奴隷制度から大量収監へ エイバ・デュバーネイ監督の『13th』が迫る米司法制度の人種差別

2016/10/3(Mon)
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エイバ・デュバーネイの新作ドキュメンタリー映画は、米国の司法制度がいかに人種差別によって突き動かされてきたかを、奴隷制時代から現代の大量収監までをたどりながら描いた作品です。作品名の"13th"は、奴隷制度の廃止を規定しつつ、犯罪に対する罰としては例外規定を設けた合衆国憲法修正第13条から取られました。米国の人口が世界に占める割合は5%ですが、米国の受刑者の割合は25%にのぼります。2014年には200万人以上が収監されましたが、その40%がアフリカ系米国人男性でした。「判決手続きプロジェクト」(the Sentencing Project)によると、現在のペースで収監が続けば、今日生まれるアフリカ系米国人の3人に1人は生涯のうちに刑務所への収監を経験することになるといいます。新作を公開したエイバ・デュバーネイ監督に話を聞きます。デュバーネイの2014年のヒット作『グローリー/明日への行進』はアカデミー賞作品賞にノミネートされ、この賞にノミネートされた初のアフリカ系米国人女性監督となりました。

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