み、返す刀で、問題の本質から目を背け弱者に責任を転嫁することで権力に擦り寄る大手報道機関を切り捨てます。2008年、リーマンブラザーズ証券の破綻とAIG保険の経営危機に端を発した世界同時不況、それに続く巨額の公的資金による金融業界救済。「デリバティブ」や「クレジット・デフォルト・スワップ」など、専門用語の煙幕に隠れて行われた「略奪」を誰にでも分るように説明するという野心的な作品を通じて、21世紀のための新しい経済秩序が必要だと提言する、マイケル・ムーア監督に独占インタビューしました。
米印の核協力は印パ軍拡競争に拍車をかける
7月にクリントン国務長官がインドを訪問し、米国の国防関連産業大手が最新鋭の武器と核技術をインド政府向けに販売するのを促進する複数の政府間合意を結びました。戦闘機120機以上を高額で販売する契約に加えて、米国製の原子炉の輸出も予定されています。インドのエネルギー需要を満たし米印両国の雇用を拡大するためとうたわれていますが、米印間の核協力の強化は、パキスタンに対するインドの軍拡競争を米国があおることにもなりかねません。また、イラン=パキスタン=インドを結ぶ「平和のパイプライン」によるイランの天然ガス供給の構想にはどう影響するのでしょう?
米国内の秘密刑務所CMU 体験者が初めて明かす獄中生活
米国内にはCMU(コミュニケーション管理ユニット)と呼ばれる秘密刑務所があります。受刑者たちが外界と接触することを極端に制限する特殊な設備で、ブッシュ政権の下でインディアナとイリノイの2カ所にこっそりと設置されました。収容されているのは殆どがイスラム教徒の男性であり、そうでなければ環境活動家や動物愛護運動の活動家などです。ACLU(米国自由人権協会)は、CMUの合法性を問う訴訟を起こしています。この秘密刑務所の中で何が行なわれているのでしょう。
米連邦最高裁 ムミア・アブ=ジャマール死刑囚の再審請求を却下
2009年4月6日、連邦最高裁判所は元ブラックパンサー党員でジャーナリストの死刑囚ムミア・アブ=ジャマールの再審請求を却下しました。ムミアは1981年に白人警官殺害の容疑で起訴され、陪審員の大部分を白人が占める異論の多い裁判によって有罪判決を受けました。ムミアは、この裁判は陪審から意図的に黒人を排除するなど、人種的偏見により公正さが損なわれたものだったと主張し、判決の無効と裁判のやり直しを一貫して要求してきました。
プリズン・ラジオ 獄中のムミア・アブ=ジャマールとの対話
作家でありジャーナリストであるアブ=ジャマールは、ペンシルバニア州の獄中からプリズン・ラジオを通して獄中から毎週、政治評論を放送しています。このプリズン・ラジオのスタジオから、エイミーがムミアに直接インタビューしました。死刑房から長年コメンタリーを発信し続け、著書も出しているムミアのすさまじい精神力は、どこからくるのでしょうか。また、厳重警備刑務所の囚人の声を届けるという困難な営みを続けるプリズン・ラジオとは、どんな仕組みで、どのような信念に基づいているのでしょうか?
マイケル・ジャクソン「キング・オブ・ポップ」の軌跡と遺産
米国の文化的アパルトヘイトが崩れ、テレビや雑誌に黒人が普通に登場するようになったのは、なんといってもマイケルの功績です。彼の音楽を聴いて育った世代には、人種の垣根を越えたつきあいが普通のこととなり、ひいては大統領選挙で黒人候補に投票することにも躊躇しなかったと、アル・シャープトン牧師は言います。しかし、けた外れの成功には大きな代償が伴いました。ジェイムズ・ボールドウィンの不気味な予言のとおり、あらゆる序列をひっくり返したマイケルの空前の成功は、やがて彼の身を滅ぼすことになります。
CIAやFBIの権力乱用を捜査したチャーチ委員会
米国はブッシュ政権のもとで、テロ戦争を口実にCIAや米軍による民間人の拉致や拷問が容認され、国内でも捜査令状なしに電話を盗聴することが認められる一方、政府の情報開示は著しく制限される一種の暗黒時代に入りました。オバマ政権に交代した後も、公約とは裏腹に政府の秘密主義や情報機関の逸脱は改められていないようです。これと似た状況が、1970年代にもありました。政府の不法行為を捜査してきた米上院委員会。その中でも最も有名な70年代半のチャーチ委員会を振り返ってみましょう
ベトナム戦争の総指揮者ロバート・マクナマラ
2009年7月6日、ロバート・マクナマラが933歳で死去しました。1960年代にケネディとジョンソンの民主党政権で国防長官をつとめ、ベトナム戦争の遂行に中心的な役割を果たしました。フォード社の社長に就任したばかりのところを引き抜かれて政権入りしたマクナマラは、「ベスト&ブライテスト」と呼ばれたケネディ政権のエリート集団、超優秀で自信に満ちた高官の典型でした。後年に発表したメモワールの中で、ベトナム戦争を拡大し泥沼化させたことは誤りであったと述べ、自らの責任を率直に認めたとして話題になりました。しかし、それは本当に十分な反省だったと言えるのでしょうか?
ナオミ・クライン&アビ・ルイス 労働者自主管理という解決法
『ショック・ドクトリン』の著者ナオミ・クラインと、彼女の夫で英語版アルジャジーラの報道番組司会者アヴィ・ルイスに、、アルゼチンでの生産設備占拠運動のひろがりを追う記録映画『奪取』(The Take)を制作した二人が、世界的に拡大中の労働者自主管理運動について報告します。
アルゼンチンの労働者自主管理工場から
アヴィ・ルイスとナオミ・クラインがアルゼンチンの工場自主管理運動を取材して、2004年に制作した記録映画『ザ・テイク』(工場奪取)をお届けします。アルゼンチンでは200カ所を超える工場が労働者の自主管理によって経営されています。その代表格となったサノン陶器工場は、2001年に閉鎖が宣告された後、それに抗して工場を占拠した労働者たちの手で操業が再開されました。労働者の自主管理による経営は、協同組合として十分な経済的成功を収めています。
シカゴの工場占拠 操業再開で労働者が職場復帰
シカゴにある建具製造会社リパブリック・ウィンドウズ・アンド・ドアーズの工場労働者たちが、三日後の工場閉2008年12月のことでした。オバマ大統領も工場労働者の権利支持を公にするなど、異例の展開を見せた争議は、大手マスコミも無視できない程注目を集めました。やがて調停が成立し、工場は閉鎖されずに新しい経営陣を迎えることになったのです。同工場の整備工で労組指導者のアルマンド・ロブレス氏に伺います。
コンゴ内戦の性暴力とアフリカの「資源の呪い」
*前半:8月にアフリカを訪問したヒラリー・クリントン国務長官は、コンゴ民主共和国の東部のゴマ市に立ち寄り、内戦による性暴力の被害者たちと面会しました。コンゴではレイプが戦争の手段として使われ、おびただしい数の犠牲者が出ています。
*後半:アフリカの天然資源に利権を持つ米国企業のかかわり方に目を向けてみましょう。クリントン長官が訪問したアフリカ7カ国には同大陸の二大石油算出国であるナイジェリアとアンゴラが含まれるなど、資源国との関係強化が訪問の狙いであったと言えそうです。しかし、これらの国々は、豊かな天然資源のゆえに紛争や汚職が絶えない「資源の呪い」に取りつかれた国でもあります。
オバマ大統領ガーナへ サハラ以南への初の公式訪問
オバマ大統領は2009年7月にアフリカ諸国を歴訪しました。就任後初めてのサハラ以南への公式訪問です。最初の訪問国はガーナです。ガーナが選ばれた理由は、最近見つかった油田に関係していると言う人たちもいます。アフリカは米国の重要な原油供給元であり、国家情報会議(NIC)の報告書「チェイニー報告」によれば、2015年までには米国の石油輸入の4分の1が西アフリカ産になると予測されています。アフリカの人々の声を聞いてみましょう。
中国のサファリ 高まる存在感
最近のアフリカで注目されるのは中国の進出です。アフリカ大陸の貿易相手国として、中国は最近フランスを抜いて第2位に踊り出て、首位の米国にも迫る勢いを見せています。中国のめざましい進出は、欧米の援助が前述のような問題点を持ち、不十分なものにとどまっているのに対して、オルターナティブを提供していると言えます。植民地時代のしがらみを引きずる欧米の使命感に基づく投資に比べ、ドライで実利主義的な中国のビジネスマンの投資は、現地のインフラに目に見える変化をもたらしています。中国人の集団定住計画も進んでいるようです。
ゲイ人権運動の先駆者クリーブ・ジョーンズとワシントン行進
毎年10月11日は米国では「全米カミングアウトの日 National Coming-Out Day(全米カミングアウトの日)」とされています。もっとも、これはべつに政府が定めた記念日ではありません。米国のゲイ・コミュニティが、まだ自分をゲイだと言えない老若男女に「カム・アウトする(自分が同性愛者だと公言する)」ことを勧めようと定めた日です。今はゲイだけでなくLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)と総称される性的少数者全体のカムアウトを奨励する日として、この運動はカナダや欧州にも広がっています。
元陸軍長官も撤廃を求める米軍の同性愛公言禁止政策
米軍は第2次大戦の頃から同性愛者を軍規によって排除してきました。これを廃止すると公約して当選したビル・クリントン大統領は、保守派や宗教右翼などの猛烈な反対に遭い、妥協の結果、同性愛を公言しない条件で従軍を認める法案を通過させました。"Don't ask, don't tell”(聞かない、言わない)と呼ばれるこの政策は、同性愛者に自らを偽ることを強いるもので、この15年で約13000人の違反者が除隊させられています。士官学校を卒業したアラビア語の専門家ダン・チョイ中佐もその1人です。
ロボット革命と21世紀の戦争
米国は2008年夏から、パキスタン領内のアルカイダ拠点とされる標的を「プレデター」と呼ばれる無人戦闘機を使って攻撃し、30回以上の攻撃で250人以上を死亡させています。米軍の戦闘における無人兵器の使用は、イラク開戦いらい急速に増加し、約5千機の無人機がイランやアフガニスタンだけでなく、ソマリアやメキシコ国境の警備にも使われ、地上戦用にもロボットが使われています。ロボット兵器は戦争のあり方をどう変えていくのでしょう? こども兵や傭兵企業についての著作に続き、ロボット革命と21世紀の戦争について新著を出したP・W・シンガーに聞きます。
インディアナ州兵 イラクでの化学物質被害でKBRを告訴
インディアナ州兵としてイラクに従軍した16人が、ヒューストンを拠点とする国防総省の契約業者KBR(Kellog Brown and Root's)を告訴しました。内容は、2003年イラクにおいて、兵士たちがKBR職員の護衛を任命されたとき、KBRは有毒化学物質の存在を知りながら、兵士らに警告せず、症状が出ているのに毒物に曝し続けたというものです。KBRの元親会社ハリバートン社は、チェイニー元副大統領が大量の株式を所有し、米軍のイラク侵攻後の復興事業を請け負い、大もうけしたことで有名です
ブッシュ政権の拷問政策にオバマはどう対応すべきか?
ブッシュ政権が残した大問題の一つは、拷問の合法化です。5月に拷問メモがオバマ政権の手で公開されたことを受け、パウエル長官の元側近が尋問はイラク戦争を正当化する理由をみつけるためだったと証言したり、拷問の合法化にかかわったブッシュ政権の法律顧問12名の弁護士資格を剥奪せよという運動が始まったりしました。米国の外でも、スペインのガルソン判事が同国の司法長官の反対を押し切ってグアンタナモにおける拷問の採用と、それを合法化したブッシュ政権の法律顧問に対する捜査を始めました。
ハミッド・ダバシ イラン選挙不正への抗議は「革命ではなく公民権の運動」
イランでは6月12日の大統領選後に選挙不正の疑惑から大衆的な抗議行動が広まり、10日で少なくとも19人の抗議参加者が政府側の弾圧で死亡しました。ジャーナリストや活動家たちの逮捕・拘束が続いており、デモ参加者を裁くための特別法廷も設置されました。米国ではこれを、改革派による体制転覆をめざす運動ととらえたがる向きもあったようですが、実際にはそのような方向には発展せず、政府の弾圧によって2週間後には急速に勢いを失っていきました。あの動きはなんだったのか?
イランの政治犯釈放を求め国連前で3日間のハンスト
ニューヨークの国連本部前でイラン国内のすべての「良心の囚人」の釈放を求めた3日間のハンガーストライキが22日から始まっています。その現場から何人かに話を聞きましょう。中には元政治犯もいます。彼らの多くは独房に監禁され拷問も受けていました。現在イランで収監中の政治犯の親戚もいます。また、イランの著名な反体制ジャーナリストのアクバル・ガンジ、言語学者ノーム・チョムスキー、イラン人学生運動家サハルナズ・サマイエネジャド、イラン系アメリカ人の活動家で弁護士のビタ・モストフィの声もお届けします。
教師や親たちがハンストを決行するロサンゼルスの学校
ロサンゼルスの学校では、助成金の削減や教職員の大量解雇に抗議するハンガーストライキに教師や親たち、地域住民が参加しました。この問題はカリフォルニア州の財政が破産寸前になっていることから、アーノルド・シュワルツェネッガー州知事が歳出削減のために教育関連予算を州全体で10億ドル近く削減する方針を定めたために引き起こされました。
ペルー警察、アマゾンのジャングルで先住民虐殺か
2009年6月5日早朝、ペルー北部のアマゾン県にあるバグア郡で、政府が進める採鉱と石油採掘計画に反対していた先住民の活動家たちと警官隊のあいだで衝突が起き、数十人が死亡しました。ペルー当局は外出禁止令を発令し、治安部隊がアマゾンの熱帯雨林に散在する都市をパトロールしています。ペルー当局は、警察官22人が殺害され、2名が行方不明であると発表しています。先住民側は、週末の衝突で子供3人を含む少なくとも40人が警察により殺害されたと語っています。アマゾン地域社会の発展をめざす先住民連合体AIDESEPの代表アルベルト・ピサンゴ氏には抗議行動を扇動した罪で逮捕状が出され、地下にもぐっています。
先住民の権利を訴える女優クオリアンカ・キルヒャー
ペルーのアマゾン先住民の権利運動を率いるアルベルト・ピサンゴ氏は、ニカラグアへの亡命を認められました。ペルー北部アマゾン県で多国籍企業による採鉱と石油採掘を認可する立法に反対して、先住民団体による抗議行動を主導していました。道路封鎖の強制排除を図った警官隊との衝突で約60人が死亡したと見られ、ピサンゴ氏には扇動罪で逮捕状が出ていました。
Googleブックサーチ訴訟の和解は裁判制度を利用した独占の正当化
米国の訴訟和解が日本の著者や出版社にまで影響することで日本でも少なからぬ反響をもたらしたグーグルのブックサーチ機能をめぐる裁判と和解について、一つの視点を提供するセグメントです。グーグル社は大学などの有名図書館が所蔵する膨大な数の書籍をデジタル化し、インターネット上で公開する壮大な計画を数年前から進めています。すでに700万冊以上が電子化されていますが、著作権が保護されている書籍の検索サービスについては、著作権者の権利を侵害するものであるとして米国作家組合や出版社協会を中心とする集団代表訴訟(クラスアクション)が起こっていました。今年4月に訴訟は和解に達しましたが、訴訟の性格上、著作権を保持するすべての人に影響を及ぼすことになるので、問題はさらに拡大しました。
木っ端みじん デジタル化で吹っ飛ぶ あなたの暮らし、自由と幸福
わたしたちの日常生活の一部となっている電子メールやデジカメ、音楽ダウンロード、携帯電話、カードショッピング。これらの行為はすべてデジタル情報を生みます。私たちが残す「デジタルの足跡」は記録され、コピーされ、転送され、検索され、売り飛ばされ、永久に保存されます。無限に拡大する高度な情報のネットワークが行き着く先は、新たな形の協力と革新の可能性に満ちたユートピアか、ジョージ・オーウェルが『1984年』に描いた個人情報や表現の自由が奪われ民主主義が死滅するディストピアなのか?<br><br>
ハーバード大学のハリー・ルイス教授が懸念するのは、私たちが、速さや便利さ、わずかな割引と引き換えに、やすやすと個人情報の引渡しに応じる現実です。レジでショッピング・カードを提示して数十セント値引きしてもらうのと引き換えに、それと知らずに引き渡している個人情報には医薬品や酒類をはじめ何を購入したかの履歴が蓄積されます。<br><br>
ホンジュラスのクーデターの背景をたどる
6月末に起きたホンジュラスのクーデターは、中南米の歴史を見てきた人にはおなじみの光景だったかもしれません。マヌエル・セラヤ大統領を国外追放したホンジュラス軍部のクーデターを率いたロメオ・バスケス将軍は米国の陸軍教練機関であるスクール・オブ・ジ・アメリカズ(SOA)で訓練を受けていました。SOAは現在は名称を変えてWINSECと呼ばれていますが、これまで6万人以上のラテン・アメリカ諸国出身の軍人を訓練してきました。その多くは祖国に戻って人権蹂躙や拷問、裁判なしの死刑執行や大量虐殺などに関わっています。この悪名高い軍事訓練学校を監視する団体SOAウォッチによると、バスケスは1976 年から84年までSOAに所属していました。同じくホンジュラス空軍のトップであるルイス・ハビエル・プリンス・スアソ将軍も96年に同校で教練を受けています。
エクアドルのコレア大統領へのインタビュー
中南米の左傾化の一翼を担うエクアドルのラファエル・コレア大統領への単独インタビューをお届けします。2009年6月下旬、国連で行われた世界金融・経済危機と開発への影響に関する高官レベルの会合に出席するためニューヨークに滞在中のコレア大統領にお話を伺いました。
グローバル資本主義、マンタにある米軍基地協定の更新拒否、アマゾンに暮らす数千人の先住民が毒性の強い油井汚染に関して石油メジャーのシェブロン社に120億ドルの損害賠償を求めている訴訟、エクアドルとコロンビアの関係、そしてコレア氏のオバマ大統領に対するアドバイスを聞きました。
「利益至上主義が新聞を殺した」非営利ジャーナリズムの提案
ネットによる情報配信は民主的であり、無料で情報にアクセスできるのは素晴らしいのですが、ブログの情報には実際の取材によるものはほとんどなく、たいていは他所の情報の寄せ集めです。一次情報を提供するコストを無視すればやがては取材をする者はいなくなり、信頼できる情報がなくなり、最終的には社会全体が損失をこうむります。しかし米国の新聞の凋落が始まったのは、じつはネットやデジタル技術が台頭するずっと前でした。
G20とNATOサミットに抗議するヨーロッパの人々
4月にヨーロッパで開かれたG20金融会議やNATOサミットでは、大規模な抗議行動が起こりました。従来の金融システムの復活に抗議し、NATOなんかいらないと叫ぶ人々。未曾有の経済危機に、英国やヨーロッパの人々は何を考えているのでしょう。
デービッド・ハーベイ 経済危機と新自由主義について語る
ニューヨーク市立大学大学院の人類学教授のマルクス主義地理学者デービッド・ハーベイは、『資本の限界』をはじめ日本でも多数の著作が翻訳されています。最近では『新自由主義-その歴史的展開と現在』などでネオリベラリズムを批判しています。世界的な社会理論家で経済分析の第一人者に、G20サミットと経済危機に関する見解を聞いてみましょう。
オバマのブラックウォーター? 傭兵会社トリプル・キャノピー
オバマ政権は、イラクに駐在する米国要人の護衛のために、従来のブラックウォーター社(社名はXeに改称)に代えて、民間軍事会社トリプル・キャノピー社と契約する方針を固めました。バグダッドにある巨大な軍事要塞のような米国大使館の警護も同社に委託されます。トリプル・キャノピー社は、イスラエルでも米国外交官の護衛を請け負うもようです。ブラックウォーターを詳しく調査してきたジャーナリストのジェレミー・スケイヒルは、これを「オバマによる占領ブランドの一新」と評します。
AIG救済はウォール街インサイダーによる連邦政府のっとり
政治評論家マット・タイビが、AIG救済問題の真相を追及します。タイビによれば、世界的規模の経済破たんと政府による救済措置は一種のクーデターです。金融業界は長年にわたり選挙を金で動かし、金融規制を骨抜きにしてきましたが、ついに今回の金融危機で、少人数のウォール街インサイダーによる政府の乗っ取りが完成したのだと言います。今回の金融危機で目立つのが、ゴールドマン・サックスの焼け太りです。AIG救済問題も、じつはゴールドマン・サックスの救済だったとタイビは言います。
オバマの金融チームは金融危機を招いた張本人たち
オバマ大統領が商品先物取引委員会の委員長にゲーリー・ゲンスラー元財務次官を指名したとき、無所属議員バーモント州選出のサンダース上院議員が反対を表明しました。反対の理由は、ゲンスラーがフィル・グラム上院議員やアラン・グリーンスパン元FRB議長と一緒に、金融派生商品クレジット・デフォルト・スワップの規制撤廃を推進した張本人であり、それが保険会社AIGの破たんと巨額の公的救済措置につながったからです。
あなたもISPになれる 格差を埋める非営利プロバイダ創始の手引き
連邦通信委員会(FCC)は4月8日、米国の全家庭に高速インターネット回線を普及させる計画に着手しました。72億ドルの景気対策予算がブロードバンド推進にあてられ、特に地域社会を基盤とする団体が助成対象となります。これは住民型ワイアレス・プロバイダの創設に絶好の機会だと、ノースカロライナの非営利プロバイダMAINのウォリー・ボウエン氏は言います。大手通信事業者に支払われるサービス料金は中央に吸い上げられ、ウォール街の投資家を潤すだけですが、このデジタル支出の一部を押さえて地域社会に還元し、住民メディアを支援しようというのが、地元奉仕型の非営利プロバイダの発想です。プロバイダ収入を、非営利番組の取材や制作の費用に充てることも可能です。
AT&Tがパブリックアクセスを差別待遇
通信業界大手AT&Tが米国全土でローカル局のパブリックアクセス・チャンネルを不当に待遇しているとして、地域メディア団体が抗議しています。争点となっているのは、パブリックアクセス・チャンネルの番組をAT&Tが顧客に提供する方法です。AT&Tは各放送局に個別のチャンネルを割り当てていますが、パブリックアクセス・チャンネルには番号の割り当てがなく、雑多なチャンネルと十把一絡げにされ、非常に複雑で時間のかかる方法でしか選局できません。地域情報や教育番組を担う地域の公共放送を推進する人々は、視聴者を著しく限定する不公正な制限だとAT&Tを批判します。
ダルフール殺戮でスーダン大統領にICCの逮捕状 是非をめぐる討論
2009年3月4日、国際刑事裁判所(ICC)は、2003年以降続いているスーダン西部のダルフール地方における内戦で行なわれた戦争犯罪と人道に対する罪に責任があるとして、スーダンの現職大統領オマル・バシールに逮捕状を出しました。2005年の国連安全保障理事会による付託を受けてのものです。しかしスーダンはICC規定の締結国ではなく、バシール氏が拘束される可能性のない時点で逮捕状を発行したことには、様々な観点から賛否両論が提示されています。事実、スーダン政府は決定に反発し、国内で人道支援活動に従事する欧米系の支援団体の多数がスパイ行為を行っていると非難して追放を決定しました。和平への取り組みに関与するアフリカ連合も逮捕状発行に反発しています。<br><br>
番組では、今回の決定を支持するヒューマン・ライツ・ウォッチ理事でICC設立のための運動を主導したリチャード・ディッカー氏と、ハーバード大学の学部横断組織人道主義プロジェクトの纏め役で、今回の決定を「象徴的な動きに過ぎず、却って人道危機を招きかねない、性急な行動」だと批判するアレックス・デ・ウォール氏を招きます。
トーマス・ゲーガン 無制限の高金利が米経済を破壊してきた
オバマ政権は3月に金融システム回復のため、1兆ドル規模の不良資産買い取り計画を発表しました。以降、金融危機は落ち着きを見せています。しかし私たちは、危機以前と同じ金融システムに戻るべきなのでしょうか?米国ではカードローンやペイデイローンなどを通じて、長期金利が20-30%、短期金利は200-300%というすさまじい高金利が合法になっています。金融業のこのような高利率に比べて、製造業への投資は利益率5%がせいぜいです。こうした歴然とした利益率の差から、投資家は製造業への投資をやめて金融に投資するようになりました。資本が実体経済から金融セクターへとなだれをうって流出し、人々からカネを吸い上げる寄生的な金融経済が登場したと、シカゴの法律家トーマ ス・ゲーガンは言います。
タリク・アリ パキスタン民衆の勝利を語り、「社会主義の再考」を促す
パキスタンでは3月に政府が市民の激しい抗議運動に屈して、ムシャラフ元大統領の時代に解任された最高裁判所主任判事イフティカル・チョードリーを復職させました。チョードリ判事は司法の独立を貫き、法律を条文どおりに実行する数少ない判事として民衆の絶大な支持を受けています。判事の復権は民衆の勝利であると、英国の作家タリク・アリは高く評価します。しかし、そうした国民の祝賀ムードに水をかけるように、米国はパキスタンへの越境攻撃を行い、民間人9人が犠牲になりました。これは米国の手先とみなされているザルダリ現大統領の立場を危うくし、パキスタン軍も動揺させます。パキスタンが不安定化すれば、インドを含めた南アジア全体に影響が波及するきわめて危険なゲームだとアリは指摘します。
アルンダティ・ロイ 「9は11ではない(そして11月は9月ではない)」
2008年11月26日にインドのムンバイで発生した武装集団による数箇所の同時襲撃事件の後、インドでは米国の9.11同時多発襲撃事件と比較する論調が目立ちました。12月はじめ、インド政府は国内の治安とテロ対策のため、インフラを大規模に改造すると発表しました。小説家で活動家のアルンダティ・ロイは、「9は11ではない(そして11月は9月ではない)」という記事でムンバイの襲撃事件とニューヨークの襲撃事件とを安易に同一視することの危険を指摘し、警告の声を上げています。番組では、直後から事件への関与がささやかれる隣国パキスタンとの関係を建国の歴史にさかのぼって説明し、ムンバイの事件を南アジア全体の国際政治の中に位置づけてくれます。
「リスナーのための放送局」パシフィカ・ラジオの60年
独立放送局の草分けパシフィカ・ラジオの60周年記念番組です。1949年4月15日午後3時、良心的兵役拒否者でカリスマ的な平和活動家ルイス・ヒルがマイクに向かって「こちらはKPFAバークレー放送局です」と第一声を発しました。米国で初めての、リスナーの寄付で支えられた非営利ラジオ局が誕生した瞬間でした。
60年後の今、米国の商業メディアは危機に瀕しています。ジャーナリストの大量解雇、100年の歴史をもつ新聞社の倒産が相次ぎ、放送局の刻々収入も激減しています。こうした中で、株主ではなく市民に奉仕する非営利のジャーナリズムに新しい報道のモデルを求める動きも起こっています。このようなとき、米国最古の非営利放送局の歴史をたどってみるのは、たいへん意義のあることです。
ガザ救援物資コンボイを率いた英国議員カナダで入国拒否
カナダ政府は2009年3月20日、辛らつな発言で有名な英国のジョージ・ガロウェイ(ギャロウェイ)下院議員が遊説のため入国するのを拒否しました。理由は国家安全保障にかかわるテロ支援の疑いです。2006年1月のパレスチナ立法評議会選挙で圧勝し、現在はガザ地区のみを支配するハマス政府に援助を行ったことをさします。
2008年末から22日間にわって続いたイスラエルによるガザ攻撃を受けて、ガロウェイ議員はガザに救援物資を届ける「ヴィヴァ・パレスチナ」キャンペーンを企画し、1カ月で100万ポンド相当の支援と数百人のボランティアを集め、消防車や救急車を含む120台の車両に生活物資を満載し、陸路ガザをめざすコンボイを実現させました。
壊滅地帯 封鎖されたガザの経済
テロ封じ込めのためというイスラエルの封鎖はどんな影響を与えているのか、Democracy Now!のプロデューサーがガザ地区に入って経済状況をレポートします。<a href="http://democracynow.jp/subomov/20081229-1">イスラエルによる22日間の攻撃</a>の後、ガザ地区の失業率、貧困率は世界でも最悪となっています。国際社会はガザ地区の復興支援に52億ドルの拠出を約束しましたが、イスラエルは4カ月が過ぎた現在もガザ地区の完全封鎖を解いておらず、再建しようにも物資がありません。2万軒以上の家屋が破壊され10万人が家を失ったというのに、セメントやガラスなどがまったくはいってこない状態です。
ハマスを支援? 米ムスリム慈善団体「ホーリランド財団」への迫害
かつて米国で最大のムスリム慈善団体だったホーリーランド財団の創設者5人に最長65年もの禁固刑が言い渡されました。罪状はパレスチナの組織ハマスを支援したというものでした。5人は武力闘争への支援はいっさい追及されてはおらず、ただ困窮したパレスチナ人を支援する慈善活動に資金を供与しただけです。ここにはテロ支援を口実に人道援助までストップさせるガザ封鎖の構造がグロテスクなまでに現れています。
「ベルゲン=ベルゼンの日記 1944-45」 アミラ・ハスが問う母の沈黙
イスラエルの優良紙『ハアレツ』のコラムニストで、占領下のパレスチナに住み、パレスチナ住民がイスラエルから受ける迫害を伝え続けている数少ないユダヤ人記者アミラ・ハスは、両親ともにホロコーストの生存者です。母のハンナ・レヴィ=ハスは、北部ドイツのベルゲン=ベルゼン強制収容所に収容されていた当時、禁を犯して日記をつけるほど文章表現に長けた人でした。しかし収容所から解放され、イスラエルに移住した後は書かなくなってしまいます。むしろホロコースト後の世界に絶望したのだと娘のアミラは言います。
ワシントンで温暖化放置にNo! 市民的不服従と立ち上がる若者たち
2009年2月27日から3月2日にかけて、米国の首都ワシントン・コロンビア特別区で、地球温暖化対策のための学生達の運動の交流会「パワーシフト2009」(http://www.powershift09.org/)が開催されて、米国をはじめとする十数カ国の高校生や大学生1万2千人が集まりました。<br>
3月2日にはまた同じくワシントンDCで、今も続く石炭発電に反対する大規模抗議行動「国会議事堂気候行動」(http://www.powershift09.org/)が行われました。これに先立ち、米上下両院の議長は、首都の発電所での石炭使用をやめ天然ガスに転換することを要請。地球温暖化に反対する行動に大きな弾みがつくことが期待されています。
ジョン・キューザックが映画でおちょくるイラク戦争の腐敗とボロ儲け
ジョン・キューザックが自作の映画 War, Inc.(『戦争、請け負います』)について語ってくれました。近ごろのハリウッドがとんと扱わなくなった主題、つまりボロ儲けの手段としての戦争、傭兵問題、政治腐敗、そして米軍お抱えジャーナリズム等々を描いたコメディです。
グアンタナモ収容者の異議申立の権利を認める最高裁判決 3度目の正直?
キューバのグアンタナモ米海軍基地に収容されている人々が、米国の連邦裁判所に意義を申し立てる権利を認めると、米国連邦最高裁が判断を下しました。グアンタナモに収容された人々の人権に関する問題で、米国の最高裁判所がブッシュ政権の意に反した判決を下したのは、この4年で3回目です。
ユタの大学生 原野を救うため飛び入り入札で権利買い占め
米国土地管理局は2008年末、ユタ州南部に広がる連邦政府所有の原野における石油ガス採掘権の競争入札を断行しました。この売却には多くの環境団体が「石油ガス業界へのブッシュ政権最後の置き土産」と非難していました。こうした中、ユタ大学で経済学を学ぶティム・クリストファーは、たった一人で競売の妨害をこころみました。彼は入札会場に入り込み、入札に参加することによって多くの区画の値をつり上げ、結果的に2万2000エーカー(約8900ヘクタール)を落札したのです。
先住民作家ルイーズ・アードリックの独立系書店
第一作『ラブ・メディシン』で全米書評家連盟賞を受賞して以来、数多くの作品を葉表してきたアメリカの先住民系作家ルイーズ・アードリックに聞きます。彼女が家族と経営するミネアポリスの独立地方書店バーチバーク・ブックスは、先住民コミュニティを活性化する知的活動の場を提供し、集会場や展示場、サロンの役割もそなえたユニークな書店です。母方は先住民、父方は白人という異文化混合の家庭で育ったアードリックは、さまざまな文化の混合こそが現在の米国の姿なのだと言います。
日用品の毒性規制の遅れが米国製品の市場を狭める
調査ジャーナリストのマーク・シャピロを迎え、おもちゃや化粧品など日常的に使用する製品に含まれる化学物質の人体や環境へ安全性の基準が緩められていることが、米国製品の国際競争力を失わせると論じる最近の著作について語ってもらいます。
米国では化学薬品や工業製品の安全性を守る規制が、企業ロービーの圧力によってどんどん緩和され、有名無実化しています。企業側の主張は、規制を緩和しないと競争力が損なわれるという、おなじみのものです。しかし、本当にそうなのでしょうか?
温室効果ガスは予想を超えた速さで増加中 新政権の対策は?
ブッシュ政権の8年間、京都議定書も国際世論も無視して地球温暖化の現実から目を背け続けた米国も、オバマ政権の誕生でようやく排出量を規制する方向へと舵を切りつつあります。しかし、最近IPCCの第2作業部会共同議長に就任したクリストファー・フィールド教授は、IPCCの従来予測は1990年代の世界各国の排出実態を基に、その時点で設定された与件にもとづいて策定されたものであることを指摘し、2000年以降、全世界規模で温室効果ガスの排出が激増した今となっては、現実的な排出量増加曲線は予測幅の上限を遥かに超えていると警告しています。
コナー・フォーリー「人道主義は いかに戦争へと向かったか」
紛争が民衆にもたらす暴力や人権侵害を解決する方法として、しばしば「人道的介入」の必要性が語られます。しかし、コソボ自治州(その後2008年に独立を宣言)におけるアルバニア系住民の保護を名目にしたNATOによるセルビア空爆、フセイン政権によるクルド人やシーア派住民への弾圧が導火線の一つとなった英米軍主体のイラク侵略など、実際の例をみると、むしろ紛争を拡大し、民間人の被害の深刻化をもたらす例が目につきます。ゲストは『細い青い線─人道主義戦争への道』(The Thin Blue Line: How Humanitarianism Went to War)の著者コナー・フォーリー氏。数多くの紛争地帯で人道援助活動に携った経験をもとに、人道的介入論の起源と問題点を分析します。
ルワンダ虐殺に取り組んだ人権活動家アリソン・デフォージ
コンチネンタル航空3407便がニューヨーク州バッファロー付近で墜落した事故で、ルワンダ専門家として世界の第一線で活躍したアリソン・デフォージが亡くなりました。彼女は、ルワンダでのツチ人の虐殺開始から数週間後の1994年5月に、この虐殺をいち早く「ジェノサイド」と断言しました。1999年には、ルワンダ大虐殺の優れた報告書と評価されている著書『Leave None to Tell the Story:Genocide in Rwanda(誰ひとり生かすな:ルワンダ大虐殺)』を出版しました。長年活動を共にしてきたヒューマン・ライツ・ウォッチ代表のケネス・ロスに、彼女の思い出を語ってもらいました。
ニューディールを支えた女性 ルーズベルト政権の労働長官フランシス・パーキンスの人生
現在の状況と1930年代との比較から、フランクリン・デラノ・ルーズベルト 大統領のニューディール政策が再び注目されています。金融業の規制や思い切った公共事業投資による需要と雇用の創出に加え、公的な社会保障のプログラムを導入したことも画期的でした。社会保障政策の検討にあたりルーズベルト政権内で最も影響力のあった人物は、米国史上初の女性閣僚であるフランシス・パーキンス労働長官だったと論じる本が最近出版されました。著者のカーステイン・ダウニーは、パーキンスの精力的な働きの原点にあるのは、1911年ニューヨークの工場火災で150人の子供たちが犠牲になった悲惨な事件だったと言います。
グアドループ労働者のゼネスト勝利 フランス本土にも影響
世界中で民衆が街頭に繰り出し、富の偏在と格差の拡大に抗議し、経済と労働の主権を求める声を上げています。そのなかでもおそらく最も重要な行動が、カリブ海のフランス領グアドループ島で起きました。
シカゴの工場座り込み 労働者側がバンカメの融資を勝ち取る
リパブリック・ウィンドウズ&ドアーズ社の工場では、レイオフされた数百人の組合労働者たちが6日間にわたる座り込みを続けていました。同工場は12月初めに閉鎖されました。公的資金による救済を受けているバンク・オブ・アメリカ銀行が、所有者への融資を打ち切ったためです。米国での工場占拠は1930年代を最後にほとんど行われていませんでしたが、労働者たちには全国から熱い支援があつまりました。
フロリダの農業労働者 トマト価格をめぐりサブウェイと合意
米フロリダ州のイモカリー労働者連合が今月初め、世界第3位のファーストフードチェーンで同州最大のトマト購入企業であるサブウェイ社と買い上げ価格の合意に達しました。
オバマの戦争 アフガニスタン干渉の過去、現在、未来
ソ連軍のアフガン撤退から今年で20年。10年に及ぶアフガン占領を終えた直後にソ連邦は崩壊しました。米国のアフガン占領はすでに7年目です。「オバマの戦争」ともいわれるアフガニスタンへの軍事介入強化の是非をめぐり、5人のゲストを迎えて、歴史をさかのぼって徹底検証しました。
アフガニスタンにはオバマが主張する軍事解決などない
オバマ大統領は就任直後から、アフガニスタンとパキスタンにまたがるアルカイダの「隠れ家」を取り除くことの重要性を強調し、アフガニスタンへの増派の方針を打ち出していました。2004年にアフガニスタン・イスラム国の新憲法が発布され、初の大統領に選出されたハーミド・カルザイは、ずっと米国の指令に忠実にしたがってきましたが、平和は実現したものの経済発展はほとんどありませんでした。その結果、この5年間でアフガニスタン政府は求心力を失い、その支配は首都カブールに限定され、他の地域は群雄割拠の状態です。せっかく開かれた国家形成の機会を見逃してしまった米国の失敗は、どこに原因があったのでしょう?
新政権に望む環境農業対策
オバマ大統領の前向きな環境政策は高く評価されています。新政権の人事が発表されて間もない頃、環境問題に詳しいニューヨークタイムズのレブキン記者と、環境活動家のマッキベン氏が、オバマ政権の環境対策チームについて評定しました。気候変動に対する世界的な取り組みとのからみで、米国の新政権に何が期待できるのでしょう。また環境問題と密接につながる農業政策についても、新政権への期待を聞いてみましょう。
ロッキーマウンテン・ニューズ紙が廃刊に
新聞業界は大手新聞の休刊や売却が相次ぐ米国の新聞業界で、2月末には米デンバーに本社を構える老舗ロッキーマウンテン・ニューズ紙が2月27日付けの発行をもって廃刊となりました。親会社であるE.W.スクリップス社が、売却先が見つからなかったため、創刊150周年を2カ月先に控える同紙の廃刊を決定したのです。
ブログによる革命 各国のオンライン・ジャーナリスト弾圧
世界各地のジャーナリスト弾圧の実態を調査した「ジャーナリスト保護委員会」(Committee to Protect Journalists)によれば、様々なメディアの中でもインターネットを使って報道しているジャーナリストの投獄件数が、現在もっとも多いのだそうです。2008年に初めて新聞を抜き、トップに躍り出ました。これらの国々では、政府によるメディア統制が厳しいので、ブログがさまざまな意見を伝える場となっています。弾圧を受けるということは、それだけ旺盛なネット社会が存在していることでもあります。
イラクで拷問を採用したことが何千もの米兵を死に追いやった
2年前イラクで尋問チームを指揮していた元米軍特殊諜報活動員が仮名の下に、米軍がイラクで行なった拷問による尋問の効果を疑問視する本を出しました。安全上の理由からマシュー・アレグザンダーのペンネームを用いるこの人物は、イラクで自分が指揮したチームは拷問を用いる代わりに、正統的な心理戦術による尋問方法によってずっと大きな成果を上げたと主張します。なかでも最大の功績はアル=ザルカウィをしとめたことだと彼は言います。

