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マルコム

『マルコムX 自伝』を問い直す マニング・マラブルの新たなマルコム像

ブラック・ムスリム運動の指導者マルコムX は20世紀アメリカで最も影響力を持った政治活動家の1人でした。無神論者でハーレムのチンピラだったマルコム・リトルは、「ネイション・オブ・イスラム」に入信してマルコムXと改名し、白人社会への同化ではなく分離独立をめざす、黒人民族主義運動の傑出したリーダーとなりました。当初はキング牧師に代表される非暴力主義や公民権運動には批判的でしたが、メッカ巡礼などを契機に世界的な視野を獲得するに至り、1965年2月に凶弾に倒れる直前には汎アフリカ主義に基づく西半球のアフリカ系住民全体の団結と権利拡大を提唱していました。このような変化から、彼の人生は変身転の連続であったとの見方が主流です。その基になったのはアレックス・ヘイリーと共著で出版した『マルコムX 自伝』です。歴史学者マニング・マラブルは、この見方に異を唱え、従来の研究とは異なるマルコム像を語ります。(50分)

モハメド・アリ 政治にコミットするスポーツ選手の草分け

 ボクシング界屈指の偉大なチャンピオンであるモハメド・アリは、その波乱万丈の生涯を通じ、その生きた時代の政治とのかかわりによって、まさに伝説的なものになっています。1960年オリンピックでライトヘビー級金メダルを獲得した後、プロに転向したカシアス・クレイは、ブラック・ムスリム運動として知られる「ネイション・オブ・イスラム」に入信し、「モハメド・アリ」に改名すると宣言しました。ベトナム戦争にも批判的で、徴兵拒否をし、タイトル剥奪と活動停止に加え、禁固5年という異常な重刑を宣告されました。デビッド・ザイリンは、「スポーツと政治の接点」という彼独自の視点から、スポーツ界の沈黙を破って、弱者のために闘うと言ったアリの生涯をとらえ直す新著を刊行しました。  。(11分)