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2013年11月6日(水)

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  • 5日は全米各地で州や地方選挙などの投票日でした。バージニア州知事選では民主党全国委員会議長を務めたテリー・マコーリフが、ティーパーティーが支援していた州司法長官のケン・クチネッリを破り当選しました。マコーリフの勝利は同州労働者の多くに打撃を与えた連邦政府閉鎖を後押ししたティーパーティーへのしっぺ返しと見られています。ニュージャージー州では共和党の現職知事クリス・クリスティーが楽々再選を果たし、2016年の大統領選挙出馬への一歩を踏み出したと見られています。同州有権者はまた最低時間給を1ドル上げて8.25ドルにし、毎年自動的に生活費分を上乗せするという同州の憲法修正案を承認しました。クリスティーは昨年、同様の法案に拒否権を行使しました。シアトル国際空港とその周辺ホテルの従業員たちの最低時給を強制的に15ドルにするという法案の支持者たちも同様に勝利を宣言しています。ニューヨーク市では格差是正に取り組むと誓って市長選を戦ったビル・デブラシオが勝利し、20年ぶりの民主党市長が誕生することになりました。もう1つの注目選挙だったボストン市長選でも、組合が支援したマーティン・ウォルシュが当選しました。「全米での投票結果を見渡すと、有権者は緊縮財政に替わる政策を求めているように見えます」とネイション誌の政治記者ジョン・ニコルズは言います。「ただただ削減ではない政策を求めている」。他にもいくつかの住民投票の結果を検証します。メイン州とコロラド州ではマリファナ合法化が可決され、ワシントン州では遺伝子組み換え食品のラベル表示提案が否決されました。

  • 物議をかもしているニューヨーク市警察の「ストップ&フリスク(通行人を呼び止めて令状なしに身体検索をする路上尋問)」プログラムは、今回の市長選で有権者の関心が高かった問題でした。8月に地方判事シーラ・シンドリンが同プログラムを憲法に違反すると判断して広く注目を浴びたのです。この尋問が「白人だったならば呼び止められなかったであろう黒人やヒスパニックの人々」を日常的に警官が呼び止めることにつながっており、市警は「間接的な人種プロファイリング施策」に依拠しているとしたのです。同判事はストップ&フリスク手法の停止は命じませんでしたが、一連の改革を監督する連邦裁判所の監視官を指名しました。それが先週10月31日、思いがけぬ展開を見せました。控訴審がこの改革施策を停止し、警官たちに事実上ストップ&フリスクの行使継続を容認したのです。これに対する反応を1人の警察官から聞きます。アディル・ポランコは、自身を含む数千人の警官たちが実行するよう言われているこのプログラムの問題点に関して発言してきました。彼がストップ&フリスク施策に批判的になったのは、上司が現場警官たちに呼び止め尋問のノルマ数を与え、それに達しない場合は懲罰もあると命じた時だと言います。ポランコは自分の分署の会議でのノルマについての説明を録音し、関係する監督部署に懸念を持ち込みましたが、無視されました。そこで録音テープをビレッジ・ボイス紙を含むメディアに渡したのです。ビレッジ・ボイス紙では、グレアム・レイマン記者がThe NYPD Tapes(『NY市警のテープ』)という連載を始めてポランコら数人の警官の声を取り上げました。ポランコは数年間の有給停職処分をうけました。いまは現場に復帰しましたが、職種は変えられています。「黒人やラティーノのコミュニティ全体をまるで全員が犯罪予備軍みたいに扱うことなどできません」とポランコは言います。「犯罪を犯した相手には手錠を掛けますが、黒人の男を見つけて『手錠をかけろ。よそものにみえるから。』だなんて、何の罪で逮捕しろと言うのか?」

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