ウォール街の「土地強奪」 賃貸住宅の買い集めと住民の追い出し 新たな住宅危機を招くか

2014/4/10(Thu)
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プライベート・エクイティ投資会社「ブラックストーン・グループ」(Blackstone Group)は、いまや米国最大の1世帯向け賃貸住宅オーナーです。同社はアトランタで、一日のうちに1400件にも上る物件を購入しました。こうしたプライベート・エクイティ投資会社は賃貸住宅市場で大きなシェアを獲得する一方、大手銀行と組んでそれらの賃貸住宅を証券化し「レンタル・バックト証券」(rental-backed securities)と呼ばれる新たな金融商品をつくり出しています。これは前回の金融危機の一因となった「不動産担保証券」(mortgage-backed securities)を連想させます。この新たなプライベート・エクイティ賃貸帝国は、次の住宅危機を誘発しないでしょうか? A Dream Foreclosed: Black America and the Fight for a Place to Call Home(『差し押さえられた夢:黒人のアメリカと、「マイホーム」を手にするための戦い』)の著者ローラ・ゴッテスディーナーに話を聞きます。ゴッテスディーナーは、この賃貸物件の大量購入を「土地の強奪」の一種だと言います。ニューヨーク市の賃貸市場に焦点をあてたゴッテスディーナーの最新記事では、反対派が呼ぶところの「略奪エクイティ」の一例を取り上げています。大企業は家賃値上げのために既存の借家人を追い出そうとして不正な手段を用い、住人はそれに抵抗しています。また、住宅差し押さえの被害者のひとりベンジャミン・ウォーレンにも話を聞きます。彼は近年のニューヨーク市では最大規模の住宅差し押さえで住居を失った42軒の建物に住んでいた1600家族のひとりです。

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