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ジャーナリズム

アメリカの急進派  I・F・ストーンの生涯とその時代

「急進派ジャーナリスト」を自称したI・F・ストーンは、20世紀アメリカを代表する調査報道ジャーナリストでした。学問的ともいえるような緻密で徹底した調査手法でスキャンダルを鋭く暴く独特のスタイルによって、アメリカの報道界に大きな影響を残しました。60年にわたる活動期間を通じて取り上げた問題は、ニューディール政策から、第2次世界大戦、マッカーシズム、冷戦世界大戦、イスラエル=パレスチナ問題、公民権運動、ベトナム戦争と多岐にわたります。 有名な自費出版の個人ジャーナル『週刊I・F・ストーン』を始めることになったきっかけは、マッカーシー時代の言論統制の中で、公的医療保険の導入を阻む医療業界のボスを果敢に批判したためマスコミを追放されたからでした。

「利益至上主義が新聞を殺した」非営利ジャーナリズムの提案

ネットによる情報配信は民主的であり、無料で情報にアクセスできるのは素晴らしいのですが、ブログの情報には実際の取材によるものはほとんどなく、たいていは他所の情報の寄せ集めです。一次情報を提供するコストを無視すればやがては取材をする者はいなくなり、信頼できる情報がなくなり、最終的には社会全体が損失をこうむります。しかし米国の新聞の凋落が始まったのは、じつはネットやデジタル技術が台頭するずっと前でした。

ロッキーマウンテン・ニューズ紙が廃刊に

新聞業界は大手新聞の休刊や売却が相次ぐ米国の新聞業界で、2月末には米デンバーに本社を構える老舗ロッキーマウンテン・ニューズ紙が2月27日付けの発行をもって廃刊となりました。親会社であるE.W.スクリップス社が、売却先が見つからなかったため、創刊150周年を2カ月先に控える同紙の廃刊を決定したのです。

ブログによる革命 各国のオンライン・ジャーナリスト弾圧

世界各地のジャーナリスト弾圧の実態を調査した「ジャーナリスト保護委員会」(Committee to Protect Journalists)によれば、様々なメディアの中でもインターネットを使って報道しているジャーナリストの投獄件数が、現在もっとも多いのだそうです。2008年に初めて新聞を抜き、トップに躍り出ました。これらの国々では、政府によるメディア統制が厳しいので、ブログがさまざまな意見を伝える場となっています。弾圧を受けるということは、それだけ旺盛なネット社会が存在していることでもあります。

ホワイトハウスのベテラン記者へレン・トーマスが語るブッシュ政権

ブッシュ大統領の最後の記者会見は、ホワイトハウス担当記者団との和気あいあいの雰囲気のなかで終了しました。質問の機会を与えられなかった最古参のヘレン・トーマス記者が切り込んでいれば、そんな馴れ合い的な雰囲気では収まらなかったかもしれません。ケネディ以降の9人の大統領すべてに質問してきた「報道界のファーストレディ」による鋭い質問を敬遠して、ジョージ・W・ブッシュは歴代大統領の慣行を破って長いあいだ彼女に質問の機会を与えませんでした。不遇の時期が続きましたが、いま去り行くのは大統領の方で、報道業界のファーストレディは健在です。さっそくオバマ新大統領にも、「中東の核保有国はどこか?」と鋭い質問をあびせました。

ビル・モイヤーズ メディア改革の必要を語る

2008年6月ミネソタ州ミネアポリスで第4回メディア改革全国大が開催され、米国各地から3500人以上の人々が集まりました。主催はメディア改革推進団体のフリープレスです。無数のパネルディスカッションやワークショップが行われ、メディア統合が進む現状にどのように対抗し、放送用周波帯使用の民主化を実現するための方策を練りました。放送界の巨星ビル・モイヤーズが行なった、感動的な基調講演をお送りします。

大統領候補者討論会に議論がない理由

米国大統領選挙のクライマックスは、主要候補者が公開の場で意見を戦わす公開討論会です。その歴史は案外新しく、一般向けに公開放送されるようになったのは1960年のケネディ対ニクソンの対決からです。しかし討論に参加するのはたいていの場合、民主党と共和党の候補であり、第3勢力の候補が招かれることはまれです。討論会に招かれるのは誰なのか、どのような話題が話されるのかを決めているのは、いったい誰なのでしょう?大統領候補の討論会をモニターする非営利団体「オープンディベート」のジョー ジ・ファラー氏に話を聞きます。2008年大統領選挙においては、民主党オバマ陣営と共和党マケイン陣営が密かに談合し、すべての公開討論の内容について細かな取り決めを行っていたと告発します。

ペンタゴンの御用「軍事専門家」 国防省のプロパガンダ策を検証

ニューヨークタイムズ紙は、米国防総省がイラク戦争開戦前、イラクを差し迫った脅威として描き出すために、いわゆる軍事アナリストとしてテレビ出演させる目的で75人以上の元米軍仕官を雇ったことを明らかにしました。国防総省は、ブッシュ政権の戦時演出に有利なニュース報道を生み出す宣伝攻勢のために、こうしたアナリストたちを使い続けていると同紙は報じています。元空軍大佐のサム・ガーディナーと、フェアネス・アンド・アキュレシー・イン・レポーティング(報道の公正と正確さを追求する会)のピーター・ハートから話を聞きます。

「20世紀のメディア王」ルパート・マードック

2007年8月、ルパート・マードック率いるニューズ・コープ社が、米国でもっとも信頼されてきた大手新聞の一つ、ウォールストリート・ジャーナル紙を所有するダウジョーンズ社の買収に成功しました。この時点でニューズ・コープ社は世界中で176の新聞を所有したことになります。米国ではここ数年、マードックのような“メディア王”による報道機関の占有が進んでいます。報道の公正さと質の低下を危惧するジャーナリストたちは、利益追求を優先させる企業家によってメディアが売買される状況を深刻な危機であると声を上げています。

ジョン・ピルジャー「リベラルな報道機関による民主主義の圧殺」

 オーストラリア出身の著名なドキュメンタリー作家、ベトナムや東チモールやなどで数々の真実を暴いてきたジョン・ピルジャーは、2007年8月にシカゴの社会主義会議で行った講演で、企業利益を代弁する商業メディアの支配にいつになく痛烈な批判を浴びせています。その論調は、N・チョムスキー&E・ハーマンのメディア論を髣髴とさせます。「リベラル・デモクラシーは、しだいに企業による独裁政治の一形式へと変容しつつある。この歴史的な大転換が進むとき、外見を繕い真実を隠蔽する道具としてメディアが機能するのを許してはならない。メディアそのものが、大衆的な関心を呼ぶ緊急の大問題として論争にさらされ、直接行動のまとになるべきだ。「大多数の人々が真実を知らされず、真実という観念を奪われたなら、その時には"言葉のバスティーユ監獄"が襲撃される、と米独立革命の思想家トマス・ペインは警告しました。その時は、今です」(46分)