社会には人を殺す権利があるか?チノニェ・チュークー監督の映画『クレメンシー』が死刑を考える

2019/2/1(Fri)
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テキサス州が今週、米国で今年初の死刑を執行したことを受け、アルフレ・ウッダード主演の新作映画『クレメンシー』を取り上げます。死刑の問題を、死刑囚の側からと同時に死刑を執行しなければならない人たちの視点からも考える映画です。ウッダードが演じるのは看守のバーナディン・ウィリアムズで、彼女はこれから自分にとって12番目となる死刑執行に立ち会うところですが、おぞましい失敗となった前回の死刑執行の余波がまだ残っています。オルディス・ホッジ演じるアンソニー・ウッズの死刑執行日が近付くにつれて、ウィリアムズの人生が次第に紐解かれ、州が公認する殺人システムに自分が加担するのはどういう意味をもつのか、彼女は初めて真剣に考えるようになります。この映画はサンダンス映画祭で初上映されました。脚本家で監督のナイジェリア系アメリカ人チノニェ・チュークー氏に話を聞きます。2011年9月21日にジョージア州で処刑されたトロイ・アンソニー・デイビスの死刑執行に刺激を受けて、死刑の問題に取り組むようになったと彼女は言います。デイビスは、警察官マーク・マックフェイル殺害で有罪判決を受け、そのときの証拠に大きな瑕疵があったにもかかわらず死刑を執行されてしまいました。彼の死は、死刑廃止を求める全国的な運動に火をつけることになりました。

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