米国では共和党が多数を占める議会が、オバマ大統領が指名した最高裁判事候補の承認公聴会を開催するかどうかで両党が争う姿勢をみせています。本日は指名されたメリック・ガーランド判事の裁判官としての経歴を見ていきたいと思います。メリック・ガーランド判事は、ワシントンD.C.巡回区の控訴裁判所首席判事です。現在の地位には1997年、ビル・クリントン大統領に指名され、共和党が多数派を占める上院で76対23票で承認されました。それ以前は司法省に勤務し、オクラホマ・シティ爆破事件の検察官を担当しました。ガーランド判事は穏健派と多くから認識されており、これまで民主・共和両党から支持されてきました。9人の裁判官からなる米最高裁は、現在リベラル派判事4人、保守派判事4人と、同数に別れており、ガーランド判事が承認されれば数十年来はじめて左派優勢に傾く可能性があります。しかし、中絶の権利を含む特定の問題に対するガーランド判事のこれまでの実績には不透明な所があると、懸念を示す団体も複数あります。本日は「全米女性機構」(NOW)のテリー・オニール会長と著者のイアン・ミルハイザーにガーランド判事の見解を分析してもらいます。 イアン・ミルハイザーは、Injustices: The Supreme Court’s History of Comforting the Comfortable and Afflicting the Afflicted(『不正義――安楽な地位にあるものに味方し、苦しむ者に苦しみを与えてきた米最高裁判所の歴史』)の著者です。
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