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2015年10月30日(金)

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  • シリアに関する多国間協議がウィーンで行われている中、世界で最も犠牲者の多いこの紛争の最前線で働く医療従事者の危険についてみていきます。2011年月に戦争が勃発して以来、約700人の医療従事者がシリアで命を落としています。「人権のための医師団」(PHR:Physicians for Human Rights)によると、医療施設の襲撃回数は300回を超え、そのうちの90%はシリア政府によるものです。「国境なき医師団」によると、先月後半に空爆がひどくなって以来、シリアでは少なくとも患者と医療スタッフ35人が犠牲になりました。ロシアによる空爆で、10月中にシリアの医療施設6カ所が被害を受けており、一般人や医療スタッフが少なくとも4人負傷しました。本日は「人権のための医師団」のウィドニー・ブラウンと夜の闇に紛れて亡命したシリア人医師に話を聞きます。

  • 「国境なき医師団」(MSF)による最新の発表によると、今月アフガニスタンのクンドゥズで起きた米国による「国境なき医師団」の病院空爆の死者は、医療従事者13人、患者10人、身元不明者7人の計30人に達しました。このほかに医療スタッフ27人が負傷し、患者や介護人の負傷にいたっては把握できません。この空爆により、94人の収容が可能なトラウマ障害センターが廃墟となり、何十万人ものアフガニスタン人から大切な手術設備を奪いました。国境なき医師団は米国の「戦争犯罪」を非難、独立国際調査を要求しました。3週間後、今度はイエメンにある国境なき医師団の病院が破壊されました。今回の攻撃は2015年3月から米国の支援でイエメンを攻撃しているサウジアラビア率いる連合軍によるものです。この襲撃で20万人の人々が医療を受けられなくなってしまいました。「米国はシリア人によるシリアの病院襲撃に関して強く非難していますが、その一方でサウジアラビアによるイエメン攻撃を支援し、兵器類を供給しています。これはロシアがシリア政府に行っているのとまったく同じであり、サウジアラビアがイエメンで行っている行為は、米国政府が非難するシリア政府がシリア国内で行っている行為と同じだという事実に、目をつぶっています」と「人権のための医師団」のウィドニー・ブラウンは話します。

  • グアンタナモ収容所から英国在住者シャケル・アメールが13年以上の勾留を経て釈放されました。アメールは2007年に釈放許可が下りていましたが、米国防総省は彼を罪状もないのに収監し続けました。収監中に拷問、暴行、睡眠妨害を受けたとアメールは主張しています。彼はハンストを決行し、一時期は体重が半分になりました。現在、アメールは妻と4人の子どもが待つロンドンへ向かっています。「世の中がどれくらい変化したかを考えると、米当局は彼をまったく異なる環境の中にほとんど何の支援もなしに放り出すのです。そして拷問されたという彼の信憑性のある訴えや、自由裁量による長期勾留をはじめ、彼が受けた人権侵害の一切に、賠償を求める権利がないのです」と、「人権のための医師団」でプログラム責任者を務めるウィドニー・ブラウンは話します。

  • 米国心理学会(APA)は、国家安全保障関連の尋問に心理学者が関与することを禁ずる新方針を、米国政府に対し正式に通知しました。この新方針が8月に承認されたのは、米国心理学会の幹部が積極的に米国防省やCIAの拷問プログラムと共謀していたことが、独立の調査によって裏付けられたためです。米国心理学会は、ホワイトハウスや連邦政府幹部に宛てた新たな書簡で、新たな倫理規定を侵害する可能性のある尋問や刑務所の現場からの心理学者の撤退を願い出ています。「人権のための医師団」でプログラム責任者を務めるウィドニー・ブラウンは、この米国心理学会の措置について、「APAが新倫理規定を固持して、明らかな不法行為に加担することを拒否すれば」、医療従事者を軍事訴追から守る鍵となると語ります。

  • 米国の金融危機は、ウォール街の巨大銀行に関しては、政治家が一部の銀行は「大きすぎて潰せない」と考えていることを教えてくれました。初期の危惧を経て、民主党と共和党は一致協力して、7千億ドル以上の公金を投じて大手企業を経営破たんから救済しました。しかし、地域住民を対象とする銀行に関しては、この政策の逆がまかり通っていると指摘する新刊書が出ました。How the Other Half Banks: Exclusion, Exploitation, and the Threat to Democracy(『もう半分が使う銀行:排他、搾取、民主主義への脅威』)の中で、ジョージア大学法学部教授メールサ・バラダランは、貧困地域が家計維持や経済成長を助ける通常の銀行サービスを受けられていない実態を調査しています。

  • 輝かしい記録を保持しているハーバード大学ディベートチ―ムが負けるというニュースは、通常、全米はもとより国際ニュースにはなりません。しかし先月行われた試合は通常の試合ではありませんでした。今回ハーバードチームの3人が対戦したのはライバル校ではなく、最高度警戒態勢が敷かれたニューヨーク刑務所の囚人たちでした。ディベートの論題は、米国の公立学校は不法滞在の子どもの入学を拒否するべきか否かでした。刑務所チームは自分たちの意見とは反対の擁護を行わなければならなかったのですが、勝利しました。このニュースは瞬く間に全米、世界中に広がりました。ディベートを行った受刑者たちは受刑者向け大学教育プログラム「バード・プリズン・イニシアチブ」の代表でした。このプログラムが2001年に設立されてから300人以上の卒業生が服役中に学位を得ています。バード・プリズン・イニシアチブの創設者で理事を務めるマックス・ケンナーに話をききます。

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