限定なき世界戦争の恐れ:宣戦布告権限をトランプ大統領に白紙委任する上院の動きにアメリカ自由人権協会が警告

2018/4/18(Wed)
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ニューヨーク・タイムズ紙は、23日、トランプ大統領がジェームズ・マティス国防長官の反対を押し切ってシリア空爆を開始したと報じました。国防長官は、大統領が空爆に先立ち連邦議会の承認を得ることを望んでいました。一方、多くの連邦議会議員は、トランプ大統領が議会の意見も聞かず承認も得ていないため、米国のシリア攻撃は違法だと表明しています。この出来事は9.11同時多発テロ事件後に大統領に与えられた戦争権限、すなわちAUFM(軍事力行使権限承認)の再考を議会が検討しているさなかに起きました。現在のAUFMは、2001年9月14日、上院で賛成98、反対0、下院で賛成420、反対1で採択されました。唯一の反対票を投じたのはカルフォルニア選出民主党下院議員のバーバラ・リーでした。以来、ブッシュ、オバマ、トランプ各大統領が、少なくとも14カ国における37の軍事作戦の正当化にAUMFを使ってきましたが、その多くは、9.11とは全く無関係でした。16日、上院外交委員会委員長ボブ・コーカー(テネシー州選出共和党議員)と、同委員会委員のティム・ケイン(バージニア州選出民主党議員)は、現行のAUMFの改正法案を提出しました。コーカーとケインは、この改正法案は議会による監視を強化すると主張しています。しかし、アメリカ自由人権協会(ACLU)などが、この改正案は実際にはトランプ大統領はじめ将来の全ての大統領の権限を拡大し、限定のない世界戦争を起こすおそれがあると警告しています。ACLUの国家政策担当責任者であるファイズ・シャキールに詳しく聞きます。

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