地球工学をめぐる論争:気候変動と闘うため地球に「ハック」を仕掛けるべきか?

2018/9/14(Fri)
記事番号: 
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カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事の「グローバル気候行動サミット」が同州サンフランシスコ市で開催中です。気候変動対策の中でも異論の多い解決策のひとつ「地球工学」について考えます。「気候操作」とも呼ばれる地球工学は、温室効果ガス排出の影響の低減を狙う意図的な地球の改造のことです。そうした提案はすでに世界中の政府機関、科学者、企業などによって検討されています。地球工学の支持者たちは急進的な方法で地球を操作することを認めており、硫黄酸化物を含むエアロゾルを成層圏に噴射したり、大気中の二酸化炭素を除去することなどが提案されています。しかし、このような「テクノロジーによる対処」は気候変動の根本的原因の解決にはつながらず、むしろ地球を危険に晒す危険があるとの批判もあります。ETCグループの理事であり、「気候正義連盟」(Climate Justice Alliance)創設メンバーで理事のゴーパル・ダヤネニと、ハーバード大学工学・応用科学スクールの応用物理学教授でハーバード・ケネディー行政大学院の公共政策学教授のデビッド・キースの二人を招き討論会を行いました。キース教授は、大気中から二酸化炭素を捕まえる技術を開発する会社、「カーボン・エンジニアリング」の創設者です。

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