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2011年7月27日(水)

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  • 76人を殺害したノルウェーの事件の前に、容疑者のアンネシュ・ベーリング・ブレイビクは自身の政治的信念を綿密に綴った長文の文書を残していました。1500ページ余りに及ぶ彼のこの政治マニフェストは「ヨーロッパ独立宣言」と題され、世界中の、特に米国の外国人憎悪著しい右翼団体と共通する目的を掲げています。それが多く依拠するものは著名な反イスラムのアメリカ人ブロガーや爆弾魔「ユナボマー」として知られるテッド・カジンスキーの書いたものです。彼の文書から、彼がイスラム教徒、マルクス主義者、多文化主義者、フェミニストの女性たちを全体的に憎悪する右翼国粋主義者だということが明らかです。ノルウェーの大虐殺の後でさえ、米国の右翼評論家たちは公にブレイビクの見解を擁護する姿勢を示しました。米国の右翼運動を広範に記述してきた作家で、ブレイビクの1500ページのマニフェストも読んだジェフ・シャーレットに話を聞きます。「この文書を読んで最もショックだったことは、これがじつに、すべての意味でなんと米国的であるかということでした。というのも、このうちの大きな部分のネタ元はアメリカ人の書いたものなんですよ」とシャーレットは言います。「彼は大変なアメリカ崇拝者です。合州国はヨーロッパと違って“キリスト教徒のアイデンティティ”をいまも維持していると言っているのです」

  • ノルウェーの事件の余波が続く中、ここでスティーグ・ラーソンの仕事に注目してみます。彼がスカンジナビアとヨーロッパにおける極右主義に関する広範な研究を行っていたことはそう知られていませんが、「ミレニアム三部作」として彼の死後に刊行された国際的なベストセラー・ミステリー『ドラゴン・タトゥーの女』『火と戯れる女』『眠れる女と狂卓の騎士』は多くの人が知っているでしょう。「学校や若者の間で増えている極右主義や白人至上主義文化に対抗しよう」とする自身の情熱の一環として、ラーソンはスウェーデン・エキスポ財団(Swedish Expo Foundation)を設立し、その雑誌「エキスポ(Expo)」を編集していました。スウェーデンのストックホルムから、ラーソンの生涯のパートナーであるエバ・ガブリエルソンに、彼の生前に2人がいっしょに行っていた研究について話してもらいます。

  • 米プロフットボール・リーグに18週間の中断をもたらした全米フットボール連盟(NFL)の労使交渉行き詰まりが解決しました。NFLの選手組合は全員一致でチームオーナーとの取り決めを承認しました。合意の中には選手の健康促進と安全面での改善などいくつかの変更が含まれています。オンフィールドでの練習時間や接触練習の制限や選手の休息日の増加もそうです。選手は生涯にわたって健康保険を維持することもできるようになります。こうした変更は、ネーション誌のスポーツコラムニストであるデイブ・ザイリンを題材にした新作ドキュメンタリー、Not Just a Game(『試合だけの話じゃない』)で取り上げられている数多くの問題の1つ、選手たちの肉体を蝕むフットボールの問題により多くの人たちが気づき始めてきたことで実現されたものです。ザイリンがその映画やNFLの取り決めについて、また、近づく全米バスケットボール協会(NBA)の次期シーズンを台無しにしそうな現在進行中のロックアウトの脅しについても話してくれます。「こうしたリーグのオーナーたちは自分たちが思っていたほど助成金がもらえない。2008年の経済危機と銀行への1兆ドルの公的資金投入のせいです」とザイリンは言います。「そこで彼らはこう言う。『我々は収益率を回復しなければならないし選手たちから給料をもっと返してもらわなければならない。なぜならもらえると思っていた税金からの援助金が予想より少なくなるからだ。カネがもっとこの手に戻ってこなければ、リーグのドアを閉めて試合はヤメってことになる』と。それって、思うに、これをもっと広く政治的で社会的な問題じゃないでしょうか。つまり、ああ、我らのこのスポーツがいま開催できないのは、ゴールドマン・サックスが救済措置を必要としたせいだ、って?」

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